女神の願いと常識
後もう少しで説明回が終わります。
しかし、もっとましな願いは無かったんだろうか。
[では、三番で宜しいですか?]
「ああ。と言うか選択肢がそれしか無いからな」
むしろ最初の二つを選ぶとでも思っていたのか。
[残念。正解は一番のファン様と子供を作るでした。]
「いや、いつからクイズになったんだよ」
[と言う事で、間違えた罰ゲームとして、全ての願いを叶えなくてはなりません。]
「間違いに対しての代償が凄くないか?」
全然釣り合ってないんだが。罪に対しての罰が大き過ぎるだろ。と言うか結婚が罰ゲーム扱いは酷いだろう。
[仕方ないですね、ええ。間違えてしまったので。]
「何も仕方なく無いだろうが」
[と言う事で、早速ファン様に全ての願いが叶いましたと、連絡させていただきます。]
「いや、待て。どうやって連絡するつもりなんだ?」
こいつもしかしてファンに念話する事が出来るのか?
[………そうでした。連絡手段がありません。私の嫌がらせもここまでの様ですね。]
「今はっきり嫌がらせと断言したな、お前」
[何の事でしょうか?私の記憶にはございません。]
………改造されてから神経が図太くなってるな。しかしこいつ念話は持ってないのか、良かった。持ってたら絶対嫌がらせされるからな。
「もうお前、とりあえずこの指輪に収納されろ」
[その手口で、いままで何人の綺麗な女性をこの指輪に収納したんですか?]
「いや、これ今さっきお前に渡された物だろうが。それに、お前以外を入れるつもりはないし、入れる事も無いだろう」
[新手の告白ですか?]
「そんな訳無いだろうが」
だとしたら物凄く型破りな告白だな。それにこんな事を言われても、キュン!とはならないだろう。
[すいません。生理的に無理です。]
「違うと言ったんだが話を聞いてなかったのか?」
しかも、一番傷つく断り方で断られたんだが。
[いや、こんなに綺麗な女性に告白しないなんて、むしろ男じゃないのでは?]
「自分で自分の事を綺麗と言うなんて、大分やばいぞ」
[いや、実際に綺麗なので何も問題はありません。]
性格は醜悪だがな。
[今何か言いましたか?]
「いや、まあ綺麗ではあるが謙虚さが足りないな」
[料理が一個だけ残った場合、他の人に譲りますよ。]
それは俺の言っている謙虚さではないんだが。
「そう言う事じゃなくて、………ああ、何て説明したら良いのかが分からん」
「………もっと慎みを持てって事っす」
「それだ。………プラム今の話、どこから聞いていた?」
「こんなに綺麗な女性に、の所からっすね。後でこの女の人が誰なのか説明してもらうっすからね」
しまった、話が長過ぎたな。説明が面倒だな。
[………急に会話に入ってきましたけれど、そもそも貴女誰なんですか?]
「………あんたこそ誰っすか?」
なんで二人ともいきなり喧嘩腰なんだ?
[私は剱崎の従順なメイドのクーラです。以後、お見知りおきを。]
最初に聞いた名前と違うぞ、確かバトルドール君みたいな名前だったと記憶していたんだな。後、こんな喧嘩腰な自己紹介初めて聞いたぞ。
「………プラムっす。剱崎の監視役っすね」
[そうですか。ではお呼びでないので帰って貰えますか?]
「………なんであんたに命令されないといけないんすか?」
まず落ち着いて欲しい。と言うかそもそもここ俺の部屋だぞ。
「………大体あんたはなんで剱崎の部屋にいるんすか?」
[メイドが奉仕するために主人の部屋にいるのは当然だと思いますが。]
「………そう言う事じゃなくて、どうやって現れたんすか?召喚された時にはいなかったじゃないっすか」
[それは………。]
これは少し不味いな。
「すまんな。そこら辺は俺が後で説明するから聞かないでくれると助かる」
「………分かったっす」
[そうですね。ついでにそこの窓から飛び降りて下さると私が助かるんですが。]
「………それは私に死ねって意味で言ってるんすか?」
[逆に聞きますが他に何の意味があるんですか?]
だから何でそんなに喧嘩腰なんだ。
「………はあ、もう相手にするのが面倒っすね。一旦外に出ておくっすよ」
「………すまんな」
気を使ってくれたっぽいから、後で謝らないといけないな。
[………申し訳ありません。許されざる失敗をしてしまいました。]
「いや、まあ別に気にしてないぞ。本当に」
まあ、説明は面倒だがそれだけだ。別にどうって事無いな。
[今日の所はこれ位にしておきます。]
「そうか。じゃあ、教えてくれ。この指輪どうやって使うんだ?」
[………収納と口に出すだけで出来ます。]
それじゃあ今日はもう諦めて、また明日聞きたい事を聞こう。
「収納。じゃあな」
[また、明日会いましょう。]
ふう、………一人いなくなっただけでこんなに静かになるんだな。
「………話は終わったみたいっすね」
「ああ。すまんな、気を使って貰って。と言うか良く分かるな」
「………気配察知の技術は必須っすから」
じゃあ、さっさと本題にいくか。
「で、何が聞きたいんだ?」
「………そりゃ全部聞きたいっすね」
「分かった。じゃあ、順を追って説明するから良く聞いとけ」
そして、俺はこれまでの事を説明した。召喚される前から今までの事、全部だ。
「………嘘では無いっすよね?」
「俺にとっても残念ながら真実だ」
「………嘘って言われた方がまだ信憑性があるっすね」
そりゃそうだが、これが事実だからな。しょうがないんだ。
「………成る程、納得したっす。で、これから私をどうするんすか?」
「ん?何の話だ?」
「………あんたにとって、私は知られてはいけない秘密を知られてしまった人っすよ。存在抹消とかしないんすか?」
何処にそんな面倒な事をする必要があるんだよ。
「しないに決まってるだろ」
「………………薄々そう言うと思ってたっすけどね。………でも神様から惚れられてるって事は、波瀾万丈な人生送る事が確定してる様な物じゃないっすか」
実際そうなんだよな。面倒なのは嫌いなんだが。と言うか憐れむ様な目でこっちを見るな。
「まあ、良い。さて、説明はこれで全部終わりだが、何か言いたい事はあるか?」
「………特に無いっすね」
「そうか。じゃあ、俺はこれから外で能力を確認するから」
「………ついていって良いっすか?」
そんなに俺は怪しいか?別にただ能力を確認しに行くだけなんだがな。
「別に構わないが、見ても面白く無いと思うぞ」
「………それでも良いっす」
それじゃあ時間も勿体無いしさっさと行くぞ。
「………ちょっと待ってどこから行くつもりなんすか?」
「見て分かるだろ?窓からだ」
「………廊下から行くと言う方法は思い付かないんすか?」
「思い付いたが時間が勿体無いだろ」
それにこっちから行く方が断然早い。
「何してるんだ。お前も来いよ」
「………いや、落ちたら死んでしまうっすよ」
「じゃあ、勝手に向こうで始めとくぞ」
「………………私も行くっす。でも、どうやって行くんすか?」
それは簡単だ。窓から飛び降りるだけ。
「よっと」
「な?!何してるんすか?!」
「いや、窓から飛び降りただけだろ?何をそんなに焦っているのか俺には全く分からんのだが」
「落ちたら即死っすよ!死んだら一生恨むっすからね!」
死ぬ訳無いだろう。俺の話をちゃんと聞いていたのか?
「よっと」
「?!………それが念力っすか?」
「そうだな」
「………初めて見たっすね」
まあ、目には見えないけどな。
「………と言うかいい加減に降ろして欲しいっすね」
「お姫様抱っこは嫌いか?」
「………そう言う問題じゃないっすよ」
仕方ないな。降ろしてやるか。
「………降ろすのが遅いっすよ」
「すまん。じゃあ、早速だが能力の確認していくか」
「………剣を創る能力っすね」
「ああ、その能力の限界を知るためにやっていく」
まずは創った剣が消せるかどうか確認していく。俺とペアが戦った時に使った剣、まだ片付けられてないな。
「消えろ」
「おお!剣が消えていくっす」
消し方はこれで良いみたいだな。
じゃあ、次はどれだけ大きい剣が創れるかだな。
「ソードクリエイト」
「?!この大きさの剣を創れるんすか!城よりでかいっすよ!」
雲を余裕で突き抜けてるな。まだいけるが、今どの位の大きさなのかが分からんな。それに限界が無いのかも知れんから一旦止めよう。
「こっちに倒れて来てるっすよ!」
「それはやばいな。消えろ」
ふう、危なかった。城を潰してしまう所だった。
次は何本創れるのかだ。
「ソードクリエイト、1億」
「?!こんなに大量の剣が創れるんすか!」
「よっと。ああ、これきついな。消えろ」
剣はまだまだ余裕で創れそうだが、念力がきつい。頭が焼き切れそうだったぞ。
次はどれだけ剣の形を変えていられるかだ。
「ソードクリエイト」
「これ剣じゃなくないっすか?」
「剣だ。消去、まあ槍の形をした剣だよ」
消去でも消えるんだな、今度からこれにしよう。消えろってなんか暴言みたいだからな。
後は固有魔法があるが使い方が分からないから明日にしよう。
「いーや、今のは槍っす。これだけは譲れないっす」
「まあ確かに槍だが、俺が剣だと思ったら剣なんだよ」
「いや、そんな訳無いじゃないっすか」
………もしかしたらソードゴーレムとかも創れるかもな。
最後までご覧になって下さり、ありがとうございます。
早く主人公の固有能力を出したいです。
だが、話がなかなか進まない。