八話
合宿二日目
食堂にて
猿渡「おい、犬飼、、、」
犬飼「なぁなぁ玲王、早く席座ろうぜ」
鷹宮「えっ?あ、うん?」
広間にて
猿渡「なぁ犬飼、、、」
犬飼「あっそういえば先生に呼ばれてたんだった」
廊下にて
猿渡「なぁ、、犬飼?」
犬飼「玲王どっちが先に部屋戻れるか競争しようぜ。はいっスタート」
鷹宮「えっ、ちょずる」
鷹宮side
僕の部屋に励がいる。嬉しいし、あわよくば、、、なんて思ってしまうけど、流石に落ち込んでるって分かってるし、どうせあのいけ好かない生徒会長のせいだっていうのも目に見えてる。
鷹宮「ねぇそろそろ説明してくんない?まぁ愛しのダーリンが泥棒猫野郎とギスギスしてるのは面白いけどっ」
犬飼「・・・」
ありゃりゃもっと落ち込んじゃった。あんなちんちくりんに振り回されるくらいならホント僕にすればいいのに、、、
鷹宮「ねぇ励、僕が君のこと好きだって知ってるくせに、こういうときはしおらしく縋るなんてひどくない?」
犬飼「ごめん、、、」
もうだめだこの子、、、
鷹宮「ちょっと出かけてくるから大人しくしててよ?ホント、、」
そう言うと励は小さく頷く。
蛇沢side
猿渡(むすぅ、、、)
何このヒト、いきなり部屋来たと思ったらふてくされてんですけどぉ、、、。
蛇沢「あの、若。枕握ってんのはこちらに害がなくてありがたいんすけど、捻り潰さないでくださいね?」
あ、もっと拗ねた。めんどくせぇ。最近昔の幸薄そうな不憫さは消えて、我儘な箱入りになっちまったからなぁ、、、。
蛇沢「もうなんでもいいです、、、本当に何があったんで?」
猿渡「・・・る、、」
蛇沢「なんて?」
猿渡「犬飼が俺のこと避ける」
……なんだと?
蛇沢「そんだけかよ、まぁじふざけんなよ」
猿渡「はぁ”?」
あっやべ。
コンコンコン
よっしゃちょうど良い所に!
蛇沢「はぁい!!今開けまぁす!!!!」
猿渡「チッ」
あっぶねぇ、、、
猿渡side
ガチャ
蛇沢「あれ?鷹宮くんですか、珍しいですね」
鷹宮??あぁあの犬飼のしもべみたいな子か。
鷹宮「あの、蛇、、、なんちゃらさん。今ここにちんちくりん会長いますか?」
蛇沢「蛇沢ね、あと真也居るけどたぶん聞こえてるからちんちくりんは止めようね」
?ちんちくりんってそんなやつ見当たらないが、、、なにか勘違いをしているんだろう。困った奴らだ。
鷹宮「なぁ会長、アンタ励のことどう思ってんの?」
猿渡「どうって、、、別に何も無いが」
そう答えた途端鷹宮は俺の襟元を掴み叫んだ。
鷹宮「じゃあ、きっぱり励のこと振ってくださいよ!アンタのせいで僕は今まで四年間も励に振られ続けてるんだ!
まだアンタが忘れられないって、、、僕に気持ちが傾くことなんて無いって、、、、
なのにアンタはのうのうと笑って、励のこと振り回して、、、いらないなら僕に頂戴よ、、、、、」
猿渡「、、、、すまない。お前にはやれない。」
やっと心が決まった。鷹宮には悪いが譲ってはやれなさそうだ。




