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新米冒険者の教育係  作者: ユトナミ
第四章
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教育係と聖徒の試験について

大変お待たせいたしました。

投下します。

 教会の外でセリスと別れ、私は聖教会支部へ向かう。集合時間まではまだ少し早いが、特に寄るところも無かったのでゆっくり歩いていくことにした。


「大神官の不穏な動き……なんて言われてもねぇ」


 教会の地下でのことを思い出し思わずため息をつく。いやホントどうしてこうなった。


 饅頭を食べてセリスと仲良くなり街を案内してもらったところまでは良い。旅先でのほほえましい光景そのものだ。そのあとまさか密会に参加して大神官の不正を暴く作戦に組みこまれるだなんて、いったい誰が予想できる!?


 再三いうけど私はランクDの平凡な冒険者だ。戦闘に秀でているわけでもないし、なにか特殊な能力があるわけでもない。そりゃ知り合いにはランクSの剣聖だの、ランクFからBに一日で飛び級した異世界の女の子だのいるけど、私自体は普通の冒険者だ。


 だからこそ少しでも自分の力を向上させるために旅に出たのに、とんでもないクエストを引き当てたもんだよ。旅に出てからまだそんなに経ってないのに……。


「あっ、おーいリタさーん」


 前の方から私を呼ぶ声が聞こえ、見るとレクトが大きく手を振っているのが目に映った。隣にはにこやかな笑顔で佇むイザークさんの姿もある。考え事をしすぎていつの間にか支部の前まで来ていたようだ。


「ごめんね。待たせちゃったかな」


「いえ。我々も今着いたところです」


「リタさんは観光どうだった?」


「うーん、まぁ色々とね」


 二人には話しておこうかと思ったが、レクトやイザークさんに聖教会への不信感を無闇に与えるものではないと考えなおし言葉を濁らせた。


「そうそう。向こうの売店で饅頭って食べ物が売っててね。コシアンとツブアンの二種類があったんだけどどっちもおいしくって」


「えーいいなぁ。僕も食べてみたい」


「ではレクトくん。明日の試験のあとに行きましょうか。ちなみにコシアンがおすすめですよ」


「おっ、イザークさんはコシアン派なんだ」


「ツブアンも依然食べたんですがね。あの粒が合わなくて……。味は変わりませんが、食べやすさでいえば断然コシアンです」


 これはコシアン派は旗色が悪い。確かに食べやすさでいえばコシアンのほうが良いと思う。ツブアンは気になる人は気になっちゃうかもしれない。いつかオリジンに帰ったときみんなにも聞いてみよう。


「じゃあ饅頭は試験後ってことで。でーレクト、明日は大丈夫そう?」


「正直わかんない。でも、やるだけやってみるつもりだよ」


「さすがに今日一日私が見たからといって一発で合格とはいかないでしょう。明日はあくまで試験の感触を掴んでもらうことを目的としています。その後不足部分を補う予定です」


「え? 明日一発勝負じゃないの?」


「ええ。聖職者の試練ならともかく、聖徒になるための試験は毎日行われていますから」


 てっきり一発勝負で決まると思っていたが、イザークさんに言われなるほどと思いなおす。冒険者になるための試験も一発勝負ではないのだ。一回目不合格だったとしても二回目。二回目がダメでも三回目で合格すればその人はその瞬間から冒険者なのである。


 聖徒の試験もそこは変わらないらしい。試験項目も基本的には同じのようで、一回目ダメだったとしても不足していた項目を底上げし基準を満たせば合格できるという。


「じゃあ気負いせずに堂々と試験に臨めるわけだ」


「今の自分がどの程度のレベルなのかを認識できる場でもありますからね。ですが逆に、自分のレベルの低さを目の当たりにして聖徒への夢を断念する人もいます。レクトくん」


 はい、とレクトはイザークさんの呼びかけに反応する。


「明日もし自分が思っていた結果と違う結果が出てしまっても、聖徒になることを諦めないでください。訓練中も話しましたが、明日はあくまで感触を掴むために受けるのだということを忘れずに」


「わかってますよイザークさん。僕も一日教えてもらったくらいで合格すると思うほど自惚れちゃいません。それに僕が聖徒になるのを諦めるわけないじゃないですか。僕は聖女様に恩返しするのが目標なんですから」


 レクトの芯のこもった言葉にイザークさんはうんうんと満足げにうなずいていた。アリスも救った子供にこんなに思われていて幸せだろう。さすがは聖女といったところか。コシアンツブアンで言い争っていた姿は絶対見せられないけど。


「じゃあ今日は宿でゆっくり休んで明日に備えなきゃね」


「リタさんもう宿が取れたんですか?」


「え? いやーあの、これから取ろうかなと……」


「ふふ。では空いている宿を探しに行きましょうか。こっちに色々あったはずです。行きましょう」


 イザークさんが歩き出し、私とレクトもそれに続く。


 それぞれが明日のことを考えながら、私たちは宿が並ぶ場所へと向かって行った。

色々片付けているうちこんなに空いてしまいました。すみません。

まだすべて片付いていませんが更新は続けていきたいです。


誤字脱字、ご感想などあればよろしくお願いします。

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