表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/201

祖父への最初の関門3

あの二人の違いは見たとおり、矢張り細かい所に長短があって、一目見ても決めにくいが祖父は短期間で決めた。こうしてじっくり観察したが、千里さんとは昨日会ったばかりの坂部と、数年前から会っている高村とはイメージに少し違いがある。

 大場さんも佐知をよく知っていた。祖父と一緒に此処へ品定めに引っ張り出された。 

 あの洋服売り場でお客さんに商品を説明している佐知と、その横に立っている千里と比べられた。横に立ってる子でしょうね、と答えるとその訳を聞かれた。

「あの子は横でじっと立ってるだけでも良い雰囲気をしてますよ。あの子ならお客さんは服を見る振りをして寄ってくるでしょうね」

「そんなオーラーがあるか」

 と戦前生まれの先代には似合わない言い方をされましたよ。

何故なぜいいんだ」

「あの子の笑顔は作りもんじゃないですよ」

「もう一人の子もそんな気がするがなあ」

 とカマかけられて、

「いやあー、慣れでしょう、でもこっちの子は自然と身に付いているような気がしますから」

 と云ったら矢っ張りわしもそう思うと云われました。あとはもう独断専行で、回数を重ねて、とうとう食事に誘えるところまでこじつけると、次にはもう克之さんを紹介してましたよ。

 千里さんは一流ホテルのディナーに誘われて、ルンルン気分で会場に入ると、ウェイターから招待された席で、祖父と同席した孫の克之さんと付き合うように紹介されて、ハァ〜となって、最初はびっくりしたそうだ。

 あの時の千里さんは呆気に取られても、直ぐに気を取り直すと、祖父にはちょっとユーモアの効いた小言を浴びせた。回りくどいやり方ね、将を射るのに乗ってる馬が名馬ならどうするんです。これには祖父も参ってしまったようだ。

「佐知さんもけしてあたしは悪くないと思いますが、いや、むしろ真面な佐知さんよりは千里さんが持っている意外性と雰囲気が先代には心に響いた」

 先代が二人を見極めた時に、心に響いたものは何だと思いますか、と最初の関門を逆に投げつけられた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ