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第十一話

「『大気よ 我が目となり耳となれ――天球圏(スフィア・サーチ)』」


 この『天球圏(スフィア・サーチ)』は、風属性の偵察魔法の一つ。

 大気がある場所限定だが、魔法士の実力に応じて探索エリアが広がる魔法だ。ちなみに俺だと、一キロ程度の範囲を探れる。

 お、いるいる。

 レルシェ村の入り口が見える位置に、山賊らしき人影が三人。そこからもう少し離れた所に二人。 

 入り口近くにいる三人が村の見張り役で、離れた所にいる二人はその三人が何か起きた時に本隊へ知らせる連絡役って所かな。


「なかなかしっかりとした監視体制じゃないか……」

「山賊ぅ?」

「そう、山賊。ケイン、悪いけどこっちの方角へ行きたい。見張りに見つからずに村を出て、こっちに行く道はあるか?」

「あ、あるけど。本当に俺たちだけで山賊の所に行くのか? 領主様」


 見張り役の見張り役らしい二人組みの方へ案内してくれと言う俺に、ケインが戸惑ったような表情を見せた。


『領主が戻ってきたら、黙って差し出せ』


 村人たちから山賊たちがそう指示したと聞かされた俺は、怯える彼らをなだめていつもどおりの仕事をするように指示をだした。それからまず『天球圏(スフィア・サーチ)』の魔法を使ってあることを確認。そして確証を得るとケインとミーシャに道案内役を頼んで山の中へ入ったのである。

 さすがに二人は猟師の子。足場の悪い灌木の中をスイスイと移動して行く。


「ま、待ってぇ~」


 ……ったく。 

 双子が先行しその後からついて道を歩いていたのだが、アリスが少し遅れていた。


「軍で山中踏破訓練もやっただろ?」

「……はあ、はあ、してないですよぉ~」


 あれ?

 俺なんて入隊した直後くらいに、ナイフと非常食を持たされて数日放り込まれたんだけど……。配属された部隊で訓練内容が違うのか?


「ケイン、ミーシャ。少し待ってくれ」


 見張り役に見つからないようわざわざ大きく迂回して近づいているのだが、村を離れてそれほど時間は経っていない。せいぜいが三十分といったところ。

 それでも俺は先行する二人にそう言うと適当な岩場に腰掛けて、それからベルトに付けた小さな鞄からおにぎりを取り出して食べることにした。

 このおにぎりという食べ物はいいな。片手で食べやすく持ち運びも便利だ。パンよりも腹持ちがいいし、魔法士の携帯食料としてかなり優秀かも。


「まだそんなにも歩いていないのに、何でもうおにぎり食べてるの?」

「魔法を使うと腹が減るんだよ」


 おにぎりにがっつく俺を呆れたように見るミーシャへそう言うと、俺は水で口を潤す。


「魔法は体内のエネルギーを消耗するからな。魔法士が魔法を使う時はこまめに食事を取って、エネルギーの補給をする必要があるんだ」

「燃費悪いんだね」

「必要な対価だよ。便利な力に対価無しなんて事、あるわけないだろ?」


 おにぎりを食べ終えた俺は、再び『天球圏(スフィア・サーチ)』を発動。村の入り口を見張っている三人と、その見張り役である二人に動きがないかをもう一度確認。見張り役の二人にはもう随分と近い距離に迫っていた。


「隊長ぉ、山賊いますかぁ?」


 うん、いるね。それもたくさん。


「見張り役の三人と二人には動きが無いな。俺たちには気づいて無さそうだ。それと、更に離れた場所にいっぱいいる。多分、これが本隊だろうな」

「いっぱいいるって……どのくらいいるの?」

「う~ん……ちょっと多すぎて数え切れないな」

「数え切れないって……」


 尋ねてきたミーシャが絶句する。


「今からでも戻って、町に応援を頼んだほうがいいんじゃ?」


 ケインの提案に俺は首を横に振った。


「もう村へ領主が帰ったことはあいつらも知っているはずだ。領主を差し出すか、襲撃する時に見て見ぬふりをしろと言われたんだろ? だったらあいつらはもういつ行動に出るかわからない。今から援軍を呼びに行くよりも、こちらから先に奇襲を掛けたほうがいい」

「じゃあ、せめて村の皆で武器を持って戦うとか……」

「前代官のフィリップが率いる山賊たちは、農民崩れの山賊なんかじゃない。軍人崩れや傭兵崩れの集まりだ。戦いを生業としている連中なんだ。村の自警団程度でどうこうできる相手でも規模でもないよ」

「じゃあ、どうすれば? 俺とミーシャはこれが初めての戦いだし……アリスさんの小銃と領主様の魔法があったって、そんなので山賊に勝てるのかよ?」

「心配するな。戦うのは俺一人だよ。アリスは道案内してくれたお前たち二人の護衛だな」

「え? 私は戦わなくていいんですかぁ?」


 双子の護衛と言われて、アリスがキョトンとした顔をする。


「本隊を奇襲する時は、多少戦ってもらうかもしれないけどな。見張り役は俺一人でやる。銃だと銃声で異変を察知されるからな」

「そっかぁ、了解しましたぁ」

「あたしたちは、戦わなくていいのか……」


 俺の言葉を聞いて、ミーシャが少し気の抜けたような顔をして背中に背負った弓を触る。

 自分が山賊を射つのだと、気負っていたのかな? 

 でも俺だって、戦闘訓練を受けていない人間に人を殺せなんて事は言う気は無い。というか、いざその段になった時には人を射つ事を躊躇ってしまうものだ。


「まあ、ひとまず山賊との戦闘は俺に任せてくれていい。ミーシャに燃費が悪いと言われた軍の魔法士がどういったものなのか、お前たちに見せてやるよ」



 ◇◆◇◆◇



「さてと、あれが見張り役か」


 休憩を終えてすぐ歩き出したところで、山賊二人を発見した。

 男が二人。十メートル程離れた場所の茂みに隠れて観察する。手に持っている武器は帝国軍制式採用小銃だ。やはり、グラナダ会戦の敗残兵崩れが山賊をやっているようだ。

 案外、非正規戦闘を仕掛けるために山賊に身をやつしてこの地に留まっているのかもしれない。

 それにしては元自国民である村を焼き尽くしたりと、やりたい放題やってくれているようだが。

 退屈を持て余しているのか男二人は木にもたれかかり、欠伸を噛み殺しては一言二言会話を交わしているようだ。 


「こっからなら私の小銃でも、当てられるかもぉ?」

「銃声がするからダメだって言っただろ? まあ、見てろって」


 小銃を構えて狙いをつけるアリスを押さえると、俺はしゃがみ込んだままの体勢で呪文を唱える。


「『風よ 我が行く手を阻むものを 貫け――風裂矢!(エアロ・シュート)』」


 風の刃で斬り裂く『風裂斬(エア・スラッシャー)』よりも、威力を錐の如く鋭く引き絞る『風裂矢(エアロ・シュート)』のほうが射程距離が長い。風の鋭い矢は、山賊二人の側頭部と後頭部を貫通する。

 攻撃を受けたことも気づけず悲鳴すらも上げられないまま、山賊二人は頭から血と脳漿を飛び散らしてその場に倒れ伏した。


「うっ……」


 その光景を目の当たりにして、アリスと双子が口元を押さえて目を逸らす。というか、アリス。お前、前の戦場での撤退戦でヘッドショットをパンパン決めてなかったか? 今さら目をそらす必要もないだろうに……。

 俺は腰を屈めた状態で素早く山賊二人の死体傍まで移動。

 そして村の入り口を見張っている山賊三人の姿を視界に捉えた。

 こちらから三人の山賊が見えるということは、向こうもこっちの様子が見えるのである。

 二人の山賊が頭を撃ち抜かれて死ぬのを見られていないか、少し心配だったのだが気づいている様子はない。

 俺は茂みや木立に身を隠しつつ、三人へと近づいていく。

 直線距離なら三十メートルもない距離だ。

 近づくと山賊三人はサイコロ賭博のようなゲームをして遊んでいた。

 おかげで山賊二人を仕留めたことに気づかれずにすんだのだが、死んだ二人といい、こいつらといい油断しすぎだろう。

 村の方を見てすらいない。

 『風裂矢(エアロ・シュート)』の魔法を連続詠唱して頭を撃ち抜くことにする。

 サイコロ賭博で遊んでいた三人の内一人がまず真っ先に俺の魔法で撃ち抜かれて、パシャッと鮮血と脳漿が残る二人の男に飛び散った。


「あ、お、え……?」


 突然仲間の頭が弾け生暖かい鮮血を浴びた事態に頭が追いつかないのか、賭博に興じる格好そのままで固まった残る二人の男たちにも次々と『風裂矢(エアロ・シュート)』を撃ち込む。


「終わりっと……」


 俺はパンパンッと手を叩くとその場に立ち上がった。

 もう見張り役はいないので隠れる必要はない。


「おーい、とりあえずこの辺りは安全だぞ」


 アリスと双子の隠れている辺りの茂みに声を掛けると、俺は村の入り口を見張っていた三人の山賊の遺体が転がる場所へと向かう。

 三人の内、一人だけが小銃を持っていた。

 その小銃を拾い、それから弾薬盒だけを回収して戻ってみると三人が恐る恐るといった態度で近づいてきた。

 ケインとミーシャの二人は俺を見て、明らかに腰が引けている感じである。


「ち、近づいても大丈夫なのか?」

「もう……終わったの?」

「本隊がまだだけどな。村を見張っていた連中ならこれで全部始末したかな」


 震え声で尋ねてくるケインとミーシャにそう答えると、俺は三人の横を素通りして今度は二人の山賊の遺体へと歩いていく。そして同じように小銃二つと弾薬盒を回収した。


「領主様って、本当に強いんだな……」

「領主様というより魔法士が、かも……」

「だから俺に任せとけって言っただろ? アリス、これ持っておけ」

「ええ、私が持つんですかぁ?」


 べっとりと血糊の付いた小銃三丁を見て、アリスが顔をしかめた。

 小銃と弾薬は貴重だからな。ちょろまかしておこうと思ったのだ。


「これぇ、重いんですけどぉ……自分の銃も含めて四丁も持たされると重いんですけどぉ?」

「アリスさん、俺も持つよ」

「あ、あたしも持つ」

「ほんとに? ありがとぉ!」


 ケインとミーシャが一丁ずつ小銃を手に取った。

 家に父親の使う猟銃が一丁あると言っていたが、銃を手に持つのは初めてなのか、二人とも小銃の重さや感触をしげしげと確かめているようだ。

 血糊べったりついてるんだけど……平気なのか?



 ◇◆◇◆◇ 



「おお、いるいる。いっぱいいるなぁ」


 山賊たちの本隊は、見張りたちのいた場所から更に山奥へと入った所にいた。

 壁一面に蔦がびっしりと這うように茂った長屋。それが五棟。そしてその奥にぽっかりと大きく開いた洞窟――いや、柱で補強がされているから元は坑道だったのかも。

 そういえばこの辺りは鉱山が多いんだった。この長屋は元は鉱山労働者が寝泊まりしていた場所なのかもしれない。

 それにしても普通鉱山のある土地では労働者たちの町が出来上がるはずなんだが、この辺りには村しか無い。最もここから近い町はローリンゲンで、鉱山からは随分と離れている。ここの鉱山はどういったものなんだ?

 不思議に思ったが、今はそのことは放って置こう。

 今の問題は、ここを根城にしている山賊たちをどう退治するかだ。

 現在、俺は山賊たちがアジトにしている長屋らしき小屋がある広場を見下ろせる崖の上にいた。

 アジトの周辺には見張りらしき者たちがいたが、全員を天球圏スフィア・サーチで探し出し、一人残らず始末している。なので、堂々とアジトにまで近づくことができたのである。

 ちなみに崖の上までは俺一人で来ていて、アリスと双子にはもう少し離れた場所で待ってもらっている。

 それにしても山賊ども、油断しきってやがるな。

 まだ日の高いうちから酒を飲んでいる者、酔いつぶれてその場で横になっている者、カードやサイコロで賭博に興じる者。


「しかし参ったなぁ……あの娘たちはどう見ても山賊じゃ無さそうだよな」


 そしてそんな山賊たちの中で、あられもない格好をしたまだ若い娘たちが山賊たちに酌や腕の中に抱かれているのが見えた。

 村や町、そして商隊などを襲って拐かした娘たちだろう。

 崖の上の離れた場所から巨大な竜巻か、強力な下降気流(ダウンバースト)を起こして一網打尽にしてやるつもりだったのだが、それだと彼女たちまで巻き込んでしまうのでその方法は取れなくなってしまった。手っ取り早くて楽だったんだけどなぁ。

 なので正面から堂々と行くことにした。


「おい、何だてめえ?」

「何だてめえって、俺を呼んだのはお前らじゃなかったか?」


 崖の上からではなく真正面から近づけば、いくら緩んだ山賊たちといえど俺の事に気づく。すぐに俺は見咎められた。

 それにしても俺の推測が正しければ、こいつらも元は正規軍だったんだろ? それにしては風貌が凶悪そうな顔立ち。町を歩けば誰もが避けて通りそうな、危ない職業に就いているおっさんにしか見えない。いや、実際に今のこいつらは危ない職業に就いているんだけどさ。

 やはり悪事を働くと人相も悪くなるという話は本当なんだろうかね。


「俺はレルシェ村の領主、ウィンズベル騎士爵だ。お前たちの頭目とやらがうちの村人たちに俺を差し出せと言ったんじゃないのか?」

「何だ、あの村の奴ら、本当に領主を差し出しやがったか」


 口元を歪ませた男が一人、男たちの中から出てきた。

 両脇には見目の良い女の子を二人、抱えるようにして侍らせている。女の子二人の表情には、どこか諦観めいた色が浮かんで見える。

 こいつがレルシェ村の前代官フィリップとかいう奴か。


「ふん……ちっこい奴だな。まるで子どものようだ。リムディアでは子どもに領主をさせるのか?」


 ムカッ。

  

「差し出したわけじゃない。俺から来てやったんだよ。あんた、代官だった時代からかなりろくでもない事してたらしいな。国に納める以上の税を搾り取り、納められなかった家からは息子や娘を売り飛ばす。そして今はその頃に培った経験を生かして山賊行為か?」


 リムディア王国宮廷魔法士長マイセン様にお願いしていた、レルシェ村の税収報告書などがつい先日届き、俺はこのフィリップという男がいかにクソな代官だったか知ることになった。

 まあ本当に出てくるわ出てくるわ。

 このフィリップという男が働いていた悪事の数々。先程言ったような税の不正搾取に贈収賄、そして果ては山賊や町のチンピラたちの後ろ盾となって恐喝なども働いていたという。


「まあ、今のお前が山賊なら、本来お似合いな仕事をやっていると言うべきかな。代官なんてお前みたいな下衆野郎には不釣り合いな職業だ」

「黙って聞いていれば、ほざいてくれる! てめえら、下がってろ! こいつは俺が殺す!」


 狙い通りいきり立ったフィリップが、腰の剣を抜いて斬りかかってきた。

 俺が見た目、銃もナイフすら持っていないように見えたからだろう。

 怒りで目がくらんだフィリップは力任せな攻撃を加えようと、無警戒に俺へと近づいてくる。俺は素早く呪文の詠唱を開始。


「『折れぬ牙 凶刃なる刃 大気よ 見えざる顎となって 柔き肉を食い千切れ――鮫咬牙!(シャークバイト)』」

 

 大振りの攻撃を身を屈めて躱し素早くその懐に潜り込む。そして俺はフィリップの腹部へと、無造作に突き出した右手に『鮫咬牙(シャークバイト)』の魔法が発動。


「……ゴボッ」


 バシャバシャという液体が地面へと飛び散る音。それと同時に、さっきまでフィリップの攻撃に威勢のよい歓声を上げていた、山賊たちが一斉に黙り込んだ。

 一拍置いて。

 大柄なフィリップの身体が、一歩二歩と力なく歩くとそのままその場に崩折れた。


「きゃああああああああああああああああああ!!!!」


 先程までフィリップが抱きかかえていた女の子二人の悲鳴が静寂を突き破る。

 俺は鮮血で顔を真っ赤に染めたままで、腹部の大部分と内臓を抉り取られて事切れたフィリップの身体を見下ろした。

 いやあ、しかし……我ながらエグい魔法だ。

 海の獰猛な生物、鮫の牙の名が付けられたこの風属性の魔法。その名が示す通り右手に纏った風の牙で、対象の肉をえぐり取ってしまう殺傷能力がとてつもなく高い魔法。

 俺の接近戦での切り札の一つ。ただ、俺自身も返り血を浴びてしまうため、あまり使いたい魔法ではないのだが、あえてここではこの魔法を使った。


「て、てめえ……魔法士だったのか」

「何だ、そんな事も調べてなかったのか?」


 俺はわざと嘲笑う。

 自分たちの頭のあまりにも惨たらしい死体を見て、山賊たちは完全に腰が引けていた。


「く、くそぉ! 相手は一人だ。囲い込んで殺っちまえ!」


 口々に喚き、ナイフや剣、斧といった武器を掴んで俺に殺到してくるが、攻撃のための踏み込みに思い切りが足りていない。


「『舞い踊れ風の乙女 疾風となれ 百万の剣 刃となって 我が敵を等しく切り裂け――戦乙女の剣舞!(ダンシング・エッジ)』」

「ぐああっ!」

「ぎゃああ!」


 俺を中心に生み出された幾つもの見えざる風の刃が、近づいて来た山賊どもを無差別に切り刻む。


「ち、畜生! てめえ、近づくな! 近づいたらこの女、ころ――」


 ターンッ! という銃声が響き、女の子を人質にしようとした山賊の眉間に風穴が空く。

 アリスか!

 崖の上から狙撃したらしい。

 あいつは女の子に当たるかもしれないとか、考えなかったのか!?

 まあ、結果は最上のものだったので良しとしよう。

 その後も断続的に銃声が響く。見るとアリスは銃を手にした山賊を次々と狙撃しているようだ。

 というか、あいつは本当に銃の腕前だけは凄いのな……。


「『風裂斬!(エア・スラッシャー)』」

「『風裂矢!(エアロ・シュート)』」

「『烈風砲弾!エアリアル・スマッシュ』」


 頭目を失い、真っ先に斬りかかった仲間たちは無残に切り刻まれ、どこからか狙撃もされて、すっかり恐慌状態となって逃げ惑う山賊どもを追い回す。


「もう……どっちが悪者なんだかわっかんねぇな……」

「うん」


 そんな俺を見てアリスと一緒に崖の上へと来ていたケインとミーシャが、若干引いていたことを俺はまだ知らない。 

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