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9話


私は朝早くから、冒険者ギルドに来ている。

冒険者ギルドに入ってすぐ左、採取用の依頼ボードを確認した。

ざっとボードを確認すると、いくつかの依頼を剥がして、依頼受付に持って行った。


―――

 

シーラ草   10束 東の森

ククルマ草  20束 東の森

ナナシ草   20束 東の森

歯車草    20束 東の森

シャランナ  10輪 東の森  至急

ルビーレイン 10輪 東の森  至急

タタル石   20個 東の洞窟

 

―――


「量が多いですけど、大丈夫ですか?」


「採取は得意なので!」


受付の人にすごく不安そうに見られたけど、全く問題ない。

なんてったって、職業『作家』だからね!

物語は、私が作っていくんだから!

 


ーーーーー


王都から東の森まで、徒歩で1時間30分。

西の森より近いのか、私の足が早くなったのか。


「『私』『王都東の森』!」


ポンッ


『私』で危険がないか確認する。

『王都東の森』で地図を確認する。


危険がない安全な道を通り、時には木の上に避難して、安全第一で森を進む。


シーラ草で必要なのは、葉っぱの部分のみ。

ククルマ草は、根っこを残して茎を切り取る。

歯車草は、クルッと丸まった部分のみを切りとる。

シャランナは低木に咲く小さな赤い花。

花が途中でちぎれないように、優しく摘み取る。

ルビーレインは、宝石のルビーのような花弁が下を向いている花。

観賞用としても人気があるけど、特定の病にも効く貴重な素材だったはず。

至急って書いていたから、誰かが病気なのかもしれない。


シャランナとルビーレインは日光と月光が当たる特定の場所でしか咲かない。

咲く時期も決まっていないので、見つけるのはとてもむずかいしいと本に書いてあった。

 

シャランナもルビーレインも同じ病を癒す治療薬だったような…。

いやいや、考えちゃダメだ。

面倒ごとに巻き込まれるのは嫌だからね。


あとは東の洞窟にあるタタル石。


洞窟はすぐ近くにあったので、地図を見なくてもわかった。

洞窟内に危険がないか確認して、足を踏み入れる。

所々天井に穴が空いており、隙間から日光が降り注いでいるので暗くない。

道も真っ直ぐしかないので、迷いようがない。

最奥まで着くと、岩肌が白や緑や青の色に染まっている部分があった。


より白に近いものが高品質だったはず。


白が濃い場所で、ミニツルハシを振るう。


コツン コツン


20個はさすがに手が痺れた。

でも頑張ったおかげで、今回も依頼を全て達成出来そうだ。

冒険者ギルドで依頼完了するまでが仕事だ。


『私』を読みながら、魔物に一切遭遇することなく、街に帰れた。

案外、魔物は少ないのかもしれない。

 

私は冒険者ギルドに依頼完了報告をした。

なぜか私のランクを見て驚かれた。

 

受付の人に依頼料を支払ってをもらい、私は意気揚々と宿に帰ったのだった。



私は気にしていなかったが、西の森はEランク、東の森にいたってはDランクの能力が必要だ。

東の森の魔物は隠れるのがうまく、初心者では命の危機がある危険な森なのである。

職業『作家』には、全て通じなかったのだが。




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