私これからどうなるのよ。
わかった。とりあえず逃げよう。このまま居たらいけない気がする……見てないね、よし!!走れーー!
「お前バカだろ。俺狼だぜ?」
そんなんわかってるって!でも、人間だって舐めてたから拘束しなかったんだろーよ。私もバカだと思うけど捕まりたくない。人型?でもそんなに早いのね?!
「神様仏様お母さま。私に力をくださいな!!」
「いいよーー」
は??今度は誰よ!!
「神様よ。君に僕の力を分けてあげる!優しいでしょ!頑張ってね」
こわっ?!なになになにを分けてくれてどー使うって?!せめて取説をよこしなさいよーーわかった思い込み作戦でいこう。
……あいつはこける。あいつはこける。あいつはこける!!
「お前本当にバカだろ?……っって!お前なにしたんだよ!」
「やったーー!」
思い込み作戦成功じゃん!!私無敵になれたかしら?やばい。あいつ本気モードじゃん!ありゃ無理だ。めっちゃ狼だ……とうとう私の命が終わる感じね。
「魔法が使えるなんてあり得ない。お前は本当に何者なんだ?」
はい。私捕まりました。めっちゃ短い鬼ごっこでしたね。本気モードに速攻首根っこをつかまれました、かなりの屈辱。体は子供でも、脳内はデリケートなお年頃なんだからね!いかんいかん。こういう場合はペコペコしなければ!!
「降参です。私が悪かったです。でも、少し話を聞いてくれませんかね……」
「最初からそうしてくれ。無駄に疲れる。お前は魔法使いなのか?」
「私を地面に降ろしてください。話しますから」
何を話せばよろしくて?起きたら森に居ました。神様にお願いしたら声が聞こえました。なんて言ったらほんとに私やばいやつじゃない?ほんとなんだけどね。でも、この狼さんの顔が怖すぎて言い訳ができない気がする。
「起きたらこの森に居て、狼さんと出会ったんです。魔法も神様にお願いしたらできたんです!!信じてください」
こうなったら当たって砕けろだ!どうせ何を言っても信じてくれるもんか。隙を見てまた逃走してやるんだから。
「お前、もう余計なこと考えるなよ。話は戻ってからだ、また逃げられたらたまったもんじゃない」
まさかの俵担ぎですか?!私レディなんですけど!!
「自分で歩きますから降ろしてください!こんな恥ずかしすぎますよ!」
「魔法が使えるやつを拘束具なしでどう運ぶんだよ。走るからな。その口塞げよ」
走る?!うそでしょ……早すぎなんですけどーー