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中身のないオフ会の話

「トイレ借りるわ、っていうかトイレどこ?」


乾杯をして直ぐに真也はトイレを探し始めた。


「廊下の突き当たりのところな」

「ありがと」

「なんで太郎が知ってんだよ」

「それは…恋人、だから?」


太郎がキラッと効果音がつきそうな爽やかな笑顔を決めるがどうも存在感が薄い。

そんな太郎には目もくれず女子たちは所謂恋バナを始めるのだった。


「ねぇねぇ舞ちゃんはさ、太郎と付き合ってるの?」

「うーん、それはねー」

「「そ、それは?」」

「秘密かなー」

「えー」


秘密とか言ってる舞であるがとても嬉しそうである。


「色々買ってきたけどなんかリクエストあるか?」


裕太がキッチンからリン達に話しかける。


「じゃあ俺ピザ!」

「手洗ってからにしような?」

「私もピザでー」


真也が廊下から帰ってきてテレビをつける。


「手洗わないまま他人の家のものに触るとか信じられない…」

「ありえねぇ…」

「ほら洗ってこい」


裕太が食器用洗剤を真也に渡す。


「ちゃんと洗って来てるわっ!」

「わかってるよ、ほらピザ作ってやるから」


真也は渋々席に着きブドウジュースを飲み干す。

凛はテーブルの上のお菓子を食べながらスマホを触っており舞は太郎とソファに座ってテレビを見ていた。


『今回のアップデートでは…』


テレビの中では中年のナイスガイがLIVEという文字と“セカンドワールドオンライン”開発担当責任者という肩書きのテロップとともに映っていた。


『…称号やスキルなどを自動的に統合化してより見やすくします。これには軽量化の目的もありますがメインとしては、前々からわかりにくいと言われ続けていたステータスへのボーナスの大中小表記なのですが、これを廃止して……』


裕太はキッチンからのんびりとテレビを見ながら凛に話しかける


「……ところで凛」

「ん?何?」

「あれ、凛のお父さんだよな」

「ん?…あ、そうね……え?」



セカンドワールドオンライン開発担当責任者

永田 英治



「「「「え?」」」」

「は?」

「久しぶりに見たけど元気そうでよかったな…凛?」

「もし私を優遇とかしてたら許さないから」


凛はそう言いながらスマホを操作して耳に当てた


『そんなわけでちゃんと数値化してステータスに表示することに…[ピロピロ♪ピロピロ♪]…おっと失礼、娘からの電話です。ちょっと代理を呼んで……え?手が空いてるのが森田しかいない?じゃあ森田でいいよ。あ、もしもし?』


テレビの中では凛のお父さんこと英治さんが耳にスマホをあて会話し始めた。


「久しぶり、お父さん」

『うわっ、お父さんって言ったよ!2年と8ヶ月3日ぶりの!』

『チーフ…ちょっと黙っててもらえないですかねぇ』『だってお父さんって!』

『あーよかったデスネー』


英治さんの代理としてひょろっとした中年のオッサンがテレビの右側から画面内に入ってきた。


「は?父さん?!」


真也が叫ぶ。


「なんで日単位で覚えてるんだよ、キモ」


凛が罵倒する。


『娘にキモいって…キモって……』

『成長ボーナスとかはそのままに、よりスキル構成を明快にしてわかりやすく、さらに新エリア開放による冒険の幅の『キモって言われた…』あんたはちょっと黙ってようか…』


画面の中の森田氏は必死に説明を頑張っている。


「ところでさ、私たちをえこひいきとかしてないよね?」

『えこひいきなんてするわけないじゃないか…俺、企画とチェックするだけだし…実行するのは他がなんとかしてくれるし』

『開放された新しいエリア………いやチーフが問題丸投げしてるだけですからね!?…あっすいません説明続けます……え?時間が押してる?すいません!うちのチーフが…え?謝るなら早く説明しろ?はいっ!わっかりました。なんで俺が……で新しいエリアに行くにはですね、噴水のある広場に出現したポータルを利用して……』


「やっぱりピザ作るのめんどくさいから注文しないか?」

「そうなんだ、じゃあね」

「なんか最近父さんいないと思ったら…通りでセキュリティがおかしいくらいガチガチなわけだ…」

『あっ電話切れた』

『…説明は以上です。さらに詳しいことはホームページをチェックしてください…『ねぇ電話切られたんだけど』…テレビに映ってるって分かってます?』


森田氏はその後も説明を続ける。



「ところでさピザにこだわる必要性なくね?」

「でも、パーティと言ったらピザじゃないー?」

「とりあえずつまみだけ作っておくぞ」


裕太はキッチンへ行き料理を始めた。

じゃがいもとチーズを使うようだ。

太郎と舞はパーティにピザは必要なのか、という議題で話をし合っている。




ーーーーーーーーーーーーーー




[ピンポーン♪]


しばらくしてインターホンが軽快な音を鳴らす。


「誰かピザでも頼んだー?」

「そろそろピザから離れないか?」

「私、見てくるよ」

「麗華さん、私が行くからいいよー、仮にも家主だしねー」


玄関の方へ行こうとする麗華を止めて、舞はソファから立ち上がり玄関の方は歩いて行った。


「やっぱりピザはパーティに必要だと思うんだよなー」


と言い残して。



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