前へ目次 次へ 23/35 ・ あたたかい紅茶の入ったカップを両手で包む。手のひらに移ったわずかな体温以上のぬくもりに、あの人がこじらせた風邪を思い出す。 汗の浮いた額、重くかすれた息づかい… この世の終わりのような、ふたりっきりの世界のような。 そんな、今は昔のものがたり― .................... .................... .................... .................... ....................