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連絡艇が、その母艦を目視できる程の距離に到達するのに、多くの時間はかからなかった。
会談の場となる帝国艦の姿は、荘厳で壮大であり、ソウマを大いに感心させた。
連絡艇は、通常の格納庫ではなく、艦体上部に特設された専用の発着場へと降り立った。
ソウマは、女官に促され連絡艇を降り、艇外と艦内とを繋ぐ連絡通路を抜け、やがて、帝国艦の内部と至った。
「なるほど、そのための艦というわけですか」
ソウマの認識は正しい。
帝国艦は、会見や会談、催事や儀式のために、最適化された構造となっていた。
招いた者に余計な区画を経由せず、会場へと直接誘導することができる。
警備の上でも、歓待の上でも、効率的なつくりである。
「それに帝国の権威を示す狙いもありそうですね」
ソウマの眼前には、高く広い回廊が続いていた。
白い柱が連なる広大な空間は、艦の中にいることを疑わせる奇妙な光景であった。
神殿の如き様相に来訪者は少なからず圧倒されるだろう。
回廊を抜け、幾つかの扉を経由すると、赤い絨毯が敷かれた古い洋館が如き雰囲気の廊下が現れる。
さらに赤い廊下を歩いていくと、ひときわ壮麗な白い扉が現れた。
先導する三人の女官は、おもむろに立ち止まり、二人は扉の左右に控えた。
ソウマは、ここが会談の場であることを察し、静かに気を引き締める。
女官が扉を押し開くと、視界が開けた。
ソウマは、懐かしさを感じさせる、その構造と光景に、ため息をつくしかなかった。
そこには、広大な宇宙を仰ぐ庭園が存在していた。




