対悪魔戦と共闘
すいません。また期間を開けてしまいました。
ーー剱崎sideーー
さて、どうしようか。これだけの大きさの悪魔となると皮膚も相当硬くなっているはずだから、俺の攻撃が通用するかどうか分からないな。
とりあえず小手調べとして、剣を何本か飛ばすか。最初だから50本位にして。
「ソードクリエイト、50本。これでもくらってろ」
「グガアアァアア!」
やっぱり全く通用しないか。でも、ファンとかクロムほど理不尽な訳じゃないから大丈夫だろ。
「っと危ないな。その図体で動きも速いのか。これは、召喚されて一週間とちょっとの勇者が挑む相手じゃないな」
「ガアアグアグ!」
いきなりボス戦かよ。と言うかこう言う展開多くないか?まあ、いい。
じゃあ、この際だからいくつか試してみるか。
「エンパワー・スペル、魔剣召喚」
魔剣の作成画面が俺の頭の中に出てくる。昇華魔法を使ったから今は六つの付与が出来る様になってるな。
いつもならここで色々な組み合わせ方を試すんだが、今回は戦闘中だから全ての付与を切断強化にする。
「おお、見るからに禍々しい剣だな」
「グアグ…」
この剣に悪魔が怯んだ。と言う事はこの剣はあいつを斬れる可能性が高いな。
それなら魔法にだけ気を付けて、突撃するか。それしかないしな。
「おい、貴様」
…誰だよ。今から突撃しようと思ってたのに。
「ん?俺の事か?」
「貴様以外に人はいないだろうが。目が腐っているのか?」
なんだこいついきなり失礼な奴だな。
「ふん、まあそれはいい。それより貴様、苦戦しているようだな。私が手を貸してやろう」
「何言ってんだ、お前。そもそも戦えるのか?てか誰だ?」
「知らないのか?私はこの国に三人しかいないS級冒険者の一人、氷獄のフェノルだぞ」
知らないし、それが凄いのかも分からん。とりあえず戦力になるならありがたいが。
氷獄と言う二つ名がつく位なんだから多分だが、氷魔法を使うんだろうな。
「じゃあ、フェノル。とりあえず魔法であいつを足止めしてくれないか?」
「ふん、倒してしまってもいいのだろう?」
「お前に出来るならな」
「ほざけ。くらえ悪魔め!我が魔法の威力に文字通り凍りつくがいい!アイスヘル!」
「ガアグガア?!」
フェノルの魔法で辺り一面が凍りついた。おお、悪魔の下半身が凍りつくほどの威力か。
ダメージはそこまで無さそうだが、足と地面がくっついてるから文字通り足止めにはなったな。
「足止めありがとな。じゃあ、後は俺が突っ込むから後ろから援護してくれ」
「待て、私も行かせろ。誰も近接戦が苦手とは言ってないだろうが」
こいつ近接も出来るのか?今度戦ってみたいな。
「じゃあ、行くぞ」
「いや、待て。アイスロード!私についてこい」
おお、氷の道が一瞬で出来た。まあ、別に使わんけどな。
「おう、頑張れよ。縮地、ソードクリエイト、縮地」
「な!ま、待て!私を置いていくな!」
こう言うのは早い者勝ちだろうが。
「連斬鉄!」
「グガアアアアア!」
初めてあいつに傷を負わせる事が出来たな。だけど強い魔物ほど自然回復が早いからどんどん斬っていかないといけないな。
「グガアガアア!」
「うおっと、魔法使ってくるのを忘れてたわ」
「何をしているのだ貴様は、アイスシールド」
氷の盾か。それで魔法を防ぐのか。じゃあ、俺も。
「おらよっと」
「それが貴様の能力か」
「そうだ、剣を召喚する事が出来る」
「いや、今明らかに盾を召喚していただろうが」
俺が剣だと思ったら剣なんだよ。この説明何度目になるか分からんな。
「連斬鉄、瞬斬」
「アイスソード!くらえ悪魔、氷結斬り!」
「ガアガアア!」
「エンパワー・スペル、魔剣召喚、巨大魔剣落とし」
「な!なんだそれは!」
「グアアアガアアア!」
なんだそれはって。名前の通り、ただ巨大な魔剣を落としただけでしかないぞ。
しかし、いくら攻撃しても効いてる様に見えないな。これは必殺技みたいなもので一撃で倒さないと駄目なパターンか。
ん?悪魔の体から黒いもやもやが噴出している様に見えるんだが。
「ガアアアアア!」
「おっと」
「ぐっ、私の氷魔法をこんな短時間で破るとは…!」
気のせいではなかったみたいだ。もしかしてだが、黒いもやを纏うと戦闘力が強化されるとかもあるかもな。
面倒だな仕方ない。
「エンパワー・スペル、魔剣百本召喚」
「な!?貴様、こんなに大量の剣を召喚出来るのか!?」
「誰も出来ないなんていってねーだろ」
「ぐむむむ、アイスシールド!…こいつひょっとしたら私より強いかも知らんな」
「何言ってんだ。ほれ、行くぞ」
この状態は脳への負荷が尋常じゃないからな。さっさと倒さないとじり貧だ。
「魔剣乱舞」
「くっ、私も負けていられるか!アイスヘル、アイスソード×百!」
おお!こいつも百本の剣を操りやがったか。じゃあ、俺もさっき考えた新技を披露しようかな。
「ふう、…無限斬」
連斬と瞬斬が混ざったみたいな技だ。体への負担は物凄いがな。
…しかし、結構なダメージは与えているがこれでも倒せないみたいだな。
「ガアアアアア!」
「ソードクリエイト、巨大剣。…駄目だ、決め手に欠けるな。このままでは力尽きて終わりだ」
「…分かった!私も覚悟を決めよう!」
ん?なんだいきなり。
「私があいつを私の全魔力を使ってでも凍らせるから、その後貴様が止めをさせ」
「了解だ。ちなみにその魔法は準備にどのくらい時間が掛かる?」
「六、…いや五分だ。五分時間を稼いでくれないか」
五分間か。余裕だなむしろ、先に俺があいつを倒してしまいそうだ。
「任せとけ。俺が五分内に仕留めてやるよ。逆にお前の出番は無くなっちまうが良いのか?」
「ふん!ほざけ」
そんじゃあ、足止めなんざは趣味じゃないからな。全力で仕留めに行くぜ。
--ペアside--
さっきプラムに、あの奇術師には気をつけた方が良いっす、と言われたからずっと奇術師の方を見ているんだが。どうしても強そうには見えないんだよな。
「どうしたんですか。さっきから私の事をじっと見つめて。もしかして私に一目惚れしてしまったんですか?」
「そんな訳ないだろう。気持ち悪いぞ」
「わあー、さりげなく侮辱されてしまいました」
「………二人とも黙るっすよ」
む、急になんだプラムの奴。
「何か聞こえないっすか?」
「ふむ、…これは誰かが巨大な魔物と戦っている音ですね」
「………その通りっす」
「何だと!ならばそこに剱崎がいるかもしれん!早速向かうぞ!」
くっ、間に合ってくれ!
最後までご覧になって下さり、ありがとうございます。
とうとう高校生活が始まってしまいました。
ペースは落ちますがこれからも書き続けますのでよろしくお願い致します。