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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第1章
11/79

11  サラの決意

「いた!」


 サラの乗ったサラマンダーは、冒険者の頭上を飛んでいた。

魔導士の者、感知の者は、その大きな力に気づいていた。


「上か!」


 その瞬間に、サラマンダーの流星弾が降り注いだ。

よける者、魔法でバリアで防ぐものがいた。


「ここから出て行け!!」


 サラは、また、流星弾を放つようサラマンダーに問いかけた。

だが、その問いかけをかき消すように、攻撃を仕掛けてきたものがいた。


「キャッ!」


 サラは、態勢を崩しサラマンダーから落ちていった。

冒険者の者たちは、それを見ていた。

魔法の者は、攻撃をしようとしていた。


「ひんし状態にしろよ?絶対に殺すな」

「わかりました」


(クソッ!!シロン…、助けて)


落ちていくサラは、そう思い目を閉じた。


―――――ウィンドー・トルネード!!


 サラをギリギリ受け止めた。


「ナイス!紅葉」

「お嬢様、お見事です!」

「エッヘン!どんなもんよ」


 サラは、目を開けると、そこには紅葉たちがいた。

そして、ゆっくりと地面に降りた。


「あなたたちは…こないだの!どうして?あたしを…?」

「だって、1人の子をほっとけないもん!だから、ここにいる皆であなたを助けに来たの」


 紅葉のその言葉に、サラは涙を浮かべた。


「どうして…。ずっと、1人でここに…。来る人来る人、追い払っていった。今もあたしのことを、気に入らない人たちが、こうやって、あたしを狩ろうとここに来ている!」

「そんなことは、絶対に私達がさせないから!」

「そうよ。そのために私達が来たんだもん。あなたを救いたい」

「だからね!」


紅葉とセラティナは、顔を合わせ、サラに言った。


「私達の仲間になってほしい。一緒に来てほしい」

「あなたが、これまでのことを聞いたわ!私だったら、そんなこと絶対に耐えられない!」

「1人でいるのは寂しいと…。私は分かるから…」

「だから!」


そう言うと、2人は冒険者たちに攻撃をした。


「あの人たち…」

「失礼ながら、少しよろしいでしょうか?」


話を聞いていた黒瀬がサラに向かって言った。


「わたくし達は、サラ様、あなたの過去のことについて調べました。村のこと、奴隷にされそうになったところに旅人【シロン】様というお方に命を救われたこと…」


 黒瀬は、サラの過去のことについて一通り言った。

そのたびに、サラは顔をゆがませていた。

涙が、溢れて出ていた。


「あなたは、もう、1人で抱え込まないください。もう、楽になってもいいのですよ?お嬢様やセラティナ様が言われたみたいに、よかったらわたくしたちの仲間になってほしいのです。そして、魔王を、四天王を一緒に倒しませんか?シロン様の仇を討ちたくありませんか?」


 サラは、唇を噛みしめて、


「あたしは…、あなた達と一緒に行けば、憎たらしい四天王やもう1つの組織を倒せるの?そんな保障どこにあるの?」

「それは、わたくしが保証します。できなければ、、、お嬢様を何していいですよ」


 黒瀬は、ニコッと不気味に笑って言った。


「ちょっと!!黒瀬、おかしくない?なんで、私なのよ!?あなた、私の執事なのに主人を売るようなこと言わないでよ!」

「でも、お嬢様。そういうふうに言わなければ、もしかしたら、サラ様は、首を縦に振ってはくださらないかと思いましたので…」

「勝手に決めるんじゃないわよ!?」

「2人とも、口を動かさず、手を動かしてほしいのだけど?」


 セラティナが1人冒険者達に、攻撃をしていた。


「てか、この話はこの人達を倒してからにしましょう!黒瀬、頼んだわよ!!」

「仰せのままに…。我が主よ」


 黒瀬は、一気に攻撃は仕掛けに行った。

素早い動きに冒険者達は、ついていけなかった。


「クッソ!」

「あの男、素早くて攻撃しても当たらない…」


冒険者達は、焦っていた。


「うちの執事は、1番強いのよ!何もかも完璧にこなせるのだから。あまり甘く見ない方がいいわよ?」

「なんか、黒瀬楽しそうね…」

「いつも、こんなに舞うように動いてないからねー。最近は…」


 黒瀬の顔は、不気味に笑いながら、冒険者達の攻撃をヒラリと交わし、攻撃をしていた。


「私達…いるか?」


 唖然としているセラティナは言った。

その光景を見ていたサラはふと思った。


(シロンみたいに、きれいな戦い方だ…。それから、あの笑顔は、、、何かを狩っていた時のシロンの顔にそっくりだ)


 サラは、そう思いながら黒瀬のことを見ていた。


「やれやれ…。ざっとこんなものでしょう」


 黒瀬がほとんど冒険者達を倒した。


「黒瀬、よくやったわ。ただやりすぎよ…」

「やりすぎてはいませんよ?痛めつけているだけですよ」


 そう言い、ニヤリと笑い冒険者達の方を向く。

その不気味な笑みを見て、


「ひぃぃ!」

「うわーー!」


 冒険者達が山を下りようとした。

すると、アジトを襲撃に行っていたラーガとロザが来ていた。


「あっ!2人ともいいところに―――。そいつらを捕まえてー?」


と、突然紅葉に言われ、ラーガとロザは言われるがままに捕まえた。


「お前ら、あまりあの人達を怒らせない方が身の為だ」


とロザが言うと、冒険者達はため息をつき、その場に座り込んだ。


「どうしてあなた達は、このサラ様を狙ったのですか?」

「誰からの命令よ!はっきり言いなさい!」


紅葉は、そう問いかけた。


「それは…」


冒険者達の言葉が一気に口を紡いだ。


「どうして言えないんだ?」

「俺達は、雇われただけだ。何も知らない!」

「嘘だ!?」

「嘘じゃない!!俺達は、サラマンダーを扱う獣人ビーストの小娘を狩ってこい!と言われただけだ」

「…っ!?」


 紅葉が、そう言っている冒険者に向かって行き、魔法を唱えた。


「ファイヤーーーーー・トルネード!!」

「ちょっと!紅葉?」


 セラティナが止めようとしたとき、黒瀬は何かの気配を感じた。

そして、ロザに、


「ロザ様!!1時の方向に向けて銃を撃ってください!」

「ん?分かった!」


 ロザが、突然、黒瀬にそう言われたが、すぐに理由が分かったのか、銃を構え、黒瀬が言った方向に撃った。

撃った先には、紅葉達が追っている敵がいた。


「黒瀬!逃がすな!!」

「分かりました」


黒瀬は、その敵を追って行った。


「なんだったんだ?」

「恐らく、この者たちをお金で雇った奴だろう」


と、紅葉は言った。

冒険者達を、縄で縛り、山を下りて行った。

黒瀬も敵を追って行ったが、途中で邪魔が入り、追うことをやめた。


(厄介ですね…。まぁ、仕方ない事です。帰ってお嬢様にお伝えしなければ…)


 黒瀬は、紅葉の元へと帰って行った。

その様子を見ていた者がいた。


「危なかった…。助かったよ。ルト」

「シルバーン、お前がしくじるからだ」

「悪かったよ。でも、面白くなってきたな…」


敵は、消えた。


◇ ◇ ◇


「お嬢様、すみません。取り逃がしました」

「珍しいわね。黒瀬が取り逃がすとは…」

「あともう一歩のところで邪魔が入りました」

「やはり、どこかで見ていたのね。仕方ないわ。またにしましょう」

 

そう言い、町へと帰った。




――――【ウトエスト】町へと帰ってきた。

 紅葉達は、捕まえた冒険者達を差し出し、こう言った。


「町の人達よ!よく聞いてほしい」


 紅葉の言葉に、町の人達は足を止める。

そして、近寄ってきた。

獣人ビーストのサラを見て、石を投げつけてきた者がいた。


「…っ!!」


 サラは、思わず目をギュッと閉じた。


――ガツン!


凄く鈍い音がしたが、サラは


(あれ?痛くない…?)


 サラがそーっと目を開けると、そこには紅葉がいた。

紅葉の額には、血が少量出ていた。


「いいですか?町の者たちを!このサラは、あなた達を救うために、この町にきたのです!旅人と。ですが、ある者にサラの召喚獣が操られていたのです。私達は、それを調べました。私達が追っている四天王の1人がその旅人を殺せ!と命じ、召喚獣に襲わせたのです!だから、サラをどうか、どうか責めないでほしい…。」


 そう言い、紅葉は町の人達に向けて頭を下げた。

それを見た黒瀬も同じく頭を下げた。他の仲間達も頭を下げた。

サラは、それを見て、


(どうして…。こんなあたしのために…)


 町の者達は、紅葉の話を聞いて顔を見合わせていた。

町の中心となる人がやってきた。


「話は聞かせてもらいました」

「あなたは?」

「この町をまとめています。『ギル・バディーン』と申します。ギルとお呼びください」

「はい。紅葉と言います」


と、紅葉達は自己紹介をし、話をしていたことを言った。


「それは、私がよく知っています。だって、私がそれを見ていたのですから…」

「…っ!!」

「どういうことですか!?」

「ここでは…」

「では、場所を変えましょう。それから、額の傷を手当しませんと…」


 紅葉達は、ギルの屋敷に行った。

ギルから話を聞いた。


「すみません…。町の者が失礼を」

「大丈夫ですよ。お嬢様の額は、そう弱くないですから」

「そうね。よく高いところから落ちていたから、強いのよ…。って、何を言わせてるのよ!私のこといいのよ!すみません。話とは…?」

「皆さんは、どこまでそのサラさんのことを知っていますか?」

「そうですね…。ざっくりと言うと、ほとんどは知っています。旅人の名前が【シロン】様という方で、奴隷の者達が売られているところにサラ様がいて、救ったり、いろんな所を旅をしていた。ということを知っています」

「よく知っていますね。私は、サラさんと最初にお友達になりました。子供の時にね…」


 ギルは、子供の時の出来事を紅葉達に詳しく話していた。

ギルは、もう少しで馬車にひかれそうになったところを、またまた、シロンとサラが町に訪れいた。

そこをちょうどシロンとサラが見ていたのだ。

サラは、そのこと言われて、


「そういえばそういうことがあったなぁ。では、あなたはあの時の子供だったのか?」

「そうですよ。あの時は、助けていただきありがとうございます。それから、私には友達がいないことから、サラさんあなたは私の友達になって下さいました。でも…」


 ギルは、歯を食いしばって、


「サラさんを…町の者はおかしかった。私でもわかる。魔物達が暴れていて、サラさんとシロンさんが助けててくれていたのに…。暴走し、壊滅になったこと…、よくよく考えてみると、不自然なところがありすぎます!急に召喚獣が暴れるなどはありません」

「そうなのですか?」

「ええ、召喚獣とかは契約していますから…」

「では、いきなり暴れたりはしませんね。では、やはり何者かが手引きをしたのでしょう」

「許せない…」


 紅葉は、胸を痛めていた。

絶対に操った者を許すことができないと。

四天王がやることが腹を立てた。

一通り、ギルの話を聞いて、ギルは町の人達に真実を伝えると約束をした。



◇ ◇ ◇



「サラ、あなたはもう、自由の身よ。私達と来てほしい…」

「少し考えさせてほしい」

「…。ええ、分かったわ。いい返事を待っているから」


 そういって、紅葉達は、宿へと向かって行った。

サラは、自分の住処に戻り、紅葉と一緒に行くか悩んでいた。


(シロン…。私はいったいどうしたらいいの…。あの人達と一緒に旅に出てもいいのかしら…)


サラは、そう思いながら眠りについた。

その日サラは、夢を見た。


≪サラ…。サラ…。≫


誰かがサラを呼んでいる。


≪だ、誰?あたしを呼んでいるのは…≫


濃い霧の中から、男の人が現われた。


≪し…シロン。≫


亡くなったシロンが夢に出てきた。


≪サラ…。何をそんなに迷っているんだい?あの人達なら、サラ、君が幸せになれるんだ。僕が、君を幸せにしたかったんだけど…。もう、それは叶うことはできない。だから、サラ…。僕の代わりにあの人達と共に旅をするんだ。そして、幸せになってほしい…。お願いだ…≫

≪待って!シロン…≫

≪サラ…≫


シロンは、また、濃い霧の中に包まれていった。


 サラは、夢から覚めた。

すると、もう朝になっていた。


「シロン…。あなたがそういうのなら…あたしは、紅葉達と共に旅をするわ。シロンが、昔、言っていた、いつか広く自由な世界を見たい。と…。あの人達となら、夢が叶うかもしれない…。見守っていて、シロン」

(シロンが居なくなったあの時から、心の中がぽっかりと穴が開いたようだったんだ…。でも、あの人たちといるのなら、少しでも穴が埋まるだろうか…)



 サラは、住処を後にし、紅葉達の元へと急いだ。


◇ ◇ ◇


 紅葉達は、身支度をしていた。


「紅葉…。本当にサラは来るのだろうか?」

「絶対に来るわ。サラを信じてるから…」

「お嬢様は、男を見る目はないですが、ああいう人達のことは、ほっとけない人柄をしていますからね」


と、黒瀬はニコリと笑いながら言った。


「ちょっと!黒瀬。一言多いわよ?余計なことを言わなくていいから」


 紅葉は、顔を赤くしながら言った。

宿を出て、町の外へと出た時、サラが待っていた。


「どう?答えは見つかった?」

「ええ、あたしは…。あたしはあなた達と行くわ」


 その言葉に、もの凄く嬉しかったのか、紅葉は喜びを隠せれなかった。


「その言葉を待っていたよ。ありがとう、一緒に来てくれることを選んでくれて」

「あたしは、いつか四天王を倒す!シロンの仇を討ちたい!」

「うん。一緒に頑張りましょ」


 紅葉達は、【ウトエスト】をあとにした。


また少しずつ書いていきます。

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