‐第四話‐ ~初代賢者~
「ひっ?!くちっっ!!!」
風邪かな・・・
「あ、本が落ちちゃった・・・ん?なんだこれ・・・シノブ・ホムラ・・・!?」
なんで日本人の名前が載ってるんだ!?
〖シノブ・ホムラ・・・初代賢者にして人類最強の人間、それは神をも消す力を宿していた〗
〖その者は剣一振りで海を切った〗〖その者は世界を救った〗〖その者は神を殺した〗〖その者は・・・人類を裏切った〗
初代賢者が日本人!?
ホムラシノブ・・・もう居ないのか・・・?。
〖初代賢者、シノブ・ホムラは人類から恨まれ・・・姿を消した〗
姿を消した・・・か
死んだとは書かれてないし、まだ会える可能性はあるのな・・・
いやしかし驚いた、俺たち以外に異世界召喚された人が居たなんて。
『やっと見つけた、私と同じ日本人。』
「ぬああ!?。」
だ、だれ!?。
『はっはっは!!私は焔忍!よろしく三代目賢者!。』
ほ、焔・・・
「忍ぅぅぅぅ!?!?!?。」
「おい!!うるせえぞ!!!。」
「あ、ご、ごめんなさい・・・。」
この宿壁薄いんだった・・・
そんなのどうでもいい!
き、聞こえるか初代賢者・・・。
『あぁんそんな警戒しなくてもいいさ三代目賢者、私はちょっと・・・興奮してるがな。』
こ、興奮って・・・俺は水上真太郎、よろしく。
『ふふ~ん、水上真太郎・・・予知通りだね。』
よ、予知?
『そうよ、私の作った魔道具【ラプラスの眼】が真ちゃんがこの世界に来ることも、真ちゃんが賢者になることも予知してくれたわ。』
俺がこの世界に来ることのも・・・賢者になることも!?
てか真ちゃんてやめろ、なんか背中が痒い。
『160年待ったんだから!いいじゃない!。』
お、お前何歳だよ!!!。
『じょ、女性に年齢を聞かない!もう!失礼しちゃうな!。』
で、初代賢者が俺になんの用だ?。
『忍でいいよぉ~。』
じゃあ忍、何か用があるんだよな?。
『いや、なんもないよ。』
は?。
『ただ単に日本人見たくてさ』
そっか、じゃあ俺読書に戻るから。
『あっはぁ~さては真ちゃん賢者であることがどれだけ危険か知らないでしょ。』
賢者が危険?。
『あれ?読書に戻るんじゃなかったの?。』
はいはい、俺の負けだよ・・・で?賢者でいることがなんで危険なんだ?。
『それに書かれてないの?。』
う~ん、俺が見た限り書かれてなかったぞ。
『っち!あのバカ弟子が!魔法院を懐柔したなぁ??!!』
弟子?。
『私は初代賢者、君が三代目賢者・・・もうわかるでしょ?。』
二代目賢者が忍の弟子だったのか
そいつは?。
『私の前からふと姿を消したよ・・・まぁ私に責任があるんだがね・・・。』
お前初代賢者なんだろ?魔法でその弟子見つけられないのかよ
この本に人類最強って書かれてるしさ。
『それが問題なんだよぉ~。』
なにが問題なんだ。
『真ちゃんさ、賢者スキル使用したよね。』
あぁ、歴代賢者の力を引き出せる・・チ―ト・・・スキ・・・あぁ!!!!
『それだよぉ・・・そのスキルのせいで私の能力全てなくなっちゃんだよ、真ちゃんに全部取られちゃった!!!。』
マジか・・・え、でも今どうやって俺と喋ってるんだ?。
『無魔法の念話だよ、唯一無魔法だけは使えるみたいなんだ。』
俺・・なんか悪い事しちゃった?。
『真ちゃんは悪くないよ・・・でも、いっちゃんに悪いことをした私のせいなんだ。』
いっちゃん?弟子の名前か?。
『そうだよ、三室庵それが二代目賢者にして私の弟子。』
う~ん?でもなんでこれに書かれていないんだ?
『いっちゃんがそうさせたんだよ、面倒ごとは嫌いな子だったからね。』
まてよ・・?そうなれば、室井庵の能力も俺が貰っちまってる!!!。
『そうなるね、多分今頃いっちゃん混乱してるよ・・・どうしよ・・・。』
なあ、あの魔道具で三室庵の場所を予知できないのか?。
『無理だよ、君が賢者スキルを使った瞬間、なぜかぶっ壊れたんだよ。』
なんだよそれぇ・・・。
『はぁはぁ・・・もうMPが切れるのか・・・じゃ、じゃあ真ちゃん・・・また明日お喋りしよう・・・私はちょっと休むよ・・・。』
MPが少なくなると酷い疲労感に襲われるのか・・・じゃあまた明日な忍、俺はクエストを受けて魔物との戦いに慣れておくよ。
『・・・。』
念話が切れたか・・・
そういや賢者でいる危険性聞いてなかったな・・・
庵・・・お前、異世界に飛ばされてたのか・・・。
庵・・・今でも俺は・・・
お前の親友だよな・・・?。