7話
次はお菓子屋さんを目指す。
大通りに戻って、ふらふらと店を覗いていく。
クッキーが売っている店を見つけた。
クッキーなら、多少は日持ちするはず。
移動の時の、非常食にしよう。
「いらっしゃい。おや、可愛いお嬢さんだね。」
あれだ。
店主さんは、ステラおばさんのアレに似ている。
クッキーはどれも美味しそう。
迷うな。
「えーと、日持ちするものと、お勧めはある?」
「日持ちするのは、ナッツを練り込んだのと、何も入ってないのだね。お勧めはベリージャムのとレモンジャムのだね。」
「日持ちする2種類は20枚ずつ。ベリーとレモンのは、5枚ずつちょうだい。」
「あいよ。銅貨6枚ね。」
銅貨は持っていないから、銀貨を1枚渡す。
「お釣りは、小銀貨9枚と銅貨4枚ね。まいど。」
甘いものは疲れを癒す栄養分だ。
良いものが手に入って良かった。
行き以上に上機嫌になりながら、店を後にした。
次は服屋さん。
今までは新品を着ていたけど、古着屋さんにしよう。
服にそれほどこだわりはないから、動きやすければどれでも良い。
お菓子屋さんの斜め向かいの古着屋に入った。
森でも動ける服を上下4着ずつ、フード付きの濃い緑のローブを1着、下着を上下4着ずつ購入した。
古着なので、お金は安くついた。
今日のやることは終わってしまった。
どうしようか?
買い物でお昼を食べ損なったから、適当に屋台のゴンを食べよう。
屋台、貴族だったら絶対許されなかった。
その点、勘当してくれて良かったかも。
貴族は大口開けて、屋台の串焼きとか食べないもんね。
今世の初体験。
楽しみだ。
食べ物の通りは、屋台から漂う匂いが充満していた。
肉、野菜、海鮮の串焼きに、スパイススープ、揚げいも。
キュルキュル
全然お腹が空いてる感覚がなかったのに、匂いを嗅いだ瞬間、お腹が音を奏でた。
やばい。
どうしよう。
食べたい物が多すぎて、選べない。
タレの匂いに惹かれて、ふらふらと店に引き寄せられた。
「おじさん、肉と海鮮の串焼き一本ずつ!」
気がつけば、口から出ていた。
「ほらよ。銅貨2枚だ。」
「ありがと!ん〜美味しい〜。」
ここの店は当たりだ。
自分の胃袋の小ささを、呪ってしまいそうだ。
王都にいる間は、あと何回か通うことを決意した。
魅惑の串焼きを堪能し、他の店を冷やかしながら宿に戻ったのだった。
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現在の所持金 5.147.200G
金貨5枚、小金貨1枚、銀貨4枚、小銀貨7枚、銅貨2枚
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