暗殺者と奇術師
今回はいつもよりめちゃめちゃ短いです。
ーー剱崎sideーー
さて、戦闘開始だ。
辺りをパッと見渡しただけで30人以上はいるな。しかも全員が手練れの殺し屋か。良いね、楽しくなってきたな。
「どうした?かかってこないのか?」
「ふっ、先手は貴様にくれてやると言っているんだ」
「じゃあ、最初から遠慮なく行くぞ」
まずは剣を創造し、一番近い奴に斬りかかる。それと同時に足下の土を巻き上げる。
ん?案外弱いなこいつら。まあ、それもそうか。そもそも真正面から戦う事がないからな。
「はい、一人目。おっと」
暗殺者の中に魔法使いが何人かいるっぽいな。面倒だから先に始末するか。
「邪魔だな。よっと」
おお、魔法って念力で掴めるんだな。これは良い事を知ったぞ。
「じゃあ、ずっと持っているのも何だし、返すぜ」
「なっ!魔法反射の能力だと!瀬波、貴様の言っていた事と違うではないか!」
「そ、そんなはずはない!そうだあいつが嘘をついたんだ!」
おっと仲間割れか?今のうちに人数を減らしておくか。
「おい、余所見してんなよ」
「なっ、ぐっあぁぁ」
今ので六人目か。
しかし、全然協力出来てないな。一対一が三十個あるみたいな感じだ。
「くそっ、こうなったら奥の手を使うしかないな」
そんなのがあるんだったら最初から使えよ。
「これを使われた時点で、最早貴様に勝ち目はない!ふん!」
「ん?そんな話は聞いてな、がっ!」
すると急に、瀬波の心臓に貴族が短剣を突き刺しやがった。
「こいつと貴様が殺した暗殺者達の魂を捧げて召喚魔法を発動させるのだ!勇者を贄としたのだから最強の魔物が召喚されるに違いない!」
でも、確か召喚した魔物は別に召喚主に絶対服従する訳じゃなかったはずだが。
「ふははははは!現れろ!我が召喚獣!」
そう言うや否や、瀬波を中心に魔方陣が広がり、瀬波と全ての殺し屋がその魔方陣に吸い込まれていった。まだ生きてる奴も吸い込まれていく。
この規模の召喚はなかなかないぞ。と言う事は相当強い魔物が生まれるな。
「我が最強の召喚獣の力にひれ伏すがいい。ふははは!あ?何をする!やめろ、私を誰だと思っていあぐああぁぁ!」
案の定、貴族は魔方陣から出てきた巨大な魔物の手に握り潰された。
魔方陣から召喚されたのは巨大な悪魔だった。
悪魔とは全身が黒く、角と尻尾が生えた人型の魔物だ。強力な爪や魔法で攻撃し、堅牢な皮膚はどんな攻撃も通さない。それだけではなく、他の魔物とは違い非常に狡猾な魔物である。
悪魔は総じて強力で、身体の大きい物ほど強いと言われている。
「こいつはどれぐらい強いんだろうな」
二階建ての家と大体同じ位の大きさだぞ。これは出し惜しみしてられないな。
「じゃあ、第二ラウンド開始だ」
ーープラムsideーー
本当に剱崎はどこに行ったんすかね。ん、これは。
「………ペア、そこで少し止まるっす」
「ん?どうしたんだ急に?」
「………目の前をよく見るっすよ」
「?………あ!よく見たら細い糸が張り巡らされている!」
「その通り、よく出来ました。パチパチパチパチ」
こいつ、出てくるまで気配を感じなかったっす。
と言うか何なんすか、その格好は。まるで道化師みたいっす。
「貴様は誰だ!答えろ!」
「ああ、私は奇術師ナールムと言います。以後お見知りおきを」
「………私達に何の用っすか?こっちは急いでいるんすけど」
早くしないと剱崎が危険な目に合うかも知れないっすからね。
「あ、そうなんですか。では手短に用件だけお伝えしますね。私は今から剱崎と言う人に会いに行きます。それを邪魔しないでいただきたいのです」
「…何故貴様が剱崎を知っている!」
「やだなぁ、そう怪しまないで下さいよ」
そう言われてもそんな格好をしている時点で、もう怪しさ全開っすからね。何言っても怪しい奴は怪しいっすよ。
「剱崎に会って何をするつもりだ!」
「我が主から手紙を預かっているので、それを渡すんですよ」
「………本当っすか?なんか怪しいっすけど」
「どうすれば安心してもらえますかね?あ、そうだ。ではあなた方もついてきて貰えますか?」
こいつを剱崎と会わせたら何するか分からないっすからね。監視の意味も込めて私達がついていくっすよ。
「分かった!私達がついていこう!」
「これはありがたい。では私についてきて下さい」
最後までご覧になって下さり、ありがとうございます。
更新できなくて本当に申し訳ないです。