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美紗和の話4

「さっき典子さんは不自由だって云ったね」

「違うわよ、自由にならなくなったって言ったのよ」

 意味は同じでも内容は全く違うと美紗和さんは言ってる。それは解るが、身体の機能が病気か事故で麻痺すれば不自由になる。五体満足で自分の意のままに動けないのは不自由ではないだろう。確信を持って言うには、彼女は典子さんの何かを知っているのか。もう一つ気になるのは、美紗和さんも高村も祖父の死の真実は、美津枝さんと典子さんが握っていると思っている。それは確かなのか。

「おじいさんは、此の部屋と書斎を良く利用したけど、此処から一階の廊下を行く典子さんがよく見える。それでおじいさんも奥の離れにも結構顔を出していたんじゃないのかなあ」

「それはさっきの話で、そこへ直結したわけ?」

 そう謂う訳ではないが、あの頃は増築していない。奥の離れは美津枝さんと典子さんしか寄宿していない。となれば家の者が離れに行けばおじいさんは直ぐに判る。

「それで、典子さんは不自由なんでしょう」

「おじいちゃんがここに居ても、典子さんは自由に出入り出来るけれど」

「確かにそうだ。でも典子さんにすれば気になるでしょう」

 それでおじいちゃんはどうするかと、悶々として過ごしていた。ある日、千里さんに巡り会ってから、典子さんが自由恋愛を望むのならそうすれば良いと考えが纏まった。

 千里さんと克之さんの相性は悪くない。上手く行くように慎重に事を進めた。その甲斐あって二人は結婚した。今度は一変して典子さんを他家へ嫁がした。

 問題は千里さんに、女の子が生まれてしまった。此処からおじいちゃんは又々焦りだして、こんな状態になって高村は俺を呼んだ。



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