神様と話せる人とご対面。1
「ジスさん!これから神様と話せる人のところに行くんですか?」
「あぁ。少し距離があるから行くぞ」
「はい!!」
そういえばゆっくり町を見てなかったね!んーーちょっと古い感じだけど綺麗だね!なんていうのかな?あれだ!!古風な洋風!きれいなレンガ道にいい感じの建物。日本とは全然違うのに少し懐かしいような。まーいっか!
「そういえば、団長の幼馴染は変人だから気をつけろよ」
「変人?私からすれば団長も変人な部類なんですけど」
団長もだいぶ変人だけど、その上ってやばくないか?そもそも神様と話せる人って時点でやばいでしょ!
「団長は割と普通な人。幼馴染はそーだな……やばい人?お前よりやばいんじゃねーか?」
「ちょっと!私も普通ですよ!それよりいい加減お前はやめてください。少し緊張しますね」
あっ!あそこのお店可愛い!後でフラフラする時間ってもらえるのかな?
「お前で十分。緊張するんだな。お前……おい!こっちだよ」
「いてっ!引っ張らなくてもいいじゃないですかー後で少し散歩したいです。それに!私だって緊張します!変人に会いに行くのに緊張しない人はいません」
「迷子になるのだけは勘弁してくれよ。そうだな。俺は今から疲れるよ」
あーれー?ちょっと自然が増えてきたような。お家がないような……
「ジスさん。ここはどこですか?」
私にはおっきいお屋敷が見える。噴水にプールって……
「金持ちかよっっ!!」
「うるせーよ!ここが団長の幼馴染のフィルさんの家。ここはセンター地区だ」
センター地区なのは知ってるし!こんな絵に描いたような豪邸初めて見た。ぜひ貸し切りプールで楽しみたいものですね。
「バカにしないでくださいよ!こんなに立派なお家初めて見たんだから仕方ないでしょ!」
「入るぞ。気をつけろよ」
え……気を付けるってなに。待って。まだチャイム押さないで!!
「遅いじゃーん!ジス君!僕を待たせるなんてひどいじゃないかーー」
え?何があった?辛い。ウソ泣きまでする?ジスさんに抱き着くなんてすごい人。チャイム押してないし。この人は人間なのね。もー尻尾で私は判断しますよ!
「フィルさん。離れてください。遅くなってすいません」
「ジス君!僕のことはお兄さんと呼んでって言ってるじゃないか!小さい頃から遊んでるのにー。レイルくーんジス君がお兄ちゃんって呼んでくれない!」
忘れられてる気がする。フィルさんね、強烈すぎる。最初さんだったのに、ほんとはちゃん付けで呼んでほしいんだ。ジスさんの顔ウケる……
「あのー。私もいます……」
よく言った私!頑張った私!こんな強烈な人は初めましてです。
「君がアリスちゃんだね!うん。可愛い可愛い!僕はレイル君の幼馴染のフィル!アリスちゃんにもお兄ちゃんって呼んでほしいなー。僕は見ての通り人間だよ!いつまでも玄関は嫌だよね!さっ入って今レイル君がお茶を入れてくれてるから!」
早い。もういない……レイルさんがお茶淹れるの?
「助かった。サンキュ。こっちだ、団長はここではそんな感じ」
「ジスさんから感謝されるなんて思っていませんでした。気を付けろの意味が分かった気がします」
「うるさい、これからが本番だ。行くぞ」
まだ本番じゃなかったの!ヤダ。私耐えられる自信ない。いろいろやばいかもしれない。
あるよね。初めて行くところなのに少し懐かしく感じるやつ。




