団長さんとご対面。1
そりゃみんな見るよね。15歳くらいの子供が狼さんに担がれてるんだもん、私だって見るよ。それにしてもいろんな動物?がいるね。人間もいるいる!よかった!人間のほうが少なかったら余計怖いもんね!一安心です。ん?盾みたいな看板がかかってるおうちに入った!
「狼さん!ここが団長がいるところなんですか?」
「なんでワクワクしてんだよ!団長は後から来る。ここはお前みたいな不審なやつを連れてきたり、門の奴らが休憩する場所だ。部屋につくから正直に話せよ。団長呼んでくる」
うん。思った取調室みたい!机と椅子とちょうどよい広さ!サスペンスみたいに隣の部屋から見えるやつはないみたい!よしよし気合を入れておこう!
「何してんだ?お前」
え……早くない?気合い入れてほっぺ叩いたの見られた感じ?見られたよね。
「おわたじゃーーん!」
「うるせーよ!」
叩かなくたっていいじゃん!しょうがないじゃん!私の生死がかかってるんだから。もうダメ。
「ジス。ずいぶん不審者嬢ちゃんと仲いいみたいだな」
トラって。トラって……
「ホワイトタイガーじゃないですか!狼さん!!」
それはそれはきれいな白黒模様をしているお耳がちょんとある。尻尾も可愛い。お顔に力を入れておかないとニヤニヤしてしまいそうです。あら?狼さんにもきれいな尻尾が!私としたことが気付かなかった。
「団長話した通りこうゆう奴なんです」
「なるほど。わかった。嬢ちゃん名前は?両親はどうした?」
2人とも。ガッカリしないで。狼さん……そんなに睨まなくても話しますよ話します!
「アリスです。起きたらあの森に居たんです!それでフラフラ悩んでたら狼さんに会いました」
「ジスが言うにはお前は23歳らしいな?ついでにアメミヤアリスと言って俺ら獣人も見慣れてなかったらしいな?それはどうしてだ?」
狼さん話したね。私が疑われることなく生きていこうと思ったのに……狼さん、面倒なことを話したね。私アリスは根に持つタイプですからね!!くっっ!さすがに狼に睨まれたら怖いよ。
「私の思ったことを話してみてもいいですか?多分狼さんが見てたってさっき言ってたから、ホワイトタイガーさんは聞いてますよね?信じられない話をします。できればあんまり他の方には知られたくないです」
「構わない。ジス。誰もこの部屋に近づけるな」
「わかりました。俺はドアの前に居ます。お前、あんまりおかしなことをするなよ」
睨まなくても私だってまじめに話しぐらいできるって!私だって平和に過ごしたい。自由に生きたいんだからね!
動物の尻尾ってなんであんなに気持ちよさそうなんでしょうね。