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日常回1(劇物料理の危険性)

途中まで沙耶視点です。

沙耶のキャラを只今手探りで探してます。

午後6時30分。

いつものように家におねぇちゃんと戻ってきた私は少し汗ばんだ体をシャワーで流す。


「沙耶ー入っちゃダメー?」


脱衣室からおねぇちゃんのの声がする。

で入っちゃダメ?とは…一緒にお風呂か?!


「えぇ?!普通は一緒に入らないでしょ?!わっちょ?!おねぇちゃん?!」


私が非難の声を上げたがすでに遅かったようでおねぇちゃんは素っ裸でバスルームの中に入ってきた。

おねぇちゃんは私より背が低い。

そしてお胸も私の方が圧倒的に勝っている。おねぇちゃんには永遠のゼロ、究極のまな板、断崖絶壁、幼女体型、という言葉がお似合いだろう。

ふっ、勝ったな…


「良いではないか良いではないか…」


そんな優越感に浸っているとおねぇちゃんから邪気を感じた。両手を私の胸の前に構えて指が高速で動いている。


「お、おねぇちゃん?その怪しい動きをしている両手は何?」

「姉より発達の良い妹などいないのだよ……羨まけしからんその胸についた駄肉を揉みほぐしてあげるだけだからね?」

「わっ?!ちょっと待っ…ひゃぁっ?!んにゃっ!?くすぐったいわっ!」



……汗を流すつもりが逆に汗をかいてしまった。

ちなみにおねぇちゃんには仕返しはしませんでした。だって揉むものがないし。


「ふっ、勝った」

「ちょっと沙耶?どこ見て言ってるの?」

「まな板」

「このっ、可愛い妹めっ」

「わっちょ?!くすぐったいからっ!」


また汗をかくことになりました。

反省も後悔もしてません。


午後7時10分。

ドライヤーで髪の毛の乾かしっこをした私は冷蔵庫の中の牛乳を飲む。

消費期限は確認したから安全面はクリアしてます。

胸が羨ましいならおねぇちゃんも牛乳を飲めばいいのです。あと健康的な食生活です。

朝は冷凍たこ焼き、昼は冷凍スパゲッティかカップうどん、夜は冷凍ピザとフライドポテトで飲み物はいつも炭酸飲料とか体に悪すぎなのです。


牛乳を飲み干した私はコップを食器洗浄機のなかに入れて2階にある自分の部屋に入ります。

ちなみにこの部屋で私が寝ることはあまりありません。まだおねぇちゃんを抱き枕にしないとぐっすり眠れないのです。

かなり冷え性のおねぇちゃんは抱き枕に最適なサイズでしかもすべすべなのです。


ま、そんなことはどうでもいいとして私はもう見慣れてしまったピンク色のヘッドギアを装着します。


そして私の意識はこの世界を離れるのでした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「んじゃ行ってくるわ」

「いってらっしゃい」


ユウさんの声にリンさんが答える。


「あと絶対料理はするなよ?絶対だぞ?」

「え?フリ?」


ユウさんがマジトーンで話しているけどリンさんはなんとも思っていないようで笑顔でそれに対応している。

しかし周りの人達はマジな顔をしている


何がそんなにやばいのですか?


「俺が毒薬をぶちまけるよりひどい結果になるから」

「一回、一回考え直してみようよ?ね?」

「凛ちゃん、おふざけでも、やっていいことと悪いことがあると私は思うの」


シンさんもおねぇちゃんもハナさんもなかなかに辛辣だけどそんなに危ないのかな?


この時の私は凛さんを煽るようなことを言ってしまったのでした。



「凛さんの料理食べてみたいです!」




そして凛さんは厨房に入りしばらくすると美味しそうなオムライスが出てきました。

ソースが紫色ですがおそらくゲーム内の食材が紫色だったのでしょう。

見た目は綺麗な黄色い卵にご飯が包まれていてとても美味しそうです!


匂いもバッチリ!


私は心躍らせながらパクっと一口、凛さんの美味しそうな手料理を食べた瞬間それは起こったのです。



舌が痺れる強烈な刺激。

胃がこの食べ物を拒否しているんじゃないかと思うくらいの吐き気。

少しずつ削られていくHPバー。


なるほど、VRのヘッドギアも凛さんの料理の美味しさを表現しきれなかったのですね!


[怯み耐性を取得しました]

[怯み無効を取得しました]


そ、それにしてはまず…まずいなんてものではないですね…一周回って痛い?辛い?不思議な感じです…うっぷ


[毒耐性 を取得しました]

[毒耐性 は 猛毒耐性 に変化しました]

[猛毒耐性は 死毒耐性 に変化しました]


吐くわけにはいかない…

凛さんがこんなにもニコニコしてるんだから!


[麻痺耐性 を取得しました]

[麻痺耐性は 大麻痺耐性に変化しました]

[大麻痺耐性は 死麻痺耐性に変化しました]


うっ…もうダメかも…いや!そんなことはない!まだ私は耐えれる!


[呪い耐性 を取得しました]

[呪い耐性は呪怨耐性に変化しました]

[呪怨耐性は死呪耐性に変化しました]


なんかすごくアナウンスさんが荒ぶってる気がする…いや、考えるのはやめよう。


[睡眠耐性 を取得しました]

[睡眠耐性は睡魔耐性に変化しました]

[睡魔耐性は昏睡耐性に変化しました]


あれ、なんか視界がぼやけてきたような…


[混乱耐性を取得しました]

[混乱耐性は大混乱耐性に変化しました]

[大混乱耐性は錯乱耐性に変化しました]


なんかぐるぐる世界が回ってる気がする……けど耐える!凛さんの笑顔のために!あれ?周りの人の顔が青白いぞ?


「気絶耐性を取得しました]


うわっ今一瞬意識が飛びそうだった…


その瞬間胸に強烈な痛みが走った


[即死耐性を取得しました]


その瞬間視界が真っ暗になった。


[怯み無効、死毒耐性、死麻痺耐性、死呪耐性、昏睡耐性、錯乱耐性、気絶耐性、即死耐性 は統合され 『超硬合金の心身』になりました]


[称号 耐え難き苦難に耐えし者 を取得しました]


……?


気づけば私はログインする場所にまた立っていた。


「リン?ほら言ったでしょ?」

「ニドト、リョウリハ、ツクリマセン」

「うむ、よろしい」


凛さんがすごくしょんぼりしてる…励まさないと…


「だ、大丈夫ですよ!さっきの料理ですごいたくさんスキルゲットできましたし称号ももらえましたから!」


私がそう言うとあたりがしん…とした。


「ね、ねぇもしかして取得したスキルって毒耐性とか?」


おどおどしながら凛さんが話しかけてくる。

なんでわかったんだろう?さすが凛さん!


「なんでわかったんですか!さすが凛さんですね!」


「皮肉か?」

「皮肉なのか?」

「うちの妹は天然なんです…」

「ふんわりとトドメを刺しに言ったなぁ…さすが天然」


凛さん以外が私のことを天然とか言ってますけどそんなことないです!


「凛さんの料理はすごく刺激的でした!称号もなんか『耐え難き苦痛に耐えし者』とか言うのを取得しましたし!ありがとうございます」


「がはっ、ごめんね、本当にごめんね、沙耶ちゃん…」


凛さんが膝をついた。


「だ、大丈夫ですか凛さん?!」

「あ、多分自分の料理のヤバさに気づいて悶えてるだけだから気にしないで、お口直しにこれで何か買って食べてきたらいいよ」


ユウさんがお金を渡してくれた。

ユウさんは甲斐甲斐しく凛さんを支えている。

お似合いのカップルだ!


……これ以上部外者がいるのは無粋だよね!

できる女は気を使うことができるのですよ。


「おねぇちゃん、シンさん、ハナさん、タローさん、ちょっとオススメのお店とか教えてもらえませんか?」



私はこの世界の先輩たちと町を散策することにした


「ちょっと!待って私も!」

「凛は俺と話すことがあるから先に言ってていいよ。ねぇ?凛?俺の言いつけを守らなかったんだからどうなるかわかってるよね?」

「ひゃ、ひゃい…」


凛さんが可愛くなってる…まさか二人でうふふなことを…


リア充いいですねぇ、目の保養になります。


それにしてもいつもあんなに凛々しい凛さんがあんなに可愛くなるなんて…


「私たちがいるのは無粋ですね!行きましょう!」

「うーん…じゃあうちのギルドからでどう?魔法書とかたくさんあって面白いよ?」

「それだったら錬金術ギルドでも…まぁ今じゃ薬師ギルドの方が勢力強いらしいけど」

「森でレベ上げとかどうかな?」

「いいでござるなぁ、商店街を回るのも拙者おすすめでござる、(ここは舞の意思を汲んで魔術士ギルドというべきだったか?いやそれはあからさますぎるか…)」


タローさんが何かブツブツ呟いていたけどそんなことよりいよいよ冒険だよ!冒険!


そうして私は2度目の町へ出発するのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ今週のご飯は凛の嫌いなものづくしだから」


ユウはマジトーンで淡々と話す。


「それは!それだけは勘弁を!」

「凛さぁ、本当にわかってる?」


裕太は凛の顔に自分の顔を近づけながら言う。


「わ、わかってるよ。あと顔近い」

「わかってないよ…凛がさ自分の料理食べて倒れたの何回あったか覚えてる?」


裕太がさらに凛に近づく


「ちょっと!本当に近いって!」


凛は顔を背ける。


「別にいいでしょ?もっと近づいたってさ」


「別に…いいけどさ」

「で今週のご飯は野菜盛りだくさんだけどいいよね?」

「いや、それは…」


凛は慌てて抗議しようとする。


「い、い、よ、ね?」

「うっ、うん」


ユウの迫力のある笑顔と声に凛は頷くことしかできなかった。


「言質はとったぞ?」


裕太が確認するように言う


「じ、じゃあ!一つだけ条件!」

「ん?何?」

「毎日、家に来て……あーんしてくれない?ダメ、かな?」

「は?何を言って……まぁ、別にいいけど。……あっやばっそういえば今日バイト入ってたんだった!凛…約束は守れよ?」



そう言ってユウはログアウトした。


ユウがログアウトしてから少し経った頃。


「ぅぅ……なんであんなに恥ずかしいこと言ったんだ私のバカー!」


リンは自分の発言の恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら床を転がっていた。


それを見ていた人が誰もいないのが凛の唯一の救いだろう。


糖度を高めにしたかった…

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[一言] 爆撃機能搭載付きにならないかな?
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