ロボとの戦闘と女神との戦闘
戦闘シーンを描写するのは初めてなので、上手くできたか心配です。
まずは、能力の確認からだな。範囲拡張は常時発動型っぽいから、剣創造から試すか。えーと、剣を創るには、頭の中で剣の形を考えながら、<ソードクリエイト>と唱えなければならない。…そんな厨二くさい事をしなくてはいけないのか、…仕方ないな。
「ソードクリエイト」
次の瞬間、俺の手元には俺が元の世界で愛用していた、一振りの刀が合った。…よし、俺の手にもしっかり馴染む。じゃあ、今度は何本連続で創れるのか、試してみるかって。
「おっと、危ないな」
[余所見は、余裕の表れですか?]
剣と刀が擦れ合って軽く火花が散る。いつの間にか、接近されていたようだ。その剣何処から取り出したんだ。まあ、今のは、なかなか危なかったぞ。これは、そのお返しだ。
「ソードクリエイト、100本」
[?!これは…。]
おお、案外出来るもんだ。今、俺の周囲には100本の剣が浮遊している。適当に創ったから、これぞ剣、みたいな形しか出来なかったが、明らかに剣じゃない形にしても、俺が剣だって言い張ったら創れそうだな。
[それが貴方の能力ですか。面白いですね、戦闘レベルを一段階上げましょう。]
「そーかい、じゃあ行くぜ」
[どうぞ、何処からでもかかってきてきて下さい。]
「それじゃ、お言葉に甘えて」
四方八方から、襲いかかってくる剣。これで倒せるとは思ってないが、少なくとも多少のダメージを与えてくれるはずだ。…多分な。
「さて、どんなもんかな」
[こんなものですよ。]
「?!…まさか無傷で突破するとは思わなかったが」
[まさか、あの程度が本気では無いですよね。だとしたら興醒めなんですが。]
…なんかいちいちムカつくロボだな。よし、じゃあちょっと本気出すか。
「ソードクリエイト」
[それでは、馬鹿の一つ覚えですね。それ以外ないんで?!]
「斬鉄」
流石に超巨大な剣に踏み潰されたら多少は堪えるだろう。後、空中に浮いていても、多少使いづらいが剣技は使えるんだな。
[…一段階上昇]
「縮地、ソードクリエイト、崩脚」
[っ、転移!]
「おお、今のを避けるか。決まったと思ったんだが」
[非常識な人ですね…!というか、もはや剣じゃなくて防具じゃないですか!]
「別に良いだろ、出来るんだから。そんなことより行くぞ。縮地、ソードクリエイト、轟拳」
[くっ!転移!]
「転移してくる時点で、お前もなかなかに非常識だと思うんだがな」
[貴方と一緒にしないで下さい!転移!喰らいなさい、ウィンドカッター!]
「おお!魔法みたいなのも使えるのか。…まあ、俺はそんな厨二みたいな恥ずかしい事をしてまで、つかいたいとは思わないがな」
[自覚しているので、恥ずかしいと言わないでいただけますか!]
…ふむ、なかなか人間味が出てきたな。よし、じゃあ俺も色々試してみるか。
「よっと、ソードクリエイト、50本、縮地」
[っ転移!]
「縮地、崩脚」
[ぐっ、一段階上昇!転移、トルネード!]
「おっと、縮地」
今の攻防の解説をすると、まず念力を使い、土を巻き上げて目隠しをして、剣を50本創造してこいつに全力で飛ばす。そのままだと近くにいる俺も巻き添えを喰らうから、縮地で一旦離れる。予想通り転移して避けたので、縮地で近づき全力で蹴飛ばす。ギリギリで防いだこいつが、魔法を使って<トルネード>を発生させたので縮地を使って避けた、と言う感じだな。
「どうした?割と防戦一方じゃないか」
[…うるさいですね。一段階上昇、転移。]
「危なっ。ソードクリエイト、20本」
[ウィンドカッター×20!]
「縮地、ソードクリエイト、縮地」
[なっ!剣を足場に、]
「何処見てるんだ?連脚」
[ぐっ、て、転移。]
「縮地、終わりだ、轟拳」
[ぐああああ!!]
ふう、…疲れた。こいつ、なかなかに強かったな。こいつでこれ位なら、こいつを創ったファントはどのぐらい強いんだ?…ちょっと楽しみになってきたな。
[やられました。まさか創った剣を踏み台にして、縮地を発動させるとは。ですが、その程度ではファント様には、万が一にもに勝つ事は出来ません。]
「まじか、それはやばいな」
[…そう思っているのなら、なんで貴方は笑っているのですか?]
「笑ってなんかないぞ、何を言ってるんだ?」
[…自覚なしですか、そうですか。]
本当にこいつは何を言ってるんだ?俺がそんな戦闘狂みたいな事をするわけ無いだろう。
「じゃあ、俺は行ってくるよ。ああそうだ、『戦闘止め』」
[了解しました。バトルモードからスリープモードへと移行します。…移行が完了しました。]
「よっと、…なかなかに重いな」
俺は扉を開けて真っ白い部屋へと戻って行った。
「意外と短かったな!もう少し掛かるかと思ったぞ!」
「どうでも良いんだが、こいつは何処に置いておけば良いんだ?」
「それはくれてやろう!」
「は?いや、お前の最高傑作なんじゃ無かったのか?」
「良いのだ、それで」
「…お前がそう言うんなら良いんだけどな。で、ここで戦うのか?」
「いや、もう戦う場所は私が創っておいたぞ!そこの赤い扉を開けてみろ!」
と言われたので、俺が今出てきた扉の隣にある、赤い扉を開けてみる。扉の中は、さっきとは様子が打って変わって、青空に沢山の島が浮かんでいた。…驚きで言葉が出ないって、こういう事なんだな。
「どうだ?!凄いだろう!」
「…ああ、確かにな。じゃあ、早速戦おうか」
「そうだな!じゃあ、中央にある一番大きい島に行こう!」
そう言うや否やファントは目の前から一瞬で消え、その島で俺に向かって手を振っていた。…俺は念力でのんびり行くか。
「遅いぞ!何をもたもたしている?!」
「ごめん、でも俺はお前みたいに転移は使えないからな」
「そうだが!もう少し急いでもよかっただろうが!」
「ごめんって…それに戦うのが目的だろ」
「!それもそうだな!じゃあ行くぞ!」
急に悪寒がしたので念力を全力で使用し、俺を後ろに引っ張る。すると、さっきまで俺のいた島がファントの攻撃で粉々に砕け散った。…こんなの喰らったら一溜まりもないぞ、冗談じゃないな。
「今のを避けるとは、なかなかやるな!じゃあもうちょっと本気で行くぞ!」
「危ないな!よっ、ソードクリエイト200本、縮地!」
あの、ロボにやった奇襲を少し規模を大きくしてやってみたんだが、…やっぱり全く通じてないな。
「ハッハッハ!楽しいなあ、剣崎!」
「何処がだよ!」
厄介なのが、無言で転移してくる所と島を一撃で破壊する馬鹿力だな。対応がしづらいうえに、一撃でも当たったら致命傷だからな。…これは、あのロボの比にならん強さだな。
「まだまだ行くぞ!」
「ソードクリエイト、おらよ!」
「おおおお?!それは、もはや剣では無くないか?!」
「俺が剣だと言ったら剣なんだよ!ソードクリエイト300本、連続射出!」
「甘いな!」
「?!ぐっ、危ないな!」
今の、念力での防御が間に合ってなかったら死んでただろうな。というか、其処らの島並の大きさの鉄の塊を易々破壊するって、どういう力だよ。
「久々だ!こんなに白熱した戦いをするのは!」
「そりゃ、光栄だな!ソードクリエイト500本、射出!」
「ふん!…今度はこっちから行くぞ!」
「ソードクリエイト、縮地!」
…そろそろ準備は終わりにして、全力でやってみるか。
「『起動』しろ!」
[了解しました。スリープモードからバトルモードへと移行します。…移行が完了しました。…ファント様の命により、マスターの権限を、いけ好かない、剣崎に移行します。…完了しました。]
いけ好かないは要らないと思うが、今は訂正している暇がない。
「ファントを十秒間、足止めしてくれ!」
[…了解しました。戦闘を開始します。戦闘力を10段階上昇します。]
そう言ってロボはファントに向かって飛んでいった。
「ハッハッハ!お前に私が止められるかな!」
[魔王様みたいな口調になっていますよ。すみませんが、始めっから全開でいかせてもらいます。ウィンドカッター×600、転移、トルネード。]
「む、私には効かんぞ!」
[承知していますが、時間を稼ぐのが目的なので。ドラゴンブレス、転移、剣射出。]
「こんなもの、鬱陶しいだけだぞ!」
[…相変わらずですね、ファント様。ウィンドカッター×600、ドラゴンブレス]
「邪魔だ!」
[ぐっ、やっと捕まえました。ウィンドカッター×1800。]
二人を中心にして大爆発が起こったのが見えた。…多分、全然ダメージにはなってないと思うが、自滅覚悟で足止めをしてくれたお陰で俺の準備が終わった。…お前の事は忘れないぜ。
「…よくもやってくれたな!さすがの私も怒るぞ!」
「ごめん、でもこれでお前を倒す準備は終わった」
「ほう!良いだろう、かかってこい!」
「言われなくても、ソードクリエイト1500本追跡射出」
「おおおお?!凄い数だ!だが無駄だ!ふん!」
「知ってる、轟拳」
「?!ぐっ、<ソードクリエイト>と唱えなくても、剣を創造出来るようになったか!」
その通り、だがそれだけじゃない。
「よっと」
「おわ?!私が木っ端微塵にした剣を操作するとは!」
「ソードクリエイト10本、潰れろ」
「こんなに大きい剣を10本も創るとはな!面白い物を見させてもらった!これはそのお返しだ!」
そう言ってファントは何もないところから、一つの剣を取り出した。…尋常じゃないオーラを感じるんだが。
「ふん!」
ファントがその剣を振り下ろした瞬間、その剣線上に存在する物が、まるでそれが当たり前の事であるかの様に真っ二つになった。
「これは神剣デュークと言う!この剣は全てを切断する!よし、では続きを始めようか!」
「…俺の負けだな」
「どうしてだ?!未だ戦えるだろう?!」
「勝つ方法がない。このまま続けるていても、俺がお前から逃げ回るだけになってしまうだろう」
「そうか?私はそうでもないと思うが!じゃあ、この勝負は私の勝ちだ!」
「ああ、今回は、俺の負けだ、だが次は勝つ」
「ハッハッハ!良いだろう!いつでも挑みに来い!」
最後までご覧になって下さり、ありがとうございます。
異世界召喚と銘打っておきながら、未だに主人公は召喚されてないという驚愕の事実。
次は必ず召喚されますので、もう少しだけお待ち下さい。