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大場の話3

「大場さんはそれほど、おじいさんのやろうする事が判るもんなのですか?」

「それはもう、四十年も先代の送り迎えや雑用をしていれば、手に取るように分かります」

 大場さんは、もうおじいさんと一心同体のように、動いていたとその時に思った。そこで坂部は、いよいよおじいさんでなく、美津枝さんや典子さんとの関係に迫ろうとした。

「おじいさんは、美津枝さんや典子さんとはどうなんですか」

「それはもうかなり気を使っていたようですよ」

 利寛さんが亡くなられて先代が遺訓を重んじて、直系である美津枝さんに、婿養子を取る選択肢を仕切りに考えて実行しょうとしました。でも肝心の本人に再婚の気がなければ、残った典子さんに託すしかない。この辺りで先代の気持ちが微妙に揺れ動いたようです。

 それは美紗和さんからも伺った。あの時期が祖父にとって最も神経を尖らせた時期で、美津枝さんや典子さんを除いた家族みんなに当たり散らしていた。最も気を使ったのは父の利忠だ。越前大野藩土井家は八代藩主利恒で明治維新を迎えたが、名君と讃えられたのは七代藩主の利忠だ。次男は逆から名乗ったとは謂え、オロオロするばかりの父利忠は余りにも荷が重すぎた。

「此の時ほど利忠さんは、伯父の利寛さんの重責が十分に身に染みたようです」

「それを傍で裕介は、どんな気持ちで眺めていたんだろう」

「裕介さんですか、あの人は気が優しいですから、いたたまれなかったようです」

 多分、裕介は高村家の古い仕来りに心を痛めたんだろう。それでも気になりながらも大学に来て、目に留まった坂部を実家に呼んだ目的は何なのだ。


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