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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第1章
10/79

10  獣人(ビースト)の少女

 紅葉達は、目撃情報があった【シャイン・ウエスト】へと来ていたが…。


「もうーサラマンダーは出てこないのかー?」

「どこなんだろうか?」

「見当たらないですねー」

「黒瀬!ほんとにここであってるんでしょうねー?」


 紅葉は、若干怒り気味だった。


「こんな、、、岩場がたくさんで、火山があるところに、ほんとに?」

「間違いございません。地図ではそう書いてありますし、こちらに来る前にアナン様に教えていただきましたので」

「だったら、ここらへんであってるのか、、、ん?」


ラーガが、何かの気配に気づいた瞬間。


ーーーーーーーーーーグルルルルル!


「…っ!」

「お嬢様!」


黒瀬は、紅葉を抱き避けた。

他のみんなもそれぞれに散らばった。


「こいつが!?」

「あぁ…。サラマンダーだ」

「お嬢様、お下がりください!」


 紅葉達が、武器を構えたとき、


「お前たちは、何者だ?ここから立ち去れ!」

 

 紅葉達は、声のする方へ向くと、岩場のところに、獣人ビーストの女の子が立っていた。


「あなたは誰?」

「ここに住む者だ。外部の者が、なぜ、ここに入ってきているの?」

「ここらへんで、サラマンダーが目撃をされている。私達は、それの調査に来ているだけなのだ」

「調査など必要ない!いいから、ここから立ち去れ!」

「どうしてそんなに頑なに…?」

「あなたたちには関係ない事よ」

 

 そう言うと、女の子はどこかに姿を消してしまった。

それと同時にサラマンダーもどこかに行ってしまったのか、姿を消していた。


◇ ◇ ◇


 紅葉たちは、ひとまずシャイン・ウエストの近くにある【ウトエスト】という町に来ていた。


「あの子は、どうして一人であの岩場や火山の凄いところに住んでいるのかしら…?」

「お嬢様、これには何か理由があるのもしれません。」

「私もそう思うわ」

「うん。ちょっと調べてみましょう」


 紅葉たちは、あの少女のことを調べるため、聞き込みに町へと出て行った。


◇ ◇ ◇


「あの…すみません。少し話を聞いてもいいですか?」

「うん。なんでしょうか?」

 

 紅葉は、ある花屋の女性に話を聞いていた。


「あぁ、あのシャイン・ウエストに住みついているお嬢ちゃんのことかい?あの子は、やめといた方がいい」

 

 奥から、男の人が出てきた。

どうやら、夫婦で花屋をしているらしい。


「それは、どういうことですか?」

「ん…。」

「…。」


 2人は、顔を合わせ、重たい口を開いた。


「今から3年ほど前のことだ。獣人(ビースト)のあのお嬢ちゃんを連れていた旅人が、ここを訪れていたんだ。ここは、よく魔物に襲われていたからな。それで、ギルドに、申し込みに行っていたものだ。ある日、その旅人が連れていた、お嬢ちゃんの化け物が暴れてしまい、旅人は化け物を止めようとしていた。だが、その化け物の爪が旅人に刺さり、その人は、死んでしまったんだ。町の者は、そのお嬢ちゃんを、責めて町から追放した」

「つ、追放って!町を守るために来ているのにどうして?」

「あんな恐ろしい化け物を召喚して、その化け物のせいでこの町を壊滅にまで追い込んだんだ!」

「そんな…」

 

 紅葉は、心が苦しくなった。


(だから、あの子今でもあそこでずっと1人ぼっちでいるのね)


 花屋を離れ、皆が待っている店へと向かった。






 紅葉が、店に着いた頃セラティナがちょうど来ていた。


「やぁ、紅葉。そっちは、なんか収穫があった?」

「う…うん。」

「ん?どしたの?」


 紅葉は、浮かない顔をしていた。

 店に入ると、


「あっ!来た来た。こっちですよ」


とピーロンが、紅葉とセラティナに、手を振っていた。

もう、皆揃っていた。


「皆、早いね」

「いろいろ話が聞けれましたからね」

「そう…なんだ」

「どうかなさいました?」


 黒瀬は、紅葉の顔を覗き込んだ。


「うん。さっき、聞きに行ったところでね…」

 

 紅葉は、花屋の夫婦が言っていた事を黒瀬たちに話した。


「それは、心が痛みますね…」

「せっかく、この町を救おうとしていたのに…」


と、話しているとロザが言った。


「それも、いろいろ話がこじれて、今となると、魔物扱いにされているらしい…。どこで間違ったんだか…」

「でも、私はあの子を放っておけない!助けなくちゃ!」

「また、紅葉のお助けモードになっちゃったよ」

「わたくしは、お嬢様の仰せのままにするまで。それに、近々、あの子は殺されるでしょう」

「えっ!?」

「黒瀬、それはどういうこと?」

「あらゆるところで、噂が広まり、世界中の最強のギルドたちが、この町に、集結するみたいですよ?」

「あぁ、だから冒険者たちが多い。恐らく、あの者たちも、あの少女を狩りに来ているに違いない。情報がきちんといっている所なら、いろいろ作戦は立ててきているだろう」

「そんな!じゃあ、早くあの子を助けに行かなちゃ!」


 紅葉は、慌てて店を出た。


「ちょっと!紅葉」

「ラーガ様、少しお願いがあるのですが…。ロザ様とこちらに行ってほしいのです」

「これは…」

「お願いいたします。お二人なら余裕でしょう?」

「分かったよ。めんどくさいけど…」

「では、ロザ行こう」


 そう言い、黒瀬からもらったメモを見ながらラーガとロザはそこに向かった。


◇ ◇ ◇


 一方、紅葉たちは、もう1度あの少女に会いに、シャイン・ウエストに来ていた。


「あの子はどこにいるんだろう…」

「皆で手分けして探しましょ?」

「うん、わかったわ。ピーロンとセラティナはこの上を、って…あれ?ラーガとロザがいないけど。黒瀬何か知ってる?」

「あの2人は、ちょっとやぼようがあるみたいであとからわたくしたちと合流するみたいですよ?」

「そうなんだ…。まぁいいや。早く探しましょ!他の冒険者たちがきて、あの子を殺す前に…」


 紅葉たちは、それぞれ探しに行った。


「黒瀬が言っていたやぼようってなんだろう…」

「そうですね…」


とセラティナは、ピーロンに聞いていたが、ピーロンは少しわかっていた。


(多分、あの方は潰しにかかりましたね…。本当に怖いお方だ。あれそこが、腹黒執事といったところか…)


 ピーロンは、黒瀬と聞き込みと同時に買い物をしていた。


「いろんなものがございますから、買い物をし甲斐がありますね」

「そうですね。ここ、ウトエストには海が近い事から、新鮮な魚や果物が豊富ですからね。わざわざ、ここまで買いに来る方々もいらっしゃるとか…」

「そうなのでございますか」


黒瀬は、誰かがこちらの様子を伺っている何かの気配を感じていた。


(んっ?あそこに…。何者かがわたくしたちを見ている。後で話を聞くと致しましょう)

「どうかなさいました?」

「い、いえ、なんでもありませんよ。さぁ、行きましょう」


 黒瀬たちは、次の所へ話を聞きに行った。

黒瀬たちは、ある路地を入っていったところに屋台らしきものがあることに気が付いた。


「ピーロン様、あそこに屋台みたいな、お店がございますよ?」

「そうですね。行ってみましょうか」


 黒瀬とピーロンが、その屋台に近寄っていくと、がたいの大きい男性達が取り囲んだ。


「ひぃ!何ですか!?あなたたちは…」

「俺たちは、冒険者だ。何をコソコソ嗅ぎまわっている。お前たち」 


 その1人が武器を構えながら言った。


「ピーロン様は危ないので、わたくしの後ろに隠れておいてください」

「はい…」

「ちゃんと教えてくれたら、何もケガはさせないさ」

「そんな武器を持たれながら言われても説得力なんて一ミリも感じませんよ?」


 黒瀬は、ニヤリと笑いながらそう言うと、男達はそれに対し怒りを感じた。


「なんだと?」

「早くやっちまおうぜ。あの獣人ビーストの娘をやりに行かねぇと。俺たちの命が危ないんだ」

「それはどういう意味なのでしょう?よかったらわたくしに教えてくださいませんか?」

「誰がお前なんかに…」

「そうですか…。残念です。では、痛い目に合ってくださいね」


 黒瀬はニコッと笑い、男達を瞬殺で倒した。


(あ…。やっぱりやってしまいましたか…。ちょっと聖様も怒っていましたからねー。この男達には、ご愁傷さまです。としか言えません…)


 ピーロンは密かにそう思った。


「く、クソ…。お前、、、何者だ…」

「わたしくは、ただの執事です。それより、先ほどのお話をお聞かせください」

 

 黒瀬は、ナイフを持ち、ニヤリと笑い男達に話を聞いた。


「そういうことでしたか…」

「聖様…。あの獣人ビーストの子は危ないですね。他の冒険者達があの子を狩りに来るのは時間の問題かと…。現に冒険者が多い気がいたします」

「そうですね…。魔王の者たちが、面白半分で間違った情報を冒険者に伝えていたなんて…。」


 黒瀬達が、3年前のことを聞いた話は、旅人が敵の抜け人だった。

それで、獣人ビーストの召喚獣に襲わせ、殺した。


「なぜ、そんなことをわざわざしてたのでしょう」

「おそらく、自分達の手を汚さず、殺すことを狙っていたのでしょう。運良く、その獣人ビーストのあの子が、一緒に旅をしていることを知ったのでしょう」

「それで、あの子を利用した、、という訳ですか…」

「自分のせいで、殺してしまったということを、あの子に植え付けた」

「思惑道理になったという訳ですか!?なんてひどい事を!」

 

 黒瀬は、その男達にアジトの場所を教えてもらった。

その場所をラーガ達に教えていた。


◇ ◇ ◇


 ラーガ達は、黒瀬からもらったメモを手に、男達のアジトに向かっていた。


「まったく!あの腹黒執事、人扱いが荒いものだよ。自分が行けばいいのにさ」

「まぁまぁ、黒瀬にも考えがあるのだろう…」

「いいや。あいつは、ただ単に、紅葉が気になるだけなのさ」

「でも、聞き込みに行くとき、あいつはピーロンと行動してたじゃないか?」

 

 森の中を抜けた矢先に小屋が見えた。

周りには、見張りもいた。


「見張りが、1、2…5人か。。。」

「ロザは、援護を頼む!」

「了解!すぐ、終わりそうだな…」

「行くぞ!」


 2人は、武器を構え、ラーガは飛び出していった。


「なんだ!!お前らは!」


――――パン!パン!


 ロザの銃声が鳴り響く。

その間に、ラーガは男達を切り倒していった。

次々に、倒し最後に小屋を燃やした。


「これで、いっちょ上がりだな」

「ロザ、行くぞ!早く黒瀬達と合流せねばな」


 ラーガとロザは、急いで紅葉達の元へと急いだ。


◇ ◇ ◇


 サラは、1人で住処で昔のことを思い出していた。

サラは、獣人(ビースト)族に住んでいたが、ある日突然密猟者に村を襲われてしまった。

奴隷として、男性、女性、子供も売られてしまった。

サラは、病気になっており、衰弱していた。

 そこに、ある旅人が来ていた。

その男は、【シロン】と言う。

四天王の抜け人だった。四天王が、彼をあちこち探して周っていた。

シロンは、衰弱しているサラを見て、


「君、大丈夫かい?」

「…。」

「僕と一緒に旅をしてくれないだろうか?ちょうど、人恋しいところだったんだ」


と、ニコリと笑った。そのニコリと笑った顔をサラは見て、どこか惹かれたんだろう…。


「…。お兄ちゃんと、一緒に行きたい…。一緒に旅に連れて行って…。いつか、お兄ちゃんにお礼をするから…」

「うん。分かった。すまないが、そこの人。この子をもらうよ」


と、売り子の者に声を掛けた。


「その子は、病気にかかっておりまして、使い道はないかと思いますが…」

「大丈夫です。この子でお願いします」

 

 そして、シロンはサラを買い、人気のないところで、回復呪文もかけ、サラはみるみるうちに回復した。


「ありがとう、お兄ちゃん」

「お兄ちゃんは、やめてくれないか?【シロン】と呼んでほしいかな」


 シロンは、またサラにニコリと笑う。


「うん、わかった。シロン、これからよろしくね」


 2人は、町を出た。いろんなところを旅した。


 そのことをサラは、思い出していた。


「シロン…」

(あたしは、シロンのことを忘れたりしない…。あのことは…絶対。誰かが、はめたに違いない…。絶対に許さない!)


 そう思っていると、精霊がざわついていた。


(どうしたの?)


と問いかけた。

何かがここに来ると訴えていた。


「また、冒険者とかかな?追い払うまでよ。ここが、なくなったら…あたしは、どこに行ったらいいの?」


 住処を後にした。


◇ ◇ ◇


「ここか…。獣人ビーストがいるという山は…」


 ギルドの冒険者たちが、たくさん来ていた。


「どこにいるんだろうなぁ…」

「サラマンダーを扱う獣人ビースト手に入れたい」

「クエスト攻略がしやすいからね…」

 

 山の奥に進んでいく冒険者たちに、サラは岩場に隠れていた。


(いつもより多いなぁ…。でも、今まで1人で乗り越えてきたんだ!頑張らないと…)

「炎の精霊よ!我がもとに現われよ!サラマンダー!!」


 魔法陣が現われ、その下からサラマンダーが現われた。


「行くよ!!」


 サラは、サラマンダーの背に乗り、冒険者のもとへと行った。

久々の投稿です。

頑張って書きます。

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