10話
あれから数回採取依頼を受け、なんと、Dランクになりました!
なぜEランクが飛ばされたかと言うと、東の森での特殊素材の採取が高く評価されたからだ。
東の森の魔物はDランクレベル。
その魔物を避けつつ、かつ非常に見つけにくい特殊素材を完璧に近い保存状態で納品した。
それが高評価とDランク昇格に繋がったのだ。
採取専門だから、出来る芸等である。
Dランクい上がれば、その1個上の依頼まで受けられる。
つまり、とてもお金になると言うことだ。
その分難しく、危険な場所に行かないといけなくなるけど。
所持金が多くなるにつれて、自分で持っているのが怖くなった。
受付の人に相談したら、冒険者ギルドの銀行に預けることを提案された。
銀行に預ければ、どの場所の冒険者ギルドでも、出し入れができるらしい。
前世の銀行と似たシステムだ。
通帳とかキャッシュカードはないけど。
さて、目標も達成したことだし、そろそろ王都を出発する時が来た。
昨日のうちに保存食を買って、冒険者ギルドに愛圧をした。
不足しているものはないのも、昨夜に確認した。
初めて王都を出るのは、少し、いや、だいぶ緊張する。
この世界は、前世みたいに治安がいいわけではない。
女性、しかも子どもが一人旅するのは、きっと危険だろう。
でも私は、これから一人で生きていかないといけない。
頼れる大人なんかいないから。
自分の行動も命も、全部自己責任。
何があっても、自分の選択のせいだ。
私が持っているのは、職業『作家』だけ。
『作家』で、この世界を生きていくんだ。
そしてこれが、最初の第一歩。
よし、それじゃあ、行こう!
私は緊張と不安を吹き飛ばすように、自分の頬を叩いた。
と、気合いを入れたのはいいが、さすがに徒歩で行くのは時間がかかり過ぎるので、昨日のうちに乗り合い馬車を予約しておいた。
なので、王都からラシャ街まで、座り心地の悪い馬車で行くことになった。
ラシャ街で乗り換えて、トット街へ。
トット街からまた乗り換えて、レヴォング王国のジダ街まで直行する計画だ。
王都からラシャ街まで4日、ラシャ街に1泊する。
ラシャ街からトット街まで6日、トット街には2泊する。
トット街じからジダ街まで10日。
つまり、レヴォング王国まで1ヶ月弱で辿り着く計算だ。
朝早くからずっと馬車に揺られている。
一応クッションを買ったけど、道がガタガタ過ぎて、効果があるのかわからない。
これは苦行になりそうだな、と思いながら馬車に揺られるのだった。
評価、ブクマ、ありがとうございます!
おかげで、日間ランキングにランクインしました!




