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うちのドS執事は異世界でも超最強  作者: 真皓 心
第1章
1/79

01 異世界転移、新たなる生活へ!

 朝日が窓に照らし始める頃、戸を叩く音がする。


――――――トントン。


「失礼します。お嬢様、お時間です。

起きていらっしゃいますか?」

と、ドアの向こうで執事が声をかける。

「んん?起きたー。起きたわよー」


その声に、眠たそうに言い返す。


「やっぱり、二度寝をしようとしていましたね。早く起きてください。でないと…」


 執事は、部屋の中にいつの間にか入ってきていた。

 そして、寝ているお嬢様の耳元にささやく。


「襲いますよ?」


――――はっ!

(いけない!?)


 その声に、目が覚めた。


「い、い、い、今…、耳元でなんか言った?襲うって…」

「なわけないでしょ?

お嬢様を襲う気なんて、そうそうないですよ?

何を言っているのですか?

恐れながら、お嬢様…、バカでいらっしゃいますか?」


 執事は、お嬢様に顔を近づけて言う。その顔は紅葉をバカにしているよう。


「このアホ執事!!くーろーせー!!」


執事はいつの間にか部屋から出て行き、朝食の準備をする。

そこに、慌ててお嬢様がやってきた。


あっ(汗)

彼女達の事を先に紹介をしておこう。


先ほどからお嬢様と呼ばれている女性は、

十六夜(いざよい) 紅葉(くれは)

十六夜グループの一人娘。

紅葉という名前は、満月の夜に庭に植えてあった紅葉をみて、紅葉(くれは)と父親がつけた名前だ。

紅葉の父親の会社に勤めている。

今日は、大事な交渉がある。


そして、この男、腹黒執事、通称:ドS執事、

黒瀬(くろせ) (ひじり)

十六夜家の執事。

主に、紅葉のお世話をする執事だ。

いつも、紅葉をいじっている。

だが、何もかも完璧なSランクの執事。


「お嬢様、今日は9時から交渉が入っていますね。お車をまわしておきますので…」

「分かった」


 その間、紅葉は支度をし、黒瀬がまわしてきた車に乗り込む。


(まったく、黒瀬のやつ!また、私をバカにしてー!朝からほんとっムカツク!!)


 紅葉の顔が赤く膨れ上がっているところに、鏡越しに見ていた、黒瀬がすかさず、


「お嬢様、そんな赤鬼みたいな顔されては、取引先の会社に怖がられますよ?」

「うっるさい!誰のせいだと思ってるの?」

「そんなじゃあ、可愛く、美しい顔が台無しですよ? それでは、紅葉ならぬ、枯葉ですよ?」

「むっ!?一言多い!この腹黒執事!!」

「褒め言葉ですね」


 黒瀬は、クスリと笑いながら車を運転し、取引先の会社に到着。

紅葉が車を下りた瞬間、急に足元に陣のようなものが出て、眩しい光を放つ。


「お嬢様!!」

「黒瀬!!」


 2人は謎の光と共に姿を消した。






広い草原の中を2人は倒れていた。


「んんっ?ここは?」

「お嬢様…大丈夫ですか?」

「ええ…。ここはいったい…」


 2人は辺りを見まわしたが、辺りいったい、草原で誰一人としていない。

ただ、道が1本あるのみ。


「ここに道があるぞ!黒瀬。どこかに繋がっているのか?まさか、町とか?」

「分かりませんね…。見たこともないところですね…。危険ですから、お嬢様はわたくしの後ろにいてください。お嬢様はわたくしがお守り致します!」

「でも、誰もいないのはおかしいだろ?前にいなくても大丈夫だよ…。問題ない!行くぞ!黒瀬!」


(その自信は、どこから来てるのですか?お嬢様…。しかし、ここはいったい…。見る限り…、会社とかないところですね…。そして…、あの謎の陣…魔法陣のようなもの…もしかして…)


「黒瀬、どうした?早く来ないとおいて行くぞー」


 紅葉が前を見た瞬間、大きな魔物と遭遇した。


「キャー!!何あれ!?」


 黒瀬は紅葉の前に守るように出る。


「お嬢様はわたくしの後ろに!!」

「黒瀬!?」


 魔物は、熊見たいに大きく今にも襲って来そうな威嚇をしている。


「グルルル…」


 今にも飛びかかってきそうな魔物。

紅葉は、足がすくんで身動きがとれない。


(あ、足が…!?震えて…)


「お嬢様!?」


(お嬢様、ダメか…。足が震えている。お嬢様は…、)


「お嬢様には、指一本触れさせはしない!!お嬢様は、わたくしの全て!お嬢様、失礼します!」


 黒瀬は、足がすくんで動けない紅葉を抱え、安全な所に身を隠し、魔物に立ち向かう。


「無理よ、黒瀬。逃げようよ!あんな大きな魔物無理!!」

「いいえ、大丈夫です!必ず、お嬢様をお守りします!!それが、わたくしの使命ですので!」


 黒瀬は、魔物の攻撃にもヒラリとかわし、ナイフを投げつける。


―――シュッ!


 魔物に命中。

最初は、互角に闘っているようにも見えた。


「あのナイフ、どっから出したの!?しかも、あの魔物相手に互角に…!」


 紅葉が驚いて見ていると、


「はぁー…はぁー……。図体だけ大きく動きは遅いのに、力は強いですね…」


 黒瀬は、俊敏で魔物の攻撃をかわす反面、体力を削られていた。


「いくらあなたが、ドS…んんっ…Sランクの執事でも、それは無理よ!傷ついている黒瀬を見てられないわ!」


 黒瀬はニヤリと笑い、


「お嬢様、、、今、なんと言いましたか?」

「い、今のは…口が滑ったというか…なんというか…。それより、黒瀬ボロボロよ」

「聞こえましたよ?わたくしの事をドSと言いましたね」

「聞こえてるんじゃない…」

「やっぱり言ってたんですね」

「あっ…いやっ…」


 黒瀬はニヤリと笑うと、魔物に最後のとどめをさす。


「グルルル…」


――――ドスン…!


――――バタン!!


 魔物を倒し、それを見て、安心したかのように、黒瀬もその場に倒れた。


「黒瀬!!」


 紅葉は、倒れた黒瀬に駆け寄り、抱き上げ、優しく問いかける。


「大丈夫?黒瀬、私のために…」

「うっ…、くっ…。だ、大丈夫ですよ。そんな悲しい顔しないでください…」


 紅葉は、自分のために闘ってくれた黒瀬に抱きついていると、


「おじょーずー」


 どこからともなく、手をパチパチ叩きながら、ピエロが現れた。


「くっ…。なんだあなたは…。お嬢様に何か…」

「黒瀬、無理しないで!」


 黒瀬は、ひどい傷を負いながらも、紅葉をかばう。

その様子を見てピエロはニッコリと笑い、


「あっ、大丈夫ですよ。何も致しません。ただ、そちらの男の人がひどい傷を負っていたので、この先に町がありますから、まずは傷を癒した方がよろしいかと…」

「…。それより、あなたの名前は?」

「ああ…、申し遅れました。わたくしの名前は、ピエロの案内人、【ピーロン】と申します。以後、お見知りおきを」

「私は、十六夜 紅葉です。よろしくお願いします。紅葉と呼んでください」

「わたくしは、黒瀬 聖です。よろしくお願い致します」

「黒瀬さんは、どう呼びましょうか?」

「黒瀬は、黒瀬でいいわよ。」

「では、聖でお願いします。」

「なんでよ?」

「少しは、別の名前で呼んで頂きたいなぁー、と思いまして」

「黒瀬は、【ドS腹黒執事】でよくってよ」

「では、お嬢様は、枯葉で、良いでございますね」

「だから、その名前はやめて!私が枯れてるみたいじゃないのよ!いい?漢字にすると、【紅葉】と書いて、紅葉(くれは)よ!色をつけて、鮮やかになっている方よ!」


と、紅葉が言っていると、釘を刺すように黒瀬は、


枯葉(かれは)様。そんなに言っていますと、紅葉様ならぬ、本当に枯葉様になってしまいますよ?」

「誰が枯葉じゃい!つか、最初から枯葉と言っているわよ!」

「まぁまぁ、そんなにもめないでくださいまし。では、紅葉さんは紅葉様で、黒瀬さんは、聖さんで、

お名前を呼ばしていただきます」


 ピーロンは、そう言って頭を下げる。


◇◇◇

 

 そのあと、紅葉たちは自己紹介を済ました後、ピーロンが言った町に、一緒に行くことになった。


「そう遠くはありません」

「そうですか。大丈夫?黒瀬…」

「大丈夫です。おそらく、打撲だと思われますが…。一応見てもらった方が良さそうですね…」

「ですが、さっきの魔物を倒すとは、すごいことですよ?しかも、互角で…」

「もちろんよ。私の執事は、Sランクの執事なんですから!自慢の執事よ」


 紅葉は、どや顔をしながら言った。


「お嬢様、鼻の下を伸ばされても…。それくらいはしないと、執事の意味がありませんから!いざとなったら、死ぬ覚悟でお守りするのが執事の役目」

「黒瀬…」

 

 感動的な瞬間の中を、ぶち破るかのように、ピーロンが、


「すみませんが、そのSランクとはなんですか?」

「それはねー、、、なんだっけ?」

「本当にお嬢様は期待を裏切りませんね…。いいでしょう…。わたくしが説明致しましょう。執事の中では、ランク付けをされています。

Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、とあります。

お題が出された後、競い、パーフェクトであれば、Sランクとなります。」

「なるほどー」


 紅葉とピーロンはその話を聞いて納得をした。

紅葉は初めて執事の試験のことを聞いたからである。


「お嬢様は、ちゃんと分かっているのかと思いました。 が、やっぱりお嬢様は、何やら、どこかのネジがおひとつ、いえ、たくさんユルユルなのではございませんか?」

「ネジはちゃんときつく閉まっています!」

「いやー、お勉強になりますねー」

「さぁー、着きましたよ。「アセスサレント」という町ですよ」

「ここが!!」


 そう言ってるうちに町に着いた。

町は栄え、。たくさんのお店が立ち並ぶ。

建物も外国に来たみたいで、綺麗な建物がたくさんある。3人は、さっそく町の人たちに、黒瀬を治してくれる医者を探し始めた。


「すみませんが、この町に医者はいますか?」

「ああ、それなら、そこを曲がったら「ルクミール」という病院がある。そこで、診てもらうといい」

「分かりました。ありがとうございます」


 紅葉達は、お店の男の人にお礼をいい、【ルクミール】という病院に向かう。

 病院に着き、すぐに黒瀬は医者に診てもらった。


「先生、黒瀬は!黒瀬は、どうなんですか?」

「幸い、肋骨の骨にヒビがいってるだけで、あとは打撲だけですんでいます。いったい何が!?」

「それは…、」


 紅葉は、さっきの魔物のことを医者に話した。


「それは、大変でしたね…。おそらくその魔物は、【クマーザン】怪力がすごく強い。よく、このヒビでおさまりましたね…(汗)」

「そうなんですか!?そんなに強い魔物と互角って凄い…」

「そんなことないですよ?いつもお嬢様に支える身として、当然のことをしたまでですよ。お嬢様に何かあったら、お父様に怒られますし、それに…お嬢様をいじるのは楽しいですから」

「まったく、あなたって人は…」

 

 紅葉はクスリと笑う。その笑顔を見て、黒瀬は思うのだった。


(この人は、本当に素敵な人だ…。だから、守りたくなる。お嬢様の笑顔と、命を守るのは、わたくしの役目!お嬢様に会ったあの日から…、そう誓ったのですから!)


 黒瀬は、そう強く思った。

その日は、大事をとり、病院に泊まることになり、今後のことについて話し合いをした。


「ここに、泊まるのはいいけど、お金はどうすれば…。飛ばされたってことは、いつものカードや、お金は使えないってことでしょ?」

「でしょうねー。どういたしましょうか…。すみません…。わたくしがこのような目に合ったせいで…。本当に申し訳ございません…」

「大丈夫よ。私が何とかするから」

「あっ、大丈夫ですよ?この、ピーロンにお任せを」

「どうするの?」

「たくさんお金を持っていますから、とりあえず、このお金で、聖さんを治して行きましょう」

「そしたら、あなたのお金がなくなってしまいますわ。私が何とかしますから。働いてでも…!」

「いえ、お嬢様にそのようなことは!」

「大丈夫よ。働いて、稼いで、黒瀬を治して……。って、そのあとのことを、何も考えていなかったわ!

ど、ど、どうしましょう…」

「まったく、お嬢様は…」

 

 黒瀬が、紅葉に呆れるように言っていると、ピーロンが口を開いた。


「大丈夫ですよ。それは、案内人の、このピーロンにお任せください」

「どうするのよ?」

「冒険者と登録すると、魔物を倒すだけで、お金が手に入りますよ?」

「その手があったか!?」


(お嬢様は、またバカなことを考えているのではあるまいな…)


「では、それに登録しに行きましょう」

「ちょ、お嬢様?危険です!せめて、わたくしが治ってからでも…」

「大丈夫よ。黒瀬、あなたは寝てて!」


(どっからそんな自信が…。あなた分かってますか?天然バカなことを!)


「失礼ながら、お嬢様?あまり、変なことをしてもらっては困りますので、わたくしの傍に居てほしいのですが…」

「えっ?」


(こ、こ、これは、初めて黒瀬が私に頼ってくれている!黒瀬の傍に居てあげようかなー?)


「じゃ、じゃあ、一緒に居てあげてもいいわよ。ありがたく思いなさいよね!」


 紅葉は、照れくさそうに言うのをみて、黒瀬は少し目をそらした。

ツンデレのところが、黒瀬には、可愛く思えて仕方がない。

そういうところを見たくて、紅葉をいじりたくなる。

だから、いつもいじって遊んでいる。


「お嬢様、少し休んでもいいですよ?お疲れでしょう」


 黒瀬が心配する中、紅葉はウトウトしながら、黒瀬の事をみていて、その上、朝、早かったのと、いろいろあったせいか、紅葉は疲れはてていた。


「でも、私を守ったばかりに、こんな怪我をしてしまったのだから、少しは…。頼りないかもしれないけど…、傍に居たいから…。一人だったら、絶対に何もできないから…。黒瀬が居たら、なんでも出来そうな気がするの!」

「分かりましたよ。でも、無理はしないでくださいよ?お体にさわりますから…」

「大丈夫よ。何も気にしないで、黒瀬も早く寝なさい。」

「…分かりました。すみません…、では、お先に休みますね。おやすみなさいませ…。お嬢様…」

「うん。おやすみなさい」


◇◇◇


ーー次の日の朝。


「おはようございますー」


 元気よくピーロンが部屋に入ってきた。

その瞬間、紅葉が飛び起きた。


「はっ!?あっ…、もう朝か…。びっくりした…」

「おはようございます。ピーロン様…。元気がよろしいようで…」

「それはもう。素晴らしい朝ではないですか!それと、嬉しいお知らせです」

「それは?」


  紅葉は、目をキラキラさせながら言った。


「聖さんの怪我がよくなったので、もう退院をしてもいいそうですよ?」

「そうなのですか?よかった!黒瀬!」

「はい、よかったです。ご迷惑をお掛けしました。すみません…」

「でも、怪我が治ってよかったじゃないの」


 2人は喜んでいると、医者が入ってきて、


「具合はどうですか?もう、ほとんど怪我がよくなったのでよかったです。大怪我をおったらまたいつでもいらしてくださいね」

「ありがとうございました」


 2人は、医者にお礼の言葉を言い、病院をあとにした。


◇◇◇


「ここは?」

「ここは、ギルドハウスです。ギルドを作ると、クエストなどを攻略していけば、お金がガッポリ入ってきますから」

「なるほど!」

「ですが、お嬢様に危険なのでは?」

「だいじょーぶ!強い者を選べはいいじゃない!ただ、それだけのこと!さぁ、黒瀬行くわよ?」

「はい、お嬢様。仰せのままに」


 3人は、ギルドハウスに入り、いろんな人たちが、飲んだり、食べたりしている。

カウンターの前に来ると、若い女性が受付をしている。


「こんにちは。お疲れさまですぅー。私の名前は、受付人の【アナン】と申します」

「こんにちは。あのー、職業は何がありますか?」

「初めての方たちですか?では、これをみてください。職業の一覧です。なりたいものになってみてください」


 その職業一覧表には、いろいろと書いてあった。

剣士(ナイト)暗殺者(アサシン)王女(プリンセス)等々、書いてある。


「私は、何にしようかしら…」

「わたくしは、この王女などはいかがかと…。」

「えっ?でも、冒険などするには、それでは、戦えないのでは?強い者じゃないと!」

「では、お嬢様は…」


(メイド?いやっ、うーん…、やはりここは…、)


「白魔導師はどうでしょうか?お嬢様にぴったりかと…?」

「なるほど…。魔法が使えると楽だし、傷を負った黒瀬を、回復できるかもしれないからさ。魔導師にしようかな?」

「お似合いですよ。お嬢様。では、わたくしは、お嬢様を守るために、暗殺者(アサシン)でもなりましょうかね」

暗殺者(アサシン)は、人を殺すのでしょう?黒瀬には…」


(あっ、腹黒ドS執事には、お似合いか…)


「なんでもない…」

「今、よからぬことを、頭に浮かびましたね?もしかして、腹黒ドS執事だと思いましたか?」

「ギクッ(汗)」

「その様子だと図星ですね。分かりやすいお人ですね、お嬢様は…」


(だから、あきないのですよ…)


 黒瀬は、心の中でそう思いながら、クスリと笑う。


 紅葉は、「白魔導師」、黒瀬は、「暗殺者(アサシン)」を選び登録を済ませた。


「ピーロンさんは?」

「私はいいのですよ?案内人という使命がありますから」

「そうなのですか?でも、一緒のギルドに入っていただいてよかったです」

「いえいえ、ありがとうございます。紅葉様

「お嬢様?ギルド名は、何に致しましょうか?」

「そうねー…。うーん…」

 

 悩んでいると、黒瀬が突然、


「では、「モミジ」はどうでしょう?お嬢様の名前を入れるというのは?」

「えー、でも…」

「では、カレハにしましょうか?」

「もー。モミジでいいわよ!!」

「では、モミジでお願い致します」


(チョロイお方だ)


「黒瀬!あんたね、いつもいつも枯葉ばっかり、それ、心にグサッと刺さるんだからね!それで、よく子供の頃、いじめられてたんだからね!」

「フン」

「何、鼻で笑ってんのよ!」


 黒瀬は、紅葉が怒っているのにも関わらず、クエストを探し行き、壁いっぱいに貼られていた。


・ウサーバードを討伐せよ!

・ガマエルを討伐せよ!

・子猫を探してください。

・お店に手が足りていない!誰か手伝ってくださいませんか?


等と、いろんなチラシが貼られている。


「いろんなチラシが貼られているのですね。何に致しましょうか?お嬢様」

「なんで、私を無視するの!?」

「無視などしていませんよ?キーキーと、猿みたいに言われていては、何も聞こえませんから」

「誰が猿じゃい!って、何見てるの?」

「チラシですよ?お嬢様。少しでも、お金を手に入れ

なくてはなりませんからね」

「そーねー。じゃあ、それは?」


と言って、持ってきたのは、、、


◇◇◇


「なんで、この私がカエルに追いかけられなければならないのよー!!コラッ!黒瀬、私を助けなさいよ!暗殺者(アサシン)なんでしょうー!?」

「お嬢様?」

「あの方は、、、何を、、、」

「アホなのでございます…。先程の話を聞いていなかったのか…、すぐ忘れてしまうのでございます…」

「何よー!早く助けなさいよー!!」

「失礼ながらお嬢様!あなたは、アホなのでございますかー?白魔導師という職業を、先ほど習得したのでは?」

「誰が汚せと言ったー!しかも、アホって言ったわね!言ったね!てか、そういえば、魔導師になったんだったわ!それなら、戦える!!」

 

 紅葉は、急にガマエルの方を向いて、


「マグマ・トルネード!」


 赤い巨大な竜巻が起こり、ガマエルたちを渦の中に閉じ込めた。


「さすが、お嬢様です!凄まじい、魔力です!」

「そうでしょう?やっぱり私って凄いわん。」


 ガマエル達は、焼かれて全滅。

それを、町に持ち帰り、200ルーピーもらえた。


「よかったですね。たくさんもらえました」

「やっぱり、私が白魔導師を選んでよかったわ!」

「魔法を持っていたら、回復の魔法を覚えていれば、回復ができますからね。わたくしにしては、助かります。確か、ガマエルたちは、水だったのですが、お嬢様のバカデカイ魔法力で、全滅ができたので、よしと致しましょうか」

「少し、遠回しに私のことを汚してない?」

「紅葉様、おーじょーずー、です!」

「あれ?ピーロンいた?」

「はい、始めからいましたよ?」

「戦いのときに、どこにいた?」

「わたくしの後ろにいましたよ?」

「隠れんな!」

「まぁ、最初はお嬢様に戦いというものを知ってほしかったのです。なので、見ておりました。傷も治ったばっかりなので…」

「なるほど!そういうことだったの?あなたって人は、私が襲われたらどうしてたのよ?」

「それは、溶ける手前で、助けて差し上げようと思っておりました」

「出来れば溶ける前に、助けてほしいところだわ!」

「まぁ、それはそれとして、もっとお金を集めなければ、強い防具や道具などが、買えませんからね」

「そうなの?じゃあ、また見てみましょう」


 3人は、ギルドハウスに戻り、またチラシを見ていた。


「あのー、聖さん、大丈夫なのですか?勝手に、紅葉様に選んで頂いて…」


 黒瀬は腕を組み、クスリと笑い、


「何も期待などしてはないですよ?ただ、お嬢様をお守りするのは、わたくしでございます。次は、わたくしがします。なんでも大丈夫です」


と、余裕ありすぎるほどの顔をしている。

チラシを選びにいっていた紅葉が帰ってきた。


「ねぇねぇ、これはどう?」

「これは、、、」


○ウサーバードを討伐せよ!


「フンッ!」

「やっぱり、黒瀬ね!凄いわー!」


 黒瀬は、華麗にウサーバードの攻撃をかわしている。ナイフを投げつけて、ウサーバードを全部倒した。


「おーじょーずー。さすが、聖さんですね。早かったですねー。チラッ」

「分かってるわよ。倒すのが遅いって言いたいんでしょ?そういうのは、初めてなんだから…」

「失礼ながら、お嬢様。わたくしも始めてでございますよ?」

「じゃあ、なんで、あんなにも機敏に動けるのよ?」

「それは、日頃からよい行いをしているからです。」

「そんな、キラキラに言われても知らないわよ…」

「お嬢様がお仕事でいないときは、きちんと、お屋敷を全部きれいにするということは、わたくし、執事の役目でございますから。お嬢様がいないところで、仕事はしています」

「自分ちゃんとしてますよ!的な感じで言われても…」

「おちょこちょこちょいのお嬢様をお屋敷に一人だと心配になりますよ」

「そう?私のことをそんなに、、、てか、「ちょこ」1つ多くない?」

「散らかしていらっしゃらないか、コケてはいないか、まぁ等々ございますが、続けましょうか?」

「もう、もう!黒瀬のいじわる!コケてなどいないわ!失礼しちゃうわね!さぁ行くわよ!」


 照れながらも紅葉は、前を向いた瞬間に、足が絡まったのか、ドスンとコケた。


「ほら、言ってるそばから、何もないところで、コケてらっしゃいますよ…。」

「う、うう…。痛い……」

「さぁ、お嬢様、町に帰りましょう」


ひょいと、軽々と黒瀬は紅葉を抱っこして、町まで帰った。


◎ウサーバード討伐→完了


「ねぇ、黒瀬、お金は?」

「はい、お嬢様。500ルーピーでございます」

「ウサーバードは、空を飛ぶウサギですから、討伐するのが難しいのでございますが、聖さんの華麗なナイフ裁きであっという間に、討伐ができました。だから、少し多くもらえたのでしょう」


 ピーロンがそう言うと、紅葉は舞い上がり、喜びに満ちている。すかさず、黒瀬が言う。


「失礼ながら、お嬢様。そんなに舞い上がっていると、そのうちコケますよ?」

「うるさいわね。さっきみたいに、コケたりはしないわよ!」


――――ドテッ!!


「あ…あー…」

 

 2人は、無惨にも、派手に、コケた紅葉を呆れてみていた。

2人は、この異世界で生きることとなった。


「あっ、肝心なことを伝え忘れておりました。お2人とも、この異世界で最強になってくださいまし!!」

「えー!?どういうこと?」

「そういうことでしたか…」


 戸惑う紅葉に、冷静にニヤリと、満面の笑みを浮かぶ黒瀬に、ピーロンは、ドキッ!っと思った。


(また、良からぬことを考えている顔ですね…。あれは…。あー、くわばらくわばら…)


 ピーロンは、1人そう思うのだった。

頭に浮かんだままの物語を書いたものです。

感想・誤字、脱字などありましたら、お願いします。

少しずつ書いていこうと思っていますので、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・キャラが立っているし、かなり好感触。 ・黒瀬の活躍に期待が高まる構成 ・ピーロンの謎感も程よい [気になる点] 地の文の表現が散文的すぎるのかもです。 ~~~た。 地の文が「た」で終わ…
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