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洗礼式を無事?終えた私は、お母様のお手伝いをするようになった。


お肉や野菜の処理や料理、簡単なお裁縫、お掃除にお洗濯

お母様の助けになる事を率先してやるようになった。


弟のジークは、それ程手の掛からない感じの子ではあったが、乳幼児と言うのは居るだけで意識を置かなくてはならないのでそれなりに忙しない毎日だった。


そんな合間を縫うようにお母様は、平民が必要とする知識と少し上等な知識を教えてくれた。


「さぁ、リーゼ。これから幾つかのお勉強、知識を学ぶ事を始めるわよ。」


「お母さんが教えてくれるの?」


「そう。お母さんが先生よ!」


「お母さんが、先生!カテリーナ先生、宜しくお願いします!」


「まぁ、リーゼはとってもお利口さんね!それじゃあ、何を学んでいくのをまずお話するわね。」


「はい!」


「これからリーゼが学ぶのは、大きく分けて3つよ。まず、簡単な算術。これは、計算ができるようになる為よ。これから先、お買い物をお願いするかもしれない。その時にリーゼが困らないように、お金の事と損しない為に学ぶ必要があるわ。簡単な計算なら平民みんなができる、大人になる為の基本の知識よ。大きなお金は使わないから指を数えれば大丈夫。難しくないわ。」


「一人でお買い物に行けるの!?」


「そうよ、もう立派な王国民になったし、お姉ちゃんになったからね。」


「やったー!」


「でも、きちんと覚えないとだめよ?」


「はい!大丈夫!できるよ!!」


「そうね、リーゼなら簡単に覚えちゃうかもね。そうそう、お父さんの仕事も計算をする事なのよ。」


「徴税官って言ってたね。覚えてるよ!」


「そう、お父様はね王宮の敷地内にある建物で、伯爵様の部下として、とーーーーっても大きなお金の計算をしているのよ。」


「伯爵様の部下なの!?」


「そう!伯爵様の部下の子爵様の部下の部下の部下の…部下位かしら?末端も末端だけど、それでもとっても大事なお仕事をしているのよ。」


「お父さん、お仕事頑張ってるんだね。」


「ふふふ。さて、じゃあ次のお話。2つ目は、魔法よ。魔法をどうやって使うのか、そのやり方ね。これも平民みんなが出来る事よ。少しづつ練習して、お花が咲く様に頑張ってね。」


「魔法っ!」


「そして3つ目。文字のお勉強よ。これは、平民は出来ない人の方が多いわ。昔は、お母さんもできなかったのよ。貴族になった時に教えられてね…。これは、役に立つ事だって思ったのよ。だからリーゼにも教える事にしたの。文字が書ける様になれば、手紙の代筆屋や読み上げのお仕事だったり、写本のお仕事も受けられる。どんなお仕事についても作業員より少し上のお仕事ができたり、リーゼの将来の幅が広がる事になるの。文字を覚えて、書ける様になるには少し時間が掛かるけど、この先絶対に役に立つわ。」


「算術、魔法、文字。わかった!私、頑張るよ!」


それから少しづつ、短い時間ではあったが勉強がはじまった。


算術は、本当に簡単な算数だった。掛け算の概念すらないようで、唯只管に足したり引いたりする物だった。ちょっと苦戦したのはお金の方で…円で、100円のパンを2個買い、1000円札で支払いました。おつりはいくらでしょう?と聞かれれば、800円と言えるのだが…銅貨1枚のパンを2個買い、小銀貨1枚で支払いました。おつりはいくらでしょう?と聞かれると、何故か頭の中で円への置き換えをしようとしてしまい素直に答えが出せなかった。最初にレートを考えてしまったのが間違いだったのかもしれない。


文字に関しては、音の総数こそ日本語より多かったが、母音と子音の組み合わせで濁点等にあたる記号もあり、暗記する作業となった。

苦労したのは、書く為の媒体の方で…なんと、板だった…。

書き難いなんてもんじゃなかった、子供の練習用なので木簡なんて上等な物じゃなく、薪の表面にびっしりと書いた。外に出れた日は、人目に付かないところで地面に只管書き続けた。奇麗な文字をスラスラと書ける様になるまで半年も掛かったのは仕方ないと思いたい…。


そして、魔法。


「よし、じゃあ今日から魔法のお勉強をはじめますっ!」


「やったー!!」


「まず、魔法のお話をします。前に、お父さんに教えてもたっら開花のお話は覚えてる?」


「覚えてるよ!火・水・風・土、それと光の5属性があって、蕾の大きさが才能の大きさで、茎が魔力の量!それでー…、器のお話もいる?」


「いいえ、必要ないわ。よく覚えていたわね、偉いわ。じゃあ、そこからもう少し詳しいお話をするわね。蕾の大きさが魔法の才能なんだけどね、蕾の大きさは5段階に分かれているって言われているのよ。初級、中級、上級、特級…最後に、神級。平民の魔法は、だいたいの人が中級なの。お父さんの水と、お母さんの光は上級ね。」


「じゃあ、私は初級なんだね…。」


「ガッカリしないで。リーゼには、全属性と魔力量があるじゃない!リーゼの開花には可能性があるって、お母さん思ってるわ。あのね、日常で必要になる魔法は初級の物ばかりよ?全然気にする必要ないわ。上級だからっていい事ばかりじゃないのよ?魔力量の問題で4回が限界…回復するまで一晩かかるわ。」


「…そう…なの?」


「そうよっ!むしろ、羨ましい位ね!そうね、魔法の種類によって効果時間が違うんだけど、例えば…風の魔法ね。初級の風魔法に微風が吹くのがあるんだけど、その効果時間はそう長くはないわ。お鍋いっぱいのお水がお湯になる位の時間ね。一刻の間使おうと思ったら、7回位必要になるの。初級魔法の魔法量の消費を1だって考えたら、中級は5、上級は10必要になるのわ。さて、算術の問題です!お母さんは上級魔法を1日に4回しか使えません。お母さんは初級魔法を何回連続で使えるでしょうか?」


「えーっとね…難しい。ちょっとまってね…。」


「あらー?簡単な問題よ?リーゼらしくないわね~。」


「お母さん、薪使っていい?計算したい。」


「リーゼ?一体何を考えているの?とっても簡単よ?」


「えっとね。魔力量が回復するのに一晩…八刻位の間が寝る時間だから、一刻あたり5回復するでしょ?お母さんが40回魔法を使うのに5.7…だいたい六刻で、六刻の間に30回復するから、今度は30使う間に四刻掛かって…えっと…」


「ごめんなさい。お母さんが悪かったわ。」


「え?」


「回復量まで考えるなんて思っていなかったわ。お母さん、失敗しちゃったみたい。」


「あの…えっと、それじゃあ…40回。」


「ありがとう、リーゼ。正解よ。話を戻しましょうか。その、回復量を含めてもお母さんが初級魔法を連続で使い続けたら…えっと、まぁそのうち終わりが来るでしょ?でも、リーゼなら?ほら、凄いでしょ?」


「そう…かも?魔法は、同時に使えないの?」


「同時に?詠唱をしなければならないから全く同時には使えないわ。」


「そうなんだ。」


「じゃあ、詠唱を教える前にまず魔力を感じてみましょう。魔力は、体の中に廻っている魔法の力よ。その源は、おへその下にあるとも頭にあるとも言われているけど、実際どこにあるのかは解っていないわ。でも、どこかには蓄積しているの。その力を消費して魔法を使うのよ。目を閉じて、自分自身に集中してね。開花の石が芽吹いた時を思い出して。自分の中の魔力が動いたはずよ?」


目を閉じて自分に集中する。


「どう?これはあっさり出来る人と数か月かかる人と様々よ。焦らないで。」


あの時、吸われた物を思い出しながら自分に集中するが…血液の脈動みたいな物は感じるが、それ以外は良く解らなかった。


「お母さん、良く解らないみたい…。血がドクドク流れているのは解るんだけど…それ以外は全然感じないの…。」


「大丈夫よ。すぐにできない人もいるって言ったじゃない。あ、でも待って!リーゼの魔法量はとっても多いから、それで合っているのかも?ちょっと詠唱をしてみましょう。そうねぇ、光の魔法にしましょう。初級魔法にライトと言う光るだけの魔法があるわ。詠唱は、段階があがれば上がる程長くなるの。対応する精霊に呼びかけをして、どういう風にしたいのかを伝えて、魔法名を唱えるの。「輝きに仕えし精霊よ」これが呼びかけね。確か、火なら「炎に」、水なら「泉に」、風は「大気に」、土は「大地に」になるのよ。それからどうしたいかを伝えるの。例えば「我が指先に光を与え賜え」ね。それから魔法名の「ライト」よ。やってみて?」


私は指を1本立てて詠唱した。


「輝きに仕えし聖霊よ─我が指先に光を与え賜え─ライト」


すると、指先が微かに光って消えた。


「消えちゃった…。」


「やっぱりリーゼは感じる事ができていたのね。凄いわ!」


「でも、すぐ消えちゃったよ?」


「いいのよ。これからいっぱい練習していけばちゃんと出来る様になるわ。お花が綺麗に咲いたらそれが完成の合図よ。頑張ってね。」


「はい!」


それから暇さえあれば魔法の練習をしたのはしょうがないと思うの…。きっと誰でもそうだったと思う、いや絶対そう!だって、魔法だもの!

誤字脱字、矛盾や感想等 是非宜しくお願い致します。

作者は恋愛物のつもりで書いてます!

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