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閑話その1

テキトーに書いてます

時間を遡ること、14時間。


ここはVRゲーム セカンドワールドオンラインの開発者や技術者の集まる部屋である。空港で言えば管制室のような何かだ。管制室知らんけど。


「おはよう、ございます、藤井さん」

「あぁどうも、ウッ、伊藤さん」


世界初のフルダイブ型VRゲームを作ったとは思えないほど今の彼らはげっそりしている。これは偉業である。それを踏まえた上で……だ、話は戻る。


なぜ、総員12名のサーバ管理を任されたエリート。そのエリートであるはずの彼らがそこまでげっそりしているのか。理由は簡単。彼ら、自分の限界を知らないのである。

それは、酒しかり食べ物しかり、色々と。


「上野さん、水です、ウッ、どうぞ」

「オエッ、ありがとウッ、佐藤さん」


二日酔いの奴が二日酔いの奴の世話をしている。これは一種の世紀末なんじゃないだろうか。その部屋はディストピアと呼べる状況であった。


「よーしみんな集まれー」

「りょ」「ウィッス」「はいはーい」「オロロ……」

「ゥキモチワルイ」「承知〜」「……食べ過ぎた」

「ヤバイ吐きそう誰かビニール袋」


ゆっくりと11人が「あ〜」だの「ウッ」などとゾンビのようなうめき声を上げながらまとめ役であろう人物の元へ集まる。1人吐いている奴がいるが気にしてはいけないし見てはいけない。なぜなら見ると貰いゲロするからだ。貰い泣きの吐くバージョン。


「われわれはやっと新たな世界(2次元)の開発に成功したぁ」


ちなみに今まとめ役であろう人物。彼は寝袋の中から声を発している。


〔オーーー、、ウッ〕

「われわれの待ち望んだ猫耳少女やエルフ少女のいる世界ができたのだぁ」


もう一度言おう。部屋の中央で赤い寝袋の中に入り床に横たわった状態で叫んでいる。赤芋虫……なお彼は猫耳少女やエルフ少女なんかより娘ラブである。


〔オォォォーーー〕〔このロリコンがぁー〕

「誰だロリコンって言ったの!私はロリコンを積極的に肯定するがお触りはしない紳士だぞ」


これはジョーク……だと思われる。というかロリコンを認めている?!あと積極的に認めるの意味がよくわからん。自分からロリコンですって自己紹介しにいくのか?


「そういう問題じゃねーぞ!」「このクズが!」

「外道!」「……ありえない」「死ねー」


ドン引きされている。罵詈雑言がチーフに飛ぶ。


「……まぁ、そんなのはどうでもいい!サービス開始はあと2時間後だ。死ぬほど忙しくなるぞ。二日酔いに負けるんじゃねぇ!『シア』を起動させとけよ!」


男はそそくさと退散しようとする。もちろん寝袋に入ったままである。器用なことに芋虫のように這って進んでいる。

やっぱ芋虫……


「チーフどこに行くんです?」


しかし、そんな彼をなにやら笑みを浮かべた男が止める。まぁただ目の前に座っただけであるが。


「自然の摂理には逆らえねえのさ」

「トイレで吐くって言えばいいじゃないですか。何カッコつけてるんですか」

「吐くとかいえねぇだろ……すまん森田。もう、限界だ☆

……チョットポケットカリルゾオロロロロォ」

「ギィィヤァァッァァ!『限界だ☆』って何だそれっ!?うおっやめろぉぉおおお!クッソ何やってんだ!汚えっ!」


〔永田チィーフゥー〕


永田チーフは素早く寝袋から脱出するとその勢いそのままに森田の胸ポケットに胃の中のものをぶちまけた。『吐く』と言えないくせに実践することは躊躇しないのだから不思議なものである。


というわけで彼ら(ウンエイ)は昨日浮かれて飲みまくったため(一部は食べすぎの模様)に今日、頭痛と目眩、そして吐き気と戦っているのであった。


紛れもなくアホである。やってることは凄いのに。間違いなく天才とアホが同居している。

天才とアホは紙一重とは言うがその障子、破れてませんか?


2時間後


永田チィーフゥーを除いた人全員、総員11人が 眠気に負けた。森田さんは嘔吐されてダウンした。とんでもないとばっちりである。


「くっ、俺ももうダメかもしれない」

[諦めないでください]


シアが寝袋に呼びかける。健気なAIである。


「シア、お前には一応人格を備え付けておいたんだからお前が考えて行動してくれ。どうしても解決できない問題があったら俺が起きた時に回してくれ。あとお客様から無理なお願いをされたら〈そういう仕様ですので〉って言い続けとけそしたら向こうが勝手に折れる。……じゃあ、おやすみ」


人はこれを丸投げという。パワハラともいう。


[おやすみなさい チィーフゥー」

「ブッフォォ」


そして 2次元(ユメ)を実現させてしまった彼ら(ヘンタイ)12名全員が眠りに落ちた。それでも『シア』だけは起きている。13人目の仲間とも言えるA I。それが『シア』だ。


彼女は今日も無理難題に答え続ける。

それがどのような歪みに繋がるかこの時のチーフ達は知りもしなかった。

一話あたりの文字数が少ないのは大目に見て。

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