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企画「ひだまり童話館」参加作品

作者: 奈月ねこ

企画「ひだまり童話館」のお題「とろとろな話」です。

「こんな感じかな」


 俺はスプーンでそれをすくった。

 とろとろ~


 さぁ、これを飲ませなければ!

 俺は弟の部屋の扉を開いた。


しげる、具合はどうだ?」

「……ああ、兄貴、ゴホッゴホッ」

「風邪がひどくなってるな。薬を作ったから、これを飲め」

「な、なんだよ、それ!黒いってありえねえ!」

「薬を混ぜてたら、この色になったんだよ。絶対効果あるぞ」

「そんなもん、誰が飲むか!ゴホッゴホッ」

「このとろみがきっと喉にいいぞ」


 さあ、弟は熱で動けない。今だ!

 

 ガシッ


 俺は弟を抑えつけると口を開けさせ、液体を流し込む。


「ぐえっ」

「吐くな!」




 翌日、弟は部屋から出てきてダイニングに降りてきた。


「お、滋。具合は良くなったようだな」

「……兄貴のおかげでね……だけど俺で実験するのはやめてくれよ!研究室でやってろよ!」

「実際に効果があるかは人で試さないとな」

「人体実験、反対!」




 家で作るのも楽しかったな。ただ、あのとろとろした感じはどうやったら出来たのかわからん。それに喉に効いた理由もわからん。また実験だな。弟で。


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― 新着の感想 ―
[一言] 黒兄貴! 面白かった。私は好みの作品です。 これ、ちょっとコメディー色強くして、長編とかシリーズにしても面白そう。兄貴と弟のキャラがいいですね。
[良い点] うわっ、これはホラー童話なのでしょうか。もしくはミステリ童話? その黒い薬、かなり怪しい…… 人体実験的な弟君の身が案じられます……
[一言] 拝読させて頂きました。兄弟のやりとりが面白かったです。 『とろとろしたら』のとろとろ、イライラが彼らだったら……などと想像してしまいました。その後、かき氷のシロップにさりげなく一服盛る兄とか…
2016/08/23 06:51 退会済み
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