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祖母の話5

「千里さんの点てたお点前も中々様になってきましたね」

 と飲み干した茶器を戻して祖母は褒めていた。

「今度のお茶会には同席を頼もうかしら」

「おばあちゃんそれはまだダメですよ。それより典子さんはお茶は習わないんですか?」

「あの子はそれどころじゃないのよ。お母さん以上に複雑な立場何ですから」

「どうしてですか、家の事はあたしがやりますから」

「主人は花嫁修業の一環で家事を任せていたんだけれど……」

 主人は千里を嫁に迎えると典子を急に嫁に出すようになり、嫁いでからも向こうの新居に休みごとに顔を出していたそうだ。これには美津枝も新婚だからもっと遠慮すればと気にしていたが、どうもそこらが内の主人との間で曖昧になった。嫁には出したが、主人は嫁ぎ先には相当肩入れして旦那さんから嫌気が差された。向こうも格式の違いから黙認せざるを得なかった。そんな中で利貞ちゃんが生まれて、離婚させたのは主人の意向が強かった。引き取ったと言うより、無理に引き戻したと言うのが実際の話のようである。此の辺りは未だにハッキリしないが、利貞ちゃんの籍は完全に高村家に記入されている。

「どうしておじいさんは、千里さんを迎え入れてから典子さんを遠ざけたんだろう」

「あらそうなの、あたしは家事を任されて典子さんは随分と楽になったと思っていたけれど、直ぐに嫁いだから、今思えばその辺はどうなのかしら」

「どうも美津枝と典子の親子関係は間に主人がかなり関与して、関係が良いのか悪いのかあたしにも解らないのよ」

「じゃあハッキリ知ってるのは誰なんですか」

「美津枝は身内には中々言わないけれどあなたなら口も堅そうだし、新学期が始まればまた向こうへ行かれる貴方なら、少しは実状が聞けるかも知れない、裕介はそれを当て込んであなたを連れて来たんでしょう」

「だから十分今年の夏休みは此処で楽しんだら」

 と千里さんに言われておばあちゃんも「そうしたら」と賛同がされて席を立った。


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