何が問題なのか3
「子育ての仕方であって、親の親権問題ならパスするって千里に言われ、慌てておやじがそうじゃないと否定した。このおじいさんの遣り方に対してどう思っているのか意見を聞いたが、もっともらしい答えが出ないから、こうして俺は千里とは仲良くやってる姉に聞いているのだ。坂部にはこれらを全て聞いた上で自分の考えを言ってもらいたい」
「それりゃあ無理だ。だって今まで聴いた処をみるとおじいさんは何者か皆目見当が付かないだろう。第一に一度も会ってないのに朧気すぎて想像すら難しい」
「坂部さんの言うのもごもっともでしょう。二十年以上おじいさんと暮らしてきたあたしでさえ判らないのに、それより良くおじいさんと遊んでもらった裕介の方が詳しいでしょう」
「それもそうだが、肩入れしないで見られる第三者の意見を知りたいんだ」
「その方が的確かも知れないわね。両親だってあたしの倍以上はずっと一緒に居たのに裕介の話だと何も進展なかったそうじゃないの」
「だからこうしておじいさんの過去の断片を拾い集めているのさ」
そう言うなりマスターにおじいさんに関する情報を更に催促した。もうこの世にいない人だから、洗いざらい言ってもらえれば、京都へ帰ったらこの店を宣伝しておくよ。
これに刺激されたわけではないが、祖父と美津枝さんは結構この店に来ていた。こんな田舎町ですから同居する旦那さんの姪御さんの関係に収まる範囲で会っていた。もっとも話は聞こえないが、それほどそう想わせる要素があの席から漂って親しげだったそうだ。
「そんな風に二人っきりで来ていたのですか」
「それは大場さんも知ってるはずですよ」
「大場さんが」
「そうですよ。うちの店へ来て事情聴取するより遥かに価値ある人だと分かると思いますがねえ」
ウッ、と姉弟は灯台もと暗しかと顔を見合わせた。




