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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

生贄少女と僕

作者: シカバ 未知

彼女は長老に連れられて僕の家に来た。

最初は単なる来客かと思ったが、それにしては服装がみすぼらしかったため、不思議に感じたのを覚えている。

彼女を見た僕の父親は僕をチラリと見てから彼女に目線を移し、目を潤ませながら跪き彼女に感謝していた。

僕は、いったい父親が何故そんなことをしているのか分からず呆然としていたが

「何をぼさっとしているんだ!7日後の巫女に感謝を捧げなさい!」

と長老に叱られ、何のことか分からないままに父親の真似をした。

その晩、僕は父親に巫女とは何か、何故彼女にあんなことをしたのかと聞いた。

すると、父親は暫く沈黙した後に「早く寝なさい」と言ってきた。

納得できずに、何回も聞くと父親は諦めたように口を開き、

「巫女っていうのは、神様に祈るときに捧げる生贄のことなんだ

 生贄になったら当然死ぬ。俺たちのためにだ…。だから感謝するんだ…」

 と父親は話した。

正直言うと死ぬっていうことが、どういうことか分からなかったから、何故父親が感謝したのかは分からなかったけど、父親に

「もう寝なさい」

と言われたので、今回は素直にその言葉に従い、自分のベッドに戻った。だけど、彼女のことが気になってその日は眠れなかった。

ーーー

次の日、彼女が生活をしているであろう村の神殿のような場所に行った。

理由は簡単で、彼女に聞きたいことがあったからだ。

彼女は望んで生贄となったのか~とか、死ぬのが怖くないのか~とか、死ぬってどういうことなのか~とか、とかとにかくいろんなことを聞いてみたかった。

だけど、残念なことに神殿の扉は閉じきっていて鍵もかかっていた。

僕では開けることもできないから、仕方なく帰ろうとすると、どこからか泣き声が聞こえてきた。

泣き声の主を探すために耳を澄ませると、それは神殿の内側から聞こえてくるものだった。

その時僕の頭に、質問をするだけなら別に彼女と顔を合わせる必要はないんだから、扉越しに質問をすればいいんだ、という考えが思い浮かんだ。

早速、僕はその考えを採用し彼女に聞きたかったことを聞いてみた。

しかし、返ってくる言葉は死にたくないという言葉ばかりで、死ぬのは怖いことぐらいしか分からなかった。

僕は諦めず何度も質問したが返答は同じで、結局その日は、日が暮れてきたので家に帰った。

ーーー

次の日、僕は彼女のことを知ってみようと思った。

彼女は死ぬのが怖いはずなのに、生贄になったのはなぜか気になったからだ。

「なんで巫女になったの」

僕が聞くと、昨日と違って

「なりたくて…なったわけじゃ…ないのよ」

という返事が返ってきた。僕はまともな返事が返ってきたことが、嬉しくてすぐに次の質問をした。

「じゃあ、なんで君は巫女なの?」

「わからない…なんで…なんで私なの…」

その後も彼女は僕の質問に答え続けてくれた。

今日の彼女は、昨日と違って多くの疑問を解消してくれたから、僕の質問は無くなってしまった。

「じゃあね」

そう彼女に言い残すと、彼女は

「待って、行かないで‼」

と叫んだ。

どうしたの、と聞くと

「寂しいの…一緒にいて…」

と今度はか細い声で、僕に縋るように言ってきた。

「聞きたいこともないからなぁ」

そう言って帰ろうとすると

「待って…そうだっ!5日後に面白いことを教えてあげるから」

と返された。

一体何が面白いことなのか気になった僕は残って彼女と会話をすることにした。

暫く会話をしていると日が落ち始めたので、さすがに帰ろうとすると彼女が

「明日も来て、じゃないと教えてあげない」

と言ってきたので、分かったと言い残して帰った。

ーーー

次の日も、そのまた次の日も僕は彼女との約束も守って会いに行った。

そして約束の5日目、彼女が死ぬ日が来た。

僕はスキップしながら、彼女に約束のものを教えてもらおうとしたが、神殿は大人たちに囲まれて会話することができるような状況ではなく、僕に出来たのは大人たちの移動についていくことぐらいだった。

暫く歩いてたので足が疲れたなと考えていると、大人たちが急に止まったので休憩かなと思ったが、どうやら違うらしくここが目的地らしい。

大人たちが、巫女を捧げる準備とやらを始めたが、彼女の周りにはまだ大人がいたので会話をすることはできなかった。

呆けながら彼女と会話できるタイミングを伺っていると、大人たちが急に騒がしくなったので何事かと思ったが、どうやら生贄をささげる時になったらしい。もうすぐ彼女は死ぬことになるのだ。彼女は木に括り付けられた状態で炎に晒されていた。面白いことを聞いてみたかったが、あれでは近づけない。

諦めて帰ろうとしていると、雷のような声で

「いるんでしょう!私のところに来てみなさい!あなたに死がどういうものか教えてあげるわ!」

という言葉が聞こえてきた。

死ぬ、それは結局分からなかった。

それを教えてもらえる。

そう聞いて僕は振り返って、どよめく大人たちを掻き分けながら、彼女のもとに走った。

大人たちが、僕を見て叫びだしたが止まらず、彼女の場所にたどり着いた。

すると、彼女は僕のことを抱き寄せて

「あなたも、これで死が分かるでしょ」

と僕にささやいた。

僕は、そのとき死ぬことがどういうことが分かって、怖くなったけど彼女が

「私も一緒だから寂しくないよ、怖くないよ」

といってくれたら、なぜか不思議と安堵した。

意味が分からなくてすいませんorz

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