七話
猿渡side
重い、苦しい、、、暑い、、、
そんな憂鬱な気分とともに目を開くと、俺のお腹に犬飼の腕が乗っていた。
猿渡「なっ近いっ!!」
俺は衝動のままに犬飼の腕をぶん投げる。
犬飼「うっ、、、なにするんですかぁ、」
犬飼はこちらに抗議の目を向けてくるが、そもそも悪いのはあいつの方だ。
そう思い、俺は犬飼の痛いですアピールを無視して立ち上がった。
着替えようと、自分の荷物の横にしゃがむとあるものが目に入った。
猿渡「、、、写真?」
しかもなんだこの写真、、、小さい頃の俺とレイちゃんのツーショットじゃないか。
なんでこんなもの犬飼が持ってるんだ?
レイちゃんというのは俺が4歳くらいのときに隣の家に住んでいた初恋の人だ。
犬飼「あ〜あ、見つかっちゃいましたか、、、」
その声に俺が振り向くと、犬飼は困ったような清々しいような顔でこちらを見下ろしていた。
犬飼「本当は自分で気づいてほしかったんですけどね、、レイ、、、犬飼 励。
俺のこと覚えてますか?」
そう聞いた途端俺の頭の中にありえない答えが浮かんだ。
猿渡「お前がレイちゃんなのか、、、?」
犬飼「、、、やっと気づいてくれましたね」
そういって犬飼はやさすく微笑む。
レイちゃんが犬飼で、レイちゃんは初恋の人で、ということは俺は犬飼のことが好き??
そう思うとなんだかいきなり恥ずかしくなってきた、、、
顔が暑いどうしよう、、、
犬飼side
先輩が固まってしまった、、、
先輩は俺のことを女の子だと思っていたみたいだったし、、、幻滅されてしまっただろうか。
犬飼「先輩、俺が男でがっかりしたでしょう、、、騙すようなことをしてごめんなさい。
、、、もうできるだけかかわらないので、最後に一言だけ。出会ったときから真也さんのことが好きでした。、、、、それじゃあ」
だめだ、泣くな。先輩に気を遣わせないように、、、
猿渡side
犬飼「出会ったときから真也さんのことが好きでした。、、、、それじゃあ」
え?俺がやっと言葉の意味を理解して顔を上げた頃には犬飼はもう、部屋を出ていっていた。
アイツ俺のこと好きって言ったよな、、、なんで喜んでるんだ俺、、
アイツは男で、生意気で、あぁ!もうわけがわからない、、、、次あったらただじゃ置かねぇからな、、、、




