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face to face  作者: 仁和川良純
3/3

振り向けば

今日の夜勤はいつになく気だるい

五連勤のせいなのか、ベットから落ちて起きたせいなのか

今朝の出来事をひきずっているのか・・



何度も言うが話したこともないし可愛い娘とすれ違ってラッキー的な感じでみてただけ、ただそれだけだがちょっぴり寂しい。



『暗いところで不幸面すんなよな、俺に不幸が移る』


控え室から懐中電灯で俺の顔を照らすこの男は同僚かつ親友の徹、この仕事で知り合ったのだがなかなかウマの合うイイヤツだ


『移るってなんだよ面構えだけでそんなに不幸じゃねーよ』

『まぁ怒んなよ』


そうやってニコニコ笑いながら巡回に出ていった。


夜勤があけると、2連休で内心テンションが上がっていた。

1日目はテツと遊び倒す。買い物したあと晩飯を食ってそのまま飲んでといった実に休日らしい休日だ


本当は2日目もその流れでわいわいやろうとしたが、テツに断られた。

このテツという男常に5人くらい女を侍らすアバズレ男なのである


男の俺が言うのもなんだが爽やかでニコニコしててなんかひとの間に入るのがうまい典型的なモテ男なので非の打ち所がない。



基本的に俺との約束は、女との約束より遥かに下に見られているので久しぶりに遊んでもらえる感じだ。


なんか3、4番目の彼女みたいな扱いで癪だが休日を満喫できることに心を弾ませながら仮眠した。



引き継ぎを済ませ仕事場から出る、今日は久しぶりに徹と帰るが誰かと一緒でも仕事上がりのアイスは外せない


店に入ると一目散に徹がアイスのコーナーに行く。実は上がりのアイスも共通点のひとつだ。


テツはパピコが好きだ そして必ず分けてくる。

俯瞰で見ればおホモ達にしか見えないので俺は必死に抵抗する

しばらく揉めているとクスクス笑う声が聴こえた



振り向き様に睨むとあの娘が袖で口元を覆って笑っていた。

雑誌を置いて笑っていた。



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