よくわかりません。
「まずこの国の名前はディレク王国!それでここはセンター地区!ほかにはウエスト、ノース、イースト、サウスの4つの地区があって、センター地区の真ん中くらいに王様がいる王都があるんだ!」
え……ジスさんに会った時も思ったけど完全に方角なんだね。ディレクは惜しいけど方角だよね?英語得意じゃないからわかんないけど。
「ジスさんに会った時に王国の人だけ苗字があるって言ってたんですけど苗字がある人はセンター地区にはいないんですか?」
「そうだ、こいつがアメミヤアリスって言った時にアメミヤが名前かと思ったらアリスが名前だった」
ジスさんや……あまり思い出してほしくない。苗字があることも海外みたいに最初に名前なんて知らなかった。そう!私は何も知らなかったんだ!!
「アリスちゃんは知らなかったんだからしょうがないよ!僕にも苗字があるよ!あんまり使わないけど、フィル・ジェイナです!苗字がある人は少ないよ!センター地区にも何人かいると思うよ。王都に代々仕えてる人がほとんどかな?僕の両親も王都にいるし僕も将来は王都に行く予定かな!」
「え……フィルさんは代々王都に仕えているんですか?」
「そうだよ!神様と話せるからね!ただ、子供ができて子供が聞こえるようになったら僕は神様と話せなくなっちゃうんだ。そしたら、王都でお父様のお仕事を引き継ぐことになってる!」
なるほど……そうゆう家系だったのね。あれ?じゃあ魔法は?
「魔法を使える人が少ないって言ってたのは、魔法を使える人は苗字がある人達なんですか?」
「うんうん。気になるよね!苗字があっても魔法が使えない人もいるし、なくても使える人もいる。ただ、魔力を持っている人が少ないから国や地区に知られるとだいたい戦力に引っ張られちゃうかな」
「何と戦うっていうんですか?」
困る。戦力にはなりたくない……むしろひっそりのんびり生きていたい。
「治安が悪い地区は反乱を起こす人もいるし。この国の外や森から魔力を持った動物が来ることもある」
「え?レイルさん。サラッとすごいこと言いましたけど、人と動物と戦うことがあるんですか?」
戦いたくない。むしろ喧嘩とか暴力的なのしたことないし、そんなに腕力もない。こりゃまずいね。
「あぁ。お前が魔力を持った動物に会う前に俺に会ってよかったな」
私もそう思う。ジスさんが声をかけてくれなかったら襲われていたかもしれないし。
「大丈夫!アリスちゃんは魔力も強そうだし。練習すれば成長してなきゃすぐ倒せるよ!!僕が教えてあげるから安心して!」
まさかのピンチ到来です。戦力外になりたい。ジスさんなんか笑っちゃってるし、人の気も知らないで……どうしよ。いや、まじで。
「もうこんな時間か。俺はまだ仕事残ってるから戻る。リオン、ミオンあとは頼んだ、嬢ちゃんは明日ジスに送ってもらって俺のところに来いよ」
「「かしこまりました。お気を付けて」」
「わかりました」
え?レイルさん帰っちゃうの?すごく中途半端ですよ?まだ聞きたいこともある、ほかの国のことだって、この世界のことだって。戻り方があるのかも詳しく聞きたいのに……
「アリス!!!!!お前ほかの世界から来たのか?!」
え?今??ルイさん疲れてる?ってか、今まで話に入ってこなかったのはビースさんに私の説明をしてくれてたのね。やっぱりルイさんはお母さん?
「団長は戻ったんですね。今ビースにアリスさんのことを説明しました。やっとわかってくれたようですね、ビース外では言っちゃダメですよ。アリスさんも不安があったらいつでも相談してくださいね」
なるほど。ルイさんはビースさんに説明しててこんなに疲れてるのね。思ってたけどビースさんってお馬鹿??シカトだシカト!
「ルイさんありがとうございます。そうみたいです。これからお世話になります!!」
「アリスちゃんも疲れたでしょ?あとは明日にして今日はゆっくり休んで!」
「はい!明日からよろしくお願いします!!」
ビースさんの顔が話したそうだけどここではなんとなく触れたくない。ごめんね。
「俺らも帰ります。こいつをよろしくお願いします」
「いつも騒がしくしてしまってすいません。お邪魔しました」
「また来まーす!!」
「うん!いつでも来てね!またみんなで遊ぼうね!」
「お邪魔しました。また来ます!ミオンちゃんも今度お休みの日に遊ぼうね!
こういう人達だよね。何だろ。疲れがドッときた……忘れてたけど今日プールも入ったんだった。結局どんな感じなんだろ?少し知れたからこれから少しづつでもいいかな……話だけじゃ分かんないし!
「おい。迷子になる気か。早く来いよ」
「はーい」
でた……時々イケメン男子ジスさん……やば。置いてかれる!




