表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

男の子

 ある静かな秋の日のことでした。かおりは一人でお留守番をしていました。その日、お父さんは仕事へ、お母さんは用事で隣町へ出かけていきました。そして妹は、友達のさっちゃんの家に遊びに行っています。普段、留守番をする時は、妹と一緒なので、かおりは少し新鮮な気持ちでした。

 

かおりは、はやいうちに宿題をすませることにしました。四年生になって、宿題の量が増えたからです。リビングで一人、漢字の練習をしていると、

「トン、トン、トン」 

玄関のドアをノックする音が聞こえました。かおりは顔を上げ、首をかしげました。

(誰だろう?インターホンを鳴らせばいいのに。)


 かおりはそう思いながら、ドアをあけました。するとそこには、知らない小さな男の子が立っていました。一年生か二年生くらいでしょうか。グレーの短パンに鮮やかなオレンジ色のシャツを着ています。

(だれだろう、この子?知らないな。)

かおりが誰か聞こうとする前に、その子が口をひらきました。

「これ、きみのでしょ?」

そう言って差し出してきた手の中には、つつのような物がにぎられていました。そのつつは、少し古びていましたが、きれいな花柄の模様でした。


 かえおりはそれを見て、はっとしました。つつのはじの方に『かおり』と、小さくひらがなで書いてあります。それは、かおりのまんげきょうでした。 かおりは男の子からそっとまんげきょうを受けとりました。もう、ずっと前になくしたものです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ