神様と話せる人とご対面。3
「魔法を使える人は少ないんだよね!だからもしバレちゃったら違う地区に狙われちゃうかもしれない」
「それは困ります!私は普通に生きていければいいんです!平和に平凡に生きていきたいです」
危ない目に会いたくない。できれば普通に生活していきたい。なんか、ショック……
「嬢ちゃん。茶が冷めるぞ。魔法が使えてこっちに来てしまったなら、こっちでちゃんと受け入れて生き延びろ」
レイルさん……うん。ごめんね。変な人かと思ってたけどいい人だわ。そうだよね。ちゃんと受け入れないとね!お茶も飲むよ!せっかく淹れてくれたからね!え。うまいわ。我ながら単純すぎてウケる。
「はい。そうですよね。レイルさんお茶の淹れ方を教えてください」
「気が向いたらな」
「アリスちゃんに提案がありまーす!実はね、僕も魔法が使えるんだー!だから、僕と魔法をちゃんと使えるように練習しよう!せっかく魔法を使えるようになったなら使いこなさなきゃね!」
「そうなんですか!早く言ってくださいよ!怖いじゃないですか!ぜひ教えてください」
「うん!その意気だよ!落ち込んでだらダメだぞ」
魔法を教えてもらってる時にいろいろ生活を整えていかないとね!……ん?生活?
「住むところ!住むところはどうしたらいいですか!!それに収入源もないのに生きていけないですよ!」
今まで働いてきたのに、今更勉強だけなんてヤダ。できれば仕事を欲しい、なんでもいい。
「うーん。ここに住まわせてあげたいけど、ちょっと無理なんだよねー働き先はレイル君のところはどう?事務職をしてたなら書類整理とか任せちゃえば?」
「構わない。一応嬢ちゃんをセンターの騎士団で保護することにしているから、本人が希望しているなら問題ないだろ。住むところはジス達のところでいいんじゃないか?ジスが見つけたんだし」
「団長!何考えてるんですか。男ばっかりのところですよ!」
きたな。ジスさんちょっと口からなんか出たよ、そんなに動揺しなくたっていいじゃん!レイルさんもお茶飲んでないでなんか言ってよ!
「私は大丈夫です!何としても生き抜いてみせます!」
「ほらーアリスちゃんもこう言ってるんだしーっね!じゃあ午前中はレイル君のところで事務職で午後はここに来てよ!はい!決まっりーー」
なんか、ちょっと生きていける気がしてきたよ!やることが決まれば進みやすいし大丈夫だよね。
「はぁ……わかりました。こいつの細かいことはどうするんですか?ルイはなんか感づいている感じでした。こいつは17歳とも言っていたし、いろいろ決めておかないとまずいんじゃないですか?」
「そーだな。17歳……働ける歳だからしょうがない。他にはなんか言ったか?」
ちょっとした見栄なんです。そんなに残念な顔をしないでください。足りないのは身長だけなんです!顔はいい感じなんです。
「家を抜け出して森で遊んでたと、あまり家から出たことがなかったから帰り道もわからないと話しました」
「うーん。なんとも微妙な感じだね!ルイ君も疑うよ!」
笑わないでよーー必死だったんだから!ビースさんには通じたし!まだ、半々だし!
「そうか。ならそれでいいんじゃないか?小隊長達は女の子が来ることは知ってるし、変に付け足す必要はない。嬢ちゃんのことをせめてセンター地区代表達に紹介できるまででいいんだ、フィル次第だな」
「任せてよ!もう神様からの言葉は伝えてるし、アリスちゃんが魔法をマスターしてくれれば完璧かも!」
進んできた、進んできた!17歳ね!ちょっとしたやり直しだと思って頑張んなきゃね。
「フィル様。プールの準備ができました」
「ありがとう!リオン君!ミオンちゃん!アリスちゃん紹介するね!お手伝いさんのリオン君とミオンちゃん!狐の兄弟です!ミオンちゃん!アリスちゃんの水着用意して。遊ぶから!」
「「初めましてアリス様」かしこまりました。」
「あ……アリスです。よろしくお願いします」
狐の兄弟とか、可愛すぎる……いきなり現れるんだ。難しい話も終わったし。ほんとにこれから貸し切りプールだーー!!!ふふふ。
フィルの性格の人を眺めていたい。




