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高村の噂2

「判るかこの気持ちが」

 坂部にはあの女の方が、俺よりお前の実家をよく知っているのがやりきれない。

 親や兄弟の関係程度なら地元の者はみんな知っている。が見た目以上には知らないから俺は気にしていない。お前もそれがどうしたと言い返してやれば気持ちがすっとするんじゃないか。言われてみれば気にするほどの女じゃないと坂部は気を取り直した。

 高村の噂が蔓延するサークルの催し物には、会合にも坂部は行かなくなった。そうは云ってもあのサークルはそんなに頻繁に集会をやっていない。入学早々は新入部員募集のためか頻繁にコンパを催していたが、新人の流入が止まった頃からコンパもパッタリと止まっていた。それでも月に二回の会合をやっていたが、梅雨頃から行かず、もう七月も初旬にさし掛かっていた。

 流石に和久井も気になったのか、講義が終わった帰りを狙ったように呼び止められた。誤解を防ぐためなのか和久井の横には見知らぬ女が居た。はて? 隣の女はサークルでは見かけない女で、そっちに気を取られて立ち止まった。

「どうして最近は顔を出さないの」

 と掛けられた言葉を振り切り歩くと一緒に並ばれて、此の前の決意は次第に鈍ってしまった。もう彼女に気がないと分かりながら、どうしても話したいと喫茶店に誘われた。入学早々勧誘した坂部が親しそうに一緒に歩いている高村を見て和久井は驚いて誘ったのだ。彼女は席に着くなり「気になってるでしょう」と此の人が小石川希実さんだと紹介された。

 彼女は同じ大学で伯父さんがやっている陶芸教室で知り合った。高村を見付けるまでは北陸地方から来ている田舎の子と云うイメージしかなかった。

「嘘やろう隣に居るのは高村さんや、しかも同じ大学に来てるんや」

 と一緒だった小石川希実から高村の話を聞いてびっくりした。


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