表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

第3話 ようこそ『キル恋』へ!

ルプを自室に帰したあと、私は改めて今日得た情報を思い返していた。


「うーん…信じがたいけど…やっぱりこれしか正解が見つからない…」


エレステ・アレキサンダード

アレキサンダード領


ベッドから立ち上がり、窓際へ移動すると、そこに映る少女はもちろん以前の私の姿ではない。


「はあ…」


溜め息をついて窓を開けると、風に乗って薔薇の香りが部屋中に広がった。


そして、窓の外には夜なのに美しく光る薔薇の庭園が目に映る。

庭園には多くの色とりどりの薔薇が咲き乱れ、月明かりに照らされて幻想的な光景を作り出している


もう、これは間違いない。


私は、乙女ゲーム×人狼「薔薇咲くキルか恋満チル」の世界へ転生してしまったのだ。


しかも、その中での『エレステ・アレキサンダード』は、ヒロインを虐め倒し、ヒロインや攻略相手も隙あらばキルしまくる人狼で、最後は生き残ったヒロインと攻略相手に吊られる悪役令嬢!!!


私が仕事で開発していたAIに『キル恋』を学習させて攻略してみたこともあったけど、

結局エレステのせいで一度も生き延びてクリアできなかった…


そんなトラウマゲームの悪役令嬢に転生してしまうなんて…


「理不尽だー!!!!」


頭を抱えしゃがみ込んだ。

どうしてこんなゲームの世界に転生しちゃったんだー!


「もう、最悪…。

エレステは最恐の悪役令嬢だし、どんなに頑張ってもキルするか最後は吊られる運命なんだから…」


必死に状況を整理しようとしても、どうにもならない絶望感が押し寄せてくる。


その時、ふと、私はあることに気づいた。


あれ……

も、もしかして……


私さえ人狼としてキルしなければ、何も始まらないんじゃない……?


「そうしたら、人狼ゲームなんて始まらず、普通の乙女ゲームになるのでは……?」


さっきまでの絶望感が解き放たれ、急に気が軽くなる。


「いくら見た目がエレステでも、中身の私が善良な一般市民なら、きっと大丈夫でしょ!!!」


少しだけ安心すると気が抜けたせいか、一気に眠気が押し寄せてきた。


「とにかく、一回寝てリセットしよ!

朝起きたら全部元通りかもしれないし!」


両手を高く上げ背伸びをし、その勢いに任せてベッドに飛び込んだ。

ふわりとしたベッドの感触が心地よく、柔らかなリネンに包まれていると、いつの間にか深い眠りについていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ