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祖母の話3

 あの頃はまだ若かったが孫の克之が生まれて、とうとう本当のおばあちゃんになってしもた。そんな風にあたしところは何も問題がなかった。それでもお義兄さんところは娘、あたしからだと姪が家出して行方不明になり、義兄の三代目の利寛がえらく気が滅入って、普段から身体が弱かったのに、もうスカッリ気力を無くしてそのまま亡くなった。主人である夫の利恒は、あっちこっち奔走して美津枝さんを探したが見つからない。やっと見付けた時は乳飲み子を抱えて、にっちもさっちも行かなんだ。もう身寄りもなく主人が当家を相続してしまった後やさかい、かなり気兼ねしてそれで姪の美津枝さんを引き取った。

「そこら辺りのおじいちゃんの心境を知りたいそうよ」

「あの時、本当は美津枝に養子を迎えて跡を継がせる約束を死ぬ前にお兄さんの利寛に約束してたんや、それだけに弟のうちの主人が跡を継いでしもて……」

「その死ぬ間際の話は、美津枝さんは知ってたんですか」

「最近まで知らへんかった。それは美津枝さん自身が再婚する気がないさかい中々言い出せなかったんや」

「なんでですか」

 どうも当家のそんな条件を無理に押し付けては、再婚どころか又家出されかれない。それでは逆効果になるし、死んだ兄に申し訳ないと主人の利恒は思った。

「兄の利寛さんと主人の利恒との間で交わした約束を実行するために、再婚を勧めると又家を飛び出しそうで、此の板挟みの中で典子に男の子が出来て、やっと兄との約束が果たせると思った矢先に主人は亡くなってしもた」

「それで典子さんの子供に利貞と名付けたんですか」

「それは主人じゃあない」

「エッ、まさか、誰なの」

「あたしも解らない。典子だけが知ってる」

 が、あの子は何も言わず、我が家では中途半端に浮いている。


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