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世界は新たな異変を入れ、天は虎の目と対する

北郷たちが黄巾軍を降伏させた後、陳留城に入城してからは戦後処理に2日を費やすことになった。


北郷と一緒に来た春蘭は華琳への報告のためにすぐに陳留を発ち、心音は劉辟、龔都とともに黄巾軍の収拾、再編を行い、冬蘭は場外の黄巾党拠点の接収を行っていた。


そして北郷は目の前にいる、三人の女性と面談していた。


「君たちが義勇軍を指揮していた人たちだね」


「お初にお目にかかります。豫州潁川郡長社県の徐庶と申します」と白のフードから現れたのは、燃えるような赤い髪を持つ少女だった。


「僕は許褚、よろしくね兄ちゃん」


「私は魏延だ・・・一つ聞きたいことがある」


「なんでしょうか?」


「お前は本郷一刀か?・・・それともお館か?」と真剣なまなざしを送る魏延に


「焔耶なのか?・・・(やっぱりこの世界はどこかおかしい)」と冷や汗を流した。


「やっぱりお館だったか!いったいどうなっているんだお館?ここじゃあ、桔梗様はまだ劉焉の所にいるし、しかも黄巾の乱が終わってないなんておかしいだろう?」と困惑する焔耶だったが、本郷は首を振りながら


「それについては俺はわからない。・・・桃香にはあったのか?」と投げかけた。


「桃香様にはお会いした。だがあの桃香様は、何か別人のような気がした。うまくは説明できないんだが、何かこう刺々しいというか・・・だから力を貸してくれと言われたんだが、天の御使いのうわさも聞いていたからな、そっちを確認するまでは出来ないと伝えておいた」


「そうか」と考え込む北郷だったが


「話の途中悪いんだけどさ、ボクお腹すいちゃったんだよね」と許褚がお腹をさすった。


「そうだな、戦の功労者に何もないのは失礼だろう。食堂に行って食事をしてくるといい」


「わーい!じゃあちょっと行ってくるね!」と駆け足で許褚はその場から去って行った。


「とりあえずは焔耶、君の知っている世界ではないということだけは確かだ。それに君が今まで出会ってきた人物には君の記憶がないものだと思った方がいい」


「あぁ、桔梗様で実感済みだからそこのところはわかっている」


「では、今度は私がお尋ねしてもよろしいですか?」と徐庶が尋ねた


「なにかな?」


「北郷殿は、いったいなぜここにおられるのですか?」


「曹孟徳の所にということかな?」


「はい、あなたの器であれば一国一城の主となることぐらいたやすいのでは?」


「悪いけれど目先の利益には興味がなくてね。それに、ここも悪いものではないよ。雛鳥の気分でいれば、いろいろと見えてくるものもあるさ」とにやりと笑った


「なるほど、雛鳥ですか・・・してその先にあるのは?」


「太平の世といったところかな」


「あははは、太平の世といいきりますか。漢という大木があるにもかかわらず、自ら太平をもたらすと?」


「羊質虎皮の漢とでもいえばいいのかな?」


その瞬間、一瞬にして赤い髪が宙を舞い、本郷めがけて突撃した。


「言い切ったな!逆賊として手打ちにしてくれる!」と刀を取り出した徐庶だったが、焔耶が止めに入った。


「やめろ、焔耶。徐庶に俺を斬るつもりはないよ」と言い放つと、渋々下がった。


「ばれていましたか。では、どういった状況でそれを成すつもりですか?」


「この乱が終われば漢は終焉に向かうといえばわかるだろう?」


「---まだ危ない部分はいくつかありますがある程度のことはわかりました。最後にあなたは、国は何でできていると思いますか?」


「人だ」


その即座に言い放った言葉に徐庶は一瞬たじろいだ。


普通の人間であるならば、間違いなく考える時間が必要であるというのに、目の前の男は何も迷いもなく言い放ったのだ。


「すでに覇王としての素質を持っていたというわけですか・・・その覇道が吉と出るか凶と出るか興味深い。しばらく客将としてあなたの傍にいてもよろしいでしょうか?」


「もちろん歓迎するよ徐庶」と本郷は手を差し伸べると徐庶はその手を握り返した。


「焔耶はどうする?」


「私は、お館を守る。今の桃香様を救えるのはお館だけだ」


「確かに、あの桃香は少々危険すぎる。だからこそ、二人で救おう」


「もちろんだ!」と魏延はこぶしを握った。




小沛陥落。


この報告が来たのは北郷が陳留城へ入城してから2日ほどのことであった。


「さすがは孫堅殿といったところかな?」


「いやー参ったね、わざわざ伝令に行った意味がねぇーんだから」と夏蘭は笑っていたが、隣の戯志才は


「何を言っておる、我々の役目は孫堅軍に小沛を落としてもらうだけでは無いわ」と夏蘭の頭をひっぱたいた。


「あの、そろそろよろしいでしょうか?」とその隣に立つ長い黒髪の女性は呆れながら北郷を見た。


「あぁ、すまないね周瑜殿」


にやりと笑った北郷は、その鋭い眼光で周瑜を見た。


「よく私が周瑜と分かったな、北郷殿?」


「そりゃお互いさまってところでしょう。あなたと腹の探り合いはしたくないんで、単刀直入に言いましょう。この後、広宗に張角率いる賊が集結します。おそらくそこがこの乱の最後の決戦になります。そこで貴女たちと手を組みたい」


「ほう?それは天の御使いの知識か何かか?」


「いいえ、そんなものなくてもわかりますよ。南から北進してきた孫堅軍、西の馬一族に董卓軍、北の公孫賛、劉焉。これにより賊に逃げ場は完全になくなってきている。ならば相手ももう最終決戦に臨むしか道はないでしょう。そこで一番いい場所が広宗、ここは袁紹軍が軍事拠点として使っていた場所ですからね、今の賊が所有する拠点で一番物資が多く今最も賊の数が多い場所だ。張角とて決戦を挑むのであればそこでするでしょう」


「さすがは曹操軍、よく調べてあるということか・・・だが、我々だけではどうにもならんぞ?」


「そこはすでに朝廷に上奏文を送りつけていますよ、曹孟徳がね」


それを聞いた周瑜がふふふと笑った


「いいだろう。こちらとしても、曹操軍と連携できるのには多くの利点がある。その申し出受けるとしよう。では北郷殿、広宗にてお会いしよう」と周瑜は嬉しそうに去って行った。


そして、曹操の上奏文により英雄たちは広宗に集結する。

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