日常と異世界召喚
どうも、初めまして零門十洲といいます。
初めて投稿する作品なのでどうか生暖かい目でご覧になって下さい。
いきなりですまないが、自己紹介をさせてもらう。俺の名前は剱崎刃、自他共に認める至って普通の高校生だ。
超能力が使えること以外は。
これはほとんど誰にも言ってない事なんだが俺は超能力が使える。その超能力は俗に念動力って呼ばれているものだ。子供の頃、超能力を使うヒーローに憧れて以来、毎晩念動力の練習をしたらつかえるようになった。まあ日常で使う機会はあまりないけどな。
それに念動力を持っていたとしても、俺という存在は、所詮モブでしかない。
「ちょっと、聞いてるの?」
「ああ、ごめん、考え事してたわ」
「もう……あ、そうだ!。じゃあ今、剱崎君がなに考えてたか当てようか?どうせまた『俺はモブだ、決して特別な存在じゃない』みたいなこと考えてたんでしょ?」
俺が今話しているこいつは天川沙弥。この学校のマドンナ的存在の一人。誰にも明るく接するので、学校中で好かれている。この学校に入学してから、この学校の生徒の(男女含め)半分以上に告白されたらしい。「好きな人がいるから」って言って断るらしいんだが、いったい誰なんだろうな?
「そうだが…よく分かるな」
「もちろん!…いつも剱崎君の事見てるから…」
「ん?最後ら辺何て言った?よく聞こえなかったんだが」
「いやいや何も言ってないよ?!」
「本当に?何か怪しくないか?」
「怪しくなんかないよ?!あ、蘭島君、加那ちゃん、真鍋君おはよう!」
「おはよう天川さん。そしておはよう剱崎君」
「おはよう沙弥ー!!!」
「おう、おはよう天川と剱崎」
「よ、蘭島、間宮、真鍋」
「ああ、剱崎君もいたんだね」
「いや、気づいてなかったのかよ」
途中からやって来たのは蘭島翼と間宮加那と真鍋力、これに天川を加え、俺を除いたこの4人がクラスの主要メンバーだ。
蘭島翼って野郎は、イケメン、高身長、スポーツ万能かつ頭脳明晰で、まさしく物語の主人公だ。正義感が強く悪を許さない性格をしている。色々と腹黒いが外っ面だけは良いので凄くモテる。
間宮加那、こいつは何て言うか不思議な奴だ。蘭島の幼なじみらしい。全体的に小さい。動物で例えるなら猫、自由奔放って言葉がこいつより似合う奴はいないだろう。そしてこの学校のマドンナ的存在の一人でもある。初対面でも関係なく話しかけてくる奴だ。
真鍋力は間宮の逆で、全体的にでかい。柔道部の部長を務めていて、寡黙でいかにも武道家って感じの奴だ。生徒会にも入っているらしい。真面目で努力家、家も確か道場だったはずだ。この中で唯一友達になったのが高校生からではない奴だ。
「てかさ、沙弥は剱崎と何話してたの?」
「いやいや、何でもないよ」
「そんなこと言われると益々気になっちゃうなー」
「僕も気になるな、真鍋も気にならない?」
「いや、俺は別に気にならんが」
「いや、本当になんにもないってば、ね、剱崎?」
「あ?あ、ああ、別に何でもねーよ」
今一瞬天川の目力が物凄い事になってた気がするんだが、気のせいだよな、気のせいという事にしよう、そうしよう。
そんな他愛もない事を話していたら朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴り、
「はい、全員速やかに自分の席に座ってね」
と、今まで聞いたこともない、声が教室の黒板付近から聞こえた。その瞬間まるで魔法にかかったかのように各々の動きを止め、全員一斉に席に着いた。俺もサイコキネシスで抵抗を試みたんだがまったく通じていないようだ。ていうか、どんな原理でこの力働いてんだ?
みんなが席に着いた後、いつの間にかニコニコした男の子か女の子かわからん奴が教壇にたっていた。全く気付けなかった。この不思議な現象のせいでクラス中が騒がしくなった。
「はーい、静かに。…はい、静かになったところで軽く自己紹介をしたいと思います。えー、もうわかってる人もいるんですが、そうですね、私が神です」
だろうな、この状況を見れば一目瞭然だ。こんなことができるのは神か、神じゃないなら俺より強い超能力者位だろうな、そんなのがいるとすればの話だが。というかそんなことはどーでもいいから、何でこんなことをしたのかを知りたいんだが?
「まあまあ、そう急かさないで。ええとね、こんなことをした理由は、俗に言う異世界召喚なんだ」
異世界召喚か。そういうのがあるというのは知っていたがまさか自分のクラスが召喚されるとは。正直面倒くさそうだ。
「まあどういう感じで召喚されるのかっていうと、ざっくり言えば君達はクラスごとに別の国へばらばらに跳ばされて、それぞれの国の勇者として魔王という巨悪の討伐に及びその手下の殲滅において活躍するという感じなんだ」
目的は魔王討伐か、ありがちって言ったらありがちだな。てか、やっぱりこれって面倒なパターンじゃん。
「で、その魔王軍討伐において、最も活躍した者がいるクラスは、それぞれひとつだけ願いを叶えてあげるよ。まあ、余りにも度を越えた願いはダメだけどね」
成る程、地球へ帰りたいって願いがほとんどになるだろうな。いや待て、どうだろう?このクラスは他と比べてオタクが多いから、異世界召喚とかある意味ご褒美みたいなもんなのかもな。
「てことで、一応全部の説明は終わったけど、何か質問はあるかい?質問があるなら手をあげてね」
お、質問タイムか。でも、質問する奴なんて蘭島とか真鍋位だろうな。あ、後俺とかな。
「すいません、質問よろしいですか」
「ええと、君は…蘭島君?でいいかな?…合ってるね、じゃあ蘭島君、質問をどうぞ」
「あの、僕達は何も戦闘手段を持っていません。だから僕達が向こうに行ったとしても、その、魔王?ていうのは倒せないと思うんですけど?」
「あー、その事なら大丈夫。後で説明しようと思ってたんだけど、異世界に行く前に僕から君たちに餞別として、特異技能、ユニークスキルを与えるよ。この能力はその名の通り一人として同じ物はなく、更に言えば一つ一つがとてつもない威力を秘めた能力なんだ。でも、魔王はみんなで協力しなければ倒せないほどに強いから、同士討ちなんて浅はかな真似はやめた方が良いと思うよ」
「すまない、俺からも質問いいか?」
「君は…真鍋君だね?全然構わないよ」
「…何故俺達が召喚されるんだ?戦闘力を求めるならば、武術の達人や軍ごと召喚して能力を与えたらいいんじゃないの か?」
「うん、確かにそうなんだけど…、説明するのが難しいな。…ええとね、君達は魂って知ってるかい?人の元となる物、情報、それが魂なんだけど、その魂を異界から呼び寄せるのが召喚なんだ。しかしどんな魂でもって訳ではなく、支払った対価に見会う魂しか召喚できないんだ。そして今回、支払われた対価では武術の達人や、軍隊は召喚することができない。君達が見合う魂だったから今回、召喚されることとなったのさ。ええとわかったかな?」
「…少しは理解することができた。説明、感謝する」
「今は魂が召喚に関係する位わかってたらいいよ、じゃあ 次」
ふむ、成る程、魂というものは実在したのか。召喚じゃなくて魂について聞きたいんだがな。まあ後は、そうだな…、
「俺からも、質問していいか?」
「もちろん。ええと君は?」
「剱崎だ。俺の質問は二つだ。まず召喚された時俺たちは、どんな扱いを受けるか。そして、異世界に行ってから死んだ時、俺たちはどうなるか、だ」
「んー、召喚する国ごとに違うから一概に言えないんだけど、例えばそうだな……、勇者を信仰している国があるんだけど、そこに召喚されたんなら、みんな厚待遇で受け入れられるだろうね。実力主義の国で召喚されたら、最悪な場合は国外追放とかもあるかも、でも頑張ったら悪いようにはされないと思うよ。あ、後向こうで死んだらそのまま死ぬから、くれぐれも死なないように気を付けて魔王討伐を頑張ってね」
「…成る程、俺の質問に答えてくれてありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。さて、他の質問はあるか な?」
ふう……さて、質問してみたんだが俺たちがどんな待遇なのかは結局わかってないな。ゴミ能力から成り上がりなんて面倒なのは嫌なんだが。
「さてと…、質問が無いみたいだから、早速だけど特異技能を与えてくよ。全員一斉に与えるからね。いくよー、よっこいせっと。…今、みんなに能力を与え終えたからチェックしてみて。あ、チェックのやり方は頭の中で能力確認って唱えるだけでいいからね」
能力与えれた時って、こんなに違和感があるんだな。いやでも、他のみんなはそうでもなさそうだ。ん?ま、いいか。気にしても無駄だ。
よし、じゃあ早速やってみるか。能力確認。
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