表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第1章
13/79

13  クロナの狙い

 黒瀬達は、なかなか帰ってこない紅葉を探していた。


「お嬢様――」

「紅葉!」

「ピーロンは、町のはずれの方を頼む!」

「分かりました」


 ピーロン、ロザ、ラーガは、町はずれへと探しに行った。

黒瀬、セラティナ、サラは、町を探した。


「どこに行ったんだ!」

「うーん…。もしかしたら…」


 黒瀬は、こないだのことを思い出していた。


(確か…。この路地裏に…)


黒瀬がある路地に入ろうとしたとき、


―――デットムーン・ストライク!!


 上から、攻撃をうけた。

黒瀬は、ヒラリと交わし、攻撃をした。

少女も黒瀬の攻撃をヒラリと交わす。


「まったく、危ないですね。可愛らしいあなたが持っていては少々悲しくなります」

「余計なお世話ですわ!」


 セラティナとサラが駆けつけた頃、2人は睨み合っていた。

そこには、ショートヘアの魔族である鬼人の少女が、大きな太剣を持っていた。


「黒瀬、これはいったい!?」

「この少女がお嬢様を連れて行ったに違いありません」

「なぜ、そんなことが分かるの?」

「お嬢様の匂いがこの少女からするので…」

「なんで、そんなことが分かるのよ」


と、サラは驚いていたが、横でセラティナが言った。


「そう言えば、黒瀬、紅葉の洗濯物をしている時、いつも匂いを嗅いでないか?」

「えっ!?」

「黒瀬は、人一倍に紅葉のこと知っているからなぁ…」


セラティナは、頭を掻きながらそう言った。


「変態か!」


サラは、普通に言ったセラティナに向けて言った。

それを聞いていた黒瀬が、


「人聞きの悪いことを言いますね」


黒瀬は、ニヤリと笑う。


「なんだ。あの不気味な笑みは…」

「黒瀬が、あの顔をしたら、たいてい、やましいことしか考えてないからなぁ…」

「そうなのか!?」

「そんなことはございませんよ。何を仰っているのですか?」


 3人で、話していると、少女が何か怒りのオーラを放っていた。


「何を、わたくしをおいて、楽しそうに話をしているのですか?惚気ですか?それとも、わたくしに、当てつけですか?どちらにあたりますか?」

「あいつ、やばいオーラだぞ!!黒瀬、わざと挑発しただろ!?」

「何のことでしょう?」


黒瀬は、ニコリと笑う。その笑顔はいつもより、ちょっと違って怒っているのようにも見える。


「先ほどから、わたくしのことを少女と呼ばないでほしいですね。ちゃんと、【クロナ】という可愛らしい名前があるんですよ?」

「そうでしたか。これは、とんだご無礼を。クロナ様。わたくしの主、紅葉お嬢様は、どこにいるのですか?」

「あの子の名前は紅葉というのですか。紅葉は、わたくしのもの。教えるわけにはいきません!」

「どうしも教えて下さらないのでしたら、力づくで教えてもらいましょう」


 黒瀬は、また、クロナに攻撃を仕掛けていった。


「サラ、通信魔法は使える?」

「うん。使えるわよ」

「ピーロン達に、通信魔法で連絡してほしいのよ」

「分かった」


サラは、ピーロン達に、通信魔法で今いる場所を伝えた。


「伝えといたわ。すぐに行くって」

「黒瀬は、強いから倒れないとは思うけど…。あの子、なかなかやるわね。あの黒瀬と互角で戦っている」

「黒瀬は、多分、力の半分は出していないと思うわ」

「サラ、あなたにも分かるの?」

「ええ…。あの時の黒瀬は、顔が尋常じゃないくらい怖かったから」

「ああ…」


 セラティナとサラは、黒瀬が戦っている所を見ていた。

セラティナは、その奥にある店を見た。

その店は、クロナの店に違いないと思い、サラに言った。


「サラ、あの向こうにお店がある。紅葉は、あそこにいるんじゃないかしら」

「あのクロナという子のお店なのかしら?」

「サラは、ここに残って、ピーロン達が来たら、このお店に来るように伝えて!」


セラティナは、その店へと向かった。


 戦いに夢中になっているクロナは、セラティナが店へと向かっていることに気が付いた。


「くっ…。」


クロナは、セラティナに攻撃をしたが、すぐに黒瀬に邪魔をされた。


「クロナ様、戦いの途中によそ見をしたらダメですよ」

「ちっ!!」


 セラティナは、店の中に入った。

見渡すが、紅葉の姿はない。


「紅葉!どこにいるの?いたら、返事をして!」



◇ ◇ ◇



 ―――紅葉は、暗闇の中で目を覚ました。

 冷たい場所にいた。


「ここは…。寒い…」


 少ししてから、目が慣れてきたのか、紅葉が喋ると、白い息が噴き出ているのが分かる。


「私、、、何してたんだっけ?」


これまでのことを思い出していた。


(魔導士の本がほしくて、この前、穴場のようなところの本屋さんがあったから、そこに来ていたんだわ。それで…)


「ま、まさか…。あの子が…」


紅葉は、とりあえず出口を探す。


「何処かに出口があるはず…」


と、思っていると、紅葉を呼ぶ声が聞こえてきた。


「紅葉ー―!どこにいるのー?」


「あの声は、セラティナ!!セラティナーー!」


紅葉は、大きな声で呼んだ。


「ん?紅葉の声?」


 セラティナはよく紅葉の声を耳を澄ませて聞いた。

床下の方から声が聞こえていた。


「まさか!地下に?どこかにスイッチか何かあるはず…」


―――一方のお店の外では、激しい戦いが繰り広げられていた。


―――キーン!!


「はぁ…はぁ…」

「クロナ様、息を切らしていますよ?もう、やめたらどうです?」

「何を…言っている…のですか…。あの子は、わたくしのもの。。。誰にも渡さないですわ!」

「先程から、紅葉お嬢様をものみたいに言っていますが、クロナ様のものではありませんし。もともとは、わたくしたちのお嬢様ですよ?そんなにも、お嬢様の傍に居たいのなら、わたくしたちのギルドに入って下さいませんか?」

「何を言って…」


 黒瀬がクロナの近くにきたとき、黒瀬は、クロナの動きを封じた。


「は、離せ!!」

「クロナ様のその力があれば、わたくしは、安心致します。尋常じゃないくらいのお嬢様に、ゾッコンしているのならば、ストーカーくらいに、くっついていればいいのです。だから、わたくしたちの仲間になっていただけませんか?」

「黒瀬!そんなこと、勝手に言ってもいいのか?」

「大丈夫ですよ。お嬢様なら喜びます」


 黒瀬がニコッと笑っていると、ピーロン達が駆けつけてきた。


「ええっと…。これ、何?」


ロザがその光景を見て言った。


「ピーロン、ロザ、ラーガ!ちょうどいいところにきた。黒瀬が、あの子を仲間にしようとしているんだけど。でも、あの子が、紅葉を監禁しているみたいなの!」

「えー!!てか、いいんじゃない?仲間にしても…」

「そんな軽く…。いいの?」

「多い方が楽しいじゃん。で、セラティナは?」

「あのお店に入っていった。紅葉が多分いるんじゃないかって」

「なるほどねー」

「黒瀬、助けた方がいいか?」

「いえ、わたくしは大丈夫ですよ。セラティナ様を手伝ってくださいませ」


 そう言われ、ピーロン達はお店の中へと入った。


「セラティナ?」

「あっ!この下から紅葉の声が聞こえてきているんだけど…。スイッチが見当たらないの」

「うーん」

「この程度のことは、任せてください」


 ピーロンは、本棚の所を探っていた。

すると、硬く本ではないところに手をやると、床が動いた。


―――ギーギギ!!


「あっ!!」

「開いた」

「紅葉!大丈夫?」


床下の地下に、ピーロン達は覗き込む。


「大丈夫よ!ありがとう…。皆」


 紅葉は、無事に助け出された。

そして、店の外に出た。


「お嬢様、ご無事で何よりでございます」

「黒瀬…。あなたは、何をしているの?」

「このクロナ様が紅葉様を監禁していた犯人でございます」

「そう…」

「お嬢様?」

「薄々、感づいていたわ。クロナ、あなたが私を見ていたことを」

「お嬢様知っていたのですか?」

「気づいていたの?」


 皆が驚いて言った。


「いつだったか、鏡を見ている時、若干凄い気配を感じていたから、鏡で見ていたのよ。その時に、クロナ。あなたが写り込んだってわけよ」

「そういうことだったのか…」


皆が、納得していた時、クロナは下を向いていた。


「ある日、町に出かけた時、なぜか、ふと前を見た時、紅葉様、あなたがいて笑顔がとても可愛かったのです。それから、一目ぼれをしてしまい、いつも探していました」

「それは、ストーカーなんじゃあ…(汗)」

「いけないと分かっていたのですが…。どうしても話してみたかったのです」

「だから、あの時…。私のカバンの中に、自分のお店のチラシを入れたのね」

「そうです…。つい、あんなことをしてしまいました…。本当に、反省しています。本当にごめんなさい」


 クロナはそう言い、紅葉に頭を下げた。


「もう、大丈夫よ。それより、クロナ…。まだ、返事を聞いていなかったわね」

「えっ?」

「どうするの?私達の仲間になってくれるの?」

「紅葉様が、いいというのなら、ギルドに入りましょう」

「分かったわ。これから、よろしくね」



 そうして、クロナは紅葉達の仲間になった。


―――次の日。


「お嬢様!早く起きてください」

「だから、黒瀬。ちゃんと入ってくるときは、一言いいなさいよ!なんでいつもいつも…」


また、朝から紅葉と黒瀬の言い合いが始まる。


「紅葉様、次からはわたくしが起こしてあげますよ。黒瀬様は、手が空くでしょう?」

「ですが、お嬢様を起こすというのが、わたくし執事の役目でございますゆえ。大丈夫でございますよ?」


 黒瀬は、ニコリと笑うがクロナは少しイライラしていた。

2人とも、怒りのオーラを放っていた。


「また、朝から面倒なのが始まりそうだな…」


セラティナ達はそう思った。


まだまだ続きます。

評価や感想お願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] サクサク仲間が増える点はテンポが良くて好印象。 [気になる点] 地下が寒い表現なのに、声が聞こえるという点が少し引っかかりを覚えました。 (密閉具合が気になる感じです) 声が聞こえる方を…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ