いざ、ダンジョンへ
「さてとじゃああとは…」
今俺達はハナが見つけたダンジョンに行く準備をしている
「ユウ、武器は?」
「直しといた」
「防具は?」
「そもそも直す傷が付いてない」
「シン、ポーションは?」
「えぇ、腐る程作りましたとも…(あぁ、また赤字だよ…)」
「ところでバナナはお菓子に入りますかー?」
「遠足じゃないので持って行っていいと思いますよー?あ、ポテチ作ったんだけどリン食べる?」
「ありがとー!やっぱユウは最高だよ!」
ポテチで釣れるとは……見た目は美人、しかも人前では完璧なんだけどなぁ。
「ヒャッハー!うす塩だぁぁああ!」
本質がこれである。まぁそこも含めて好きだけどね。
あぁ…服で手を拭かない!袖で口拭かない!
リンの防具だけ耐久値が変な減り方してると思ってたんだけど、そういうことか。いつか袖だけもげるぞ。
「うおー!うす塩うめぇええ!」
やっぱり前家に行った時に一ヶ月ポテチ禁止令を出したのが効いてるのかな。のり塩とコンソメはまたの機会にしておかないとな
「行くぞー、リン。」
「ほら早く!」
「いこーよー」
「なかなか美味いでござるな」
「あっちょっと!それ最後の一つだったのにー!」
森に入って行く。森というにはあまりに雑草が少なすぎる気もするが。そして雑草の少なさと同じくらいに驚くほど戦闘をする機会がない。
と少しばかり気を抜いている時、敵が近づいてきたようだ。
「3時の方向150メートル、11時の方向80メートルに敵」
「数は?」
「3時は3匹、11時は5匹」
「ありがと、ユウ」
そうしてリンが弓を構えて矢を放つ。放たれた矢は当然命中しターゲットの命を刈り取る。
これを何回も繰り返しているので戦闘なんてものは起きず俺たちはゆったりとした時間を楽しんでいた。
楽しむと言っても喋るだけである。学校の先生のモノマネやら愚痴大会を一通りしたあたりで到着。
「うわーでかい」
それが感想だった、塔に関しては。
そんな廃れた塔なんてものよりもその後ろに広がる雲海が神秘的だと思った。まさに絶景。言葉も出ない。
だが今回の目的はその寂れた塔なのだ。
「みんな準備はいい?」
リンがみんなに問いかける。
「「もちろん」」
「もちろんだよー」
「問題ないでござる」
「ちょっと休憩しない?」
各々が問題ないと返答したところで出発する。
俺は脇にシンを抱えた。
「じゃっ出発!」
「「「「おぉ!!」」」」
「俺の意見を聞けぇぇええ」
こうして俺達の姿は塔の中へ消えた。
まず……一面の黒が俺たちを迎える。
「ねぇ誰かランプ持ってない?」
暗い。視界が取れてない。
視界がないからなんだって話だが普通は視界がないと戦闘の際は面倒臭い。
「誰だよオォォ準備万端って言ったやつはよぉぉおおお」
ぉぉぉぉぉぉぉ、と反響して聞こえてくる音からして、このダンジョンはかなり広いようだ。
視覚に頼れないダンジョン、確かに試練だ……
「ライト」
と思っていた時期が俺にもありました。
マイの魔術で明るくなった部屋には……
「この兵士全部敵…なのかな?」
「おい、それフラグ」
目に赤い光を灯した、動く鎧達が武器を構えていた。
いわゆるリビングアーマー的な奴、その数およそ100。
うん、知ってた。
「さて…始めますか」
「え?なんで冷静なの?おいぃぃいい!!」
「シン…うるさい」
「いがああああああああ」
「シンが壊れた!」
大丈夫、なんてことないさ。ただの鎧に臆する必要はない。
「よしっ、皆!行け!」
「シン!行くぞ!」
「肩を離せぇ!いやぁぁあああ!!」




