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新米冒険者の教育係  作者: ユトナミ
第二章
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教育係と一夜明けたあとの話

更新が遅れ大変申し訳ございません。

投下します。

 話し合いの翌日、宿で休んでいた私はセカンドを発つためギルドに訪れていた。


 朝にもかかわらず多くの冒険者が集まっているのには訳がある。


 セカンドのギルドはしばらくの間プレミアが管理することで話がついており、他の冒険者には本日通達されるからだ。ギルドの職員もオリジンのギルドマスターが纏めてくれるならと好意的で問題はなさそう。


「みんな朝早くから集まってくれてありがとう。改めて、オリジン兼セカンドギルドマスターのプレミア・ファストラッドよ。みんなよろしく。そしてワタシのサポートをしてもらう……」


「は、はい。この度サブギルドマスターに就任しましたロール・ケットです。皆さんよろしくお願いしますっ」


 緊張した声でロールさんがそういうと、ギルド内に歓声が沸いた。セカンドの冒険者にとってロールさんは気軽に話せる存在だったようで、そんな気の知れた人がサブギルドマスターとなったとあってはうれしいに決まっている。


 そして兼任ではあるが、ギルドマスターはあのオリジンギルドマスターのプレミアだ。オリジンでのプレミアの仕事っぷりを知っているからこそ、セカンドの冒険者が沸き立つも充分わかる。


「知っての通り、私は今まで衛生員として皆さんと接してきました。当然サブギルドマスターの仕事は初めてです。初めは皆さんに迷惑をかけてしまうかもしれません」


 ロールさんが話し始めると、あれだけガヤガヤとにぎわっていた冒険者たちが静まり返る。一つ一つの言葉を取りこぼさないように、静かに耳を傾けていた。


「ですが、今まで皆さんと多くの言葉を交わしたからこそ皆さんの力になれるはずだと、そう思っています」


 多くの冒険者の手当てをし、時には相談に乗り、時には依頼を頼み。冒険者の一番近くにいたロールさんだからこそ出た言葉だ。


「いたらないところが多いとは思いますが、私と一緒に歩んでいただけますか?」


 少しの沈黙の後小さな拍手が起こり、それを合図に再び歓声が巻き起こった。


「もちろんだロールさん!」


「アンタには何回も治療してもらったからな」


「相談もいっぱい乗ってもらっちゃったし」


「今更水臭いぜ!」


 ギルド内にロールコールが響き渡る。冒険者たちに受け入れられた何よりの証拠だ。


「あっ、リタさん」


 ふと声のした方を向くと、ユキノちゃんとキール君、ゴルドにシルヴィアがそろっていた。


「もう起きて大丈夫なんですか?」


「心配したぜ。なんせ話し合いが終わった直後に寝ちまうんだからよ」


「ごめんリタ。疲れていたのに無理させて。」


 そう。昨日の話し合いが終わったあと、私は気絶したかのように寝てしまったらしい。


 朝ユキノちゃんに説明され、まだ疲れが残っていたので同室の彼女には先に行ってもらっていたのだ。


「心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」


 それに、と私は付け加える。


「ロールさんの晴れ舞台、見ないわけにはいかないでしょ?」


「まったく、お前はそういうやつだよ」


「自分のことを後回しにするところは変わってないわね」


 やれやれとゴルドとシルヴィアはため息をついた。なんかあきれられている? なぜだろう。


「ところで、プレミアとゴルドはどうやってここに来たの?」


 話題を変えるため、私は素朴な疑問を二人にぶつける。オリジンからセカンドまでの道のりは馬車で三日から四日だ。それをこの短時間で移動するとなるといったい何を使ったのだろう。


「あん? ああそれはだな……」


 ゴルドはアイテムなどを入れている収納袋に手を入れる。収納袋から取り出したのは黄色の羽。おそらく使用してしまった後なんだろうが、それでも微弱な魔力を感じ取れる。元の魔力量が大きい証拠だ。


「これって、グリフォンの羽!? あの超高価格アイテムで、なかなか手に入らないあの!?」


「ああそうだ。俺もプレミアから見せられた時は同じ反応しちまった」


 グリフォンの羽はその名の通り、幻獣種グリフォンからしか取れないアイテムでとても希少性の高いものだ。グリフォンの高い魔力の一端を残し、一度行ったことのある場所であれば一度だけ飛ぶことができる。そんなアイテムをわざわざ使ってまで来てくれたのだ。


「リタの危機だってんで、プレミアがギルドの奥から引っ張ってきたんだ。あっ、これ俺が言ったってのは内緒な」


「プレミア……」


 壇上ではカチコチに緊張しているロールさんをプレミアがからかっている。プレミアはグリフォンの羽のことは、たぶん聞いたって言わない。そういう性格だ。


 普段おちゃらけてはいるが、常にギルドのメンバーのことを考えている。今回も間接的に助けられてしまった。


「プレミアも相変わらずね」


「うん。そうだね」


 シルヴィアの言葉にうなずき同意する。


 壇上でのほほえましい光景に顔を緩めた。しばらく眺め、ロールさんへのダルがらみが悪化したのを確認し、私は急いで壇上へ向かった。

誤字脱字、ご感想などがあればよろしくお願いいたします。

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