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夜明けのソラの契承者 悠久漂流帝国  作者: やたか なつき
一章「来訪者」
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 地球に降下してから三日。

クノスは、情報収集に明け暮れた。

情報収集とは言っても、降下地点である太平洋上の無人島から移動してはいない。

 展開した無人中継機を介して、ネットワークに侵入し、地球上に現存する文明文化に関する情報を収集する。

つまりは、ネットサーフィンである。

支援AIが半ば自動的に選別収集していく膨大な量の有象無象の情報。

その中から、有用なもの、或いは、興味を引くものを取捨選択し、クノスは確認していく。

地道な作業ではあるが、退屈ではなかった。

異なる文明の異なる文化に触れるという体験は刺激的なものだった。

特に、音楽、映画、芸術は、クノスの心を大きく揺さぶった。

 その一方で、政治体制、経済体制、科学技術に関しては、

概ね、既に得られていた情報以上のものはなく、それはクノスを落胆させた。

「未だに惑星全体を管理する統治機構さえないなんて、未開の惑星そのものね」

 クノスは、領土を巡る紛争を特集する報道番組を観ながら、呆れ顔でつぶやいた。

「少なくとも、独力で星間航行技術を得られるとは思えない。その前に文明が滅びているもの」

《それ故に、危険度は高いと判断します》

「全くその通りよ。次のシークエンスに移行します」

 急ぐ必要はなかったが、一方で、この無人の島にいても、得られるものはないと判断した。

 クノスは、策定してあった行動計画の中から一つを選択し、HUDに表示させる。

「夜明け前に出れば、太陽が出る時間には向こうで行動を始められるわね」

 クノスは、現在の位置から北に伸びていく移動ルートを目で追っていく。

太平洋上の日本近海に浮かぶ群島、その中で存在を誇示するようにしてある大きな四辺形の島。

「大鳥島」

 クノスは地図に示された島の名をそっと読み上げる。

そこには地球人類の評価を実行するための場所として選定された都市があった。

リムスベルト帝国特別審判官クノスが来臨する場所であり、同時に招致された場所であった。

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