反射
どんなにつらい時もあなたがいたから頑張れたんです。
あと何回、この手紙を書くだろう。
君は何回だと思ってるの?
彼女は聞いてくれる。
届くまで何度も書くんじゃないかな、私は答える。
これが最後だと思わなきゃだめだよ、彼女は答える。
どうして?私はムッとしてしまう。いい加減、諦めろということだろうか。
次は彼に直接伝えるのよ。彼女はにっこりと微笑んだ。腰に手を当て、仕方がないなぁといった表情を浮かべている。お礼は直接伝えなきゃ。
それができないから、こうして毎年書いているのではないか。私は悲しくなって俯いた。
君はワタシを否定するの?彼女もムッとしてみせる。
彼女は未来の私。
君次第で私はどんな風にも変化するのに。彼女はむくれたままだ。
私は手元の手紙を見下ろした。
そうだ。
それを教えてくれたのは。
お礼を伝えたいなら、私が変わらないと。
ワタシも君にお礼がしたいのよ。彼女は微笑む。どんなにつらい時も君が頑張ってくれたから、今のワタシがいるのだから。
そうか。私は笑った。
あなたへの感謝は、未来から今の私に反射している。
手紙を握りしめたままの私ではいられないのだ。