表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

第五話

「ありがとうございます。フィリップさま」


 小箱を開いたクローディアは、喜びに目を輝かせた。

 そこにあるのは水晶がついている可憐な指輪で、けして豪華ではないが、いかにもつつましく品がある。


(すごく素敵。可愛くて、上品で。これがフィリップさまの考える「私に似合う指輪」なのね。もしかして、フィリップさまが私に抱くイメージはこんな風なのかな、なんて……ううん、図々しいこと考えちゃだめ。単にフィリップさまのセンスがいいから、素敵な指輪を選んでくださっただけよ)


「百面相してないで、着けてごらんよディア」


 そういうフィリップはどこか普段と違って素っ気ない。あまり女性に贈り物をした経験がないようなことを言っていたし、もしかするとフィリップも少し緊張しているのだろうか。


「はい、あの……もしよろしければ、フィリップさまが着けて下さいますか?」

「僕が?」

「はい、お願いします」


(別にいいよね、婚約者なんだし、これくらい言っても変じゃないよね)


「分かったよ」


 フィリップは神妙にうなずくと、そっとクローディアの手を取った。

 大好きなフィリップの手によって、美しい水晶の指輪が自分の指にはめられる。たったそれだけのことで、今までのすべてが報われたような気がして、クローディアは思わず涙ぐんだ。


「ありがとうございますフィリップさま。一生大切にします。私……」


 その瞬間、漆黒に染まった水晶は、音を立てて砕け散った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ