シン2
サブタイトルつけるのめんどい
「疲れたンゴー!」
様々な薬品の匂い飛び交う部屋にてその錬金術師は叫んだ。目の下のくまがひどい。
「流石に1日あたり1200はきついンゴ」
その錬金術師の目の前には馬車馬のごとく働き、作り上げた至高のポーションがぎっしりと箱詰めされていた。
「ザックさんようやく終わりましたよ。」
「いつもながらに手際がいいね。」
彼は褒められたことに少し照れる。彼の努力が報われる数少ない機会だからだ。
「まぁざっと32時間程度ですね」
照れ隠しにそんなことを言ってみたりする。ちなみに嘘ではない。本当に32時間程度使って完成させたのだ。ちなみにこれはゲーム内時間なので現実だは16時間……やはり廃人である。
「そろそろ休みませんか?」
流石にザックと呼ばれた人も、心配する。
この廃人の男、シンと言うのだが……完璧に遊び方を間違えているのである。
「まぁ信用してはいるのですが仕事ですから」
「わかってますよ。色つけてくださいよ?」
シンは報酬を求める。安定した収入源になっている彼は【虹の翼】の隠れた大黒柱と言えるだろう。
「ポーションは最近消耗激しいですからね」
「よっしゃ!」
ザックさんが検品を始める。
シンはその間ぽりぽりとユウ特製の飴ちゃんを舐めている。
ぽりぽりぽりぽり……
「ところでシンさん、飴は舐めるものだと思うんですよ…」
「噛み砕くのも結構いいですよ?」
「はぁ、そうですか…まぁそう言うものは人の自由ですし、でもぽりぽりうるさいですね」
「すいません……ぽりぽり」
しばらくしてザックさんが検品を終える。
「シンさん」
「はい、なんでしょう?」
「依頼失敗です。」
「……ンゴーー!!」
シンは頰を抑えて叫ぶ!まるで『む○んくの叫び』のような見た目である。
「ッ!びっくりするじゃないですか」
「何がいけなかったんですか!」
「それは「最高品質を作ったつもりなんですが」
シンが息巻く。それもそのはず、これらはシンの持てる技術を結集したものであるからだ。
「そのせいですね」「え?」
「いやだってこの箱に詰め込んであるの全部ハイポーションですよ?依頼は『ポーション』の納品です」
シンの目が見開かれる。
「ンゴー!」「ンゴンゴうるさいんですが!」
「どうにかならないんですか!」
「効果高いせいで値段が高くなると売れないんですよ!」「そこをどうにか「なりませんね」
「アイエー!?効果高いのにナンデー!?」
「効果どうにかして薄めてください」
「じゃあ水で薄めますね」
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劣化したハイポーション
効果:ポーションより上ハイポーションよりは下
備考:味が薄い(ミント風味)
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「これだとダメですよね?」
「ギリギリアウトですがまぁ3割引で買い取りますよ」「ありがとうございます!」
「いえいえこちらこそ(儲けた!)」
「何か言いました?」
「いえ何も。気をつけていってらっしゃい」
「行ってきます!」
ギルドの扉を開けシンが出て行く
「これもギルドが潰れないためなんです。シンさん申し訳ない。それにしても8分の3のお値段で買い取っているのになんで気づかないんでしょうね…」
その後シンがポーションを貴重だと思わず無駄に浪費し続ける原因がこのギルドのせいであるとは誰も気づくことはなかった。その結果【虹の翼】のメンバーもポーションの貴重さに気づくことがない。
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「たまには冒険もいいよね」
今シンは森に来ている。理由は……
「……ッ!」
木々の隙間から地面を這う蜘蛛が出てきた。
この蜘蛛の糸が今回の目的なのだが……
「(怖っキモッヤベー)」
シンは足がすくんで動けない。
もともと虫の類は苦手なのだ。
「(いや行くしかないんだ。行け!がんばれ!
がんばれ!がんばれ!いけるいける!絶対出来る!気持ちの問題だって)」
シンは足がすくんで動けない。
彼は蜘蛛はもちろんのことカマキリもカブトムシも無理である。
「(しかしステータスが足りないんじゃないか。なにせ実戦経験なんてないですし武器も槍ぐらいしか使えないですしおすし)」
シンは足に蜘蛛の糸が絡まっていて動けない。
彼は意外と鈍いのである。
「(なんかそれにしても足が動かないなあー………)」
シンは下半身を蜘蛛の糸で固定されていて動けない。
やっと自らの危機に気づく。アホである。
「うおおおおおおお!!寄るな来るな気持ち悪いあっちいけ!なんでこっち見てるんだよ!このっこのっうりゃおりゃ」
シンは当たらない槍を振り続けて牽制(笑)をしている。そしてシンは……諦めた。
「くっこの錬金術師である俺もここまでか…くっ殺せ」
「お前…何やってんの?」
気づけばそこにはユウが立っていた。
シンのくっころなんて誰得だよ。
「お前いつからいたの?」
「お前が木の後ろで生まれたての子鹿みたいになってた時から」
「蜘蛛は?」
「倒したけど…何か?」
「カッケー!流石ユウ!抱いて!」
「キモいな…ホモかよ」
「えぇホモです。ヤラナイカ?」
「……引くわ」
「え、ちょ冗談だって」
ユウは歩いて立ち去って行く。
「せめて下半身をどうにかしてから行ってー!」
「卑猥な!」
字面だけ見れば変態である。字面だけじゃなくても変態である。結論、彼は変態である。
「なんでぇぇええ!」
「じゃあな」
「置いてかないでぇぇええ」
「ほら魔物寄せのお香だ。楽しめよ?」
「裏切り者ぉぉおおお!」
シンは叫ぶがそれがさらに魔物を呼ぶことになるとは彼は気づかない。
「……で死んだと」
「はい」
「死んでしまうとは情けない」
「ひどい!」
ここはパーティ【虹の翼】のホームである。
「アイテムはなにをロストしましたか?」
「ポーションを20個ほど」
「お金はどれだけ減りましたか?」
「そのようなお金は持ち合わせておりません」
「これ以降死ぬのは禁止です。」
「リンさん?」
「死ぬのは禁止ですよ?」
「わかりました」
どう考えても彼が死ぬのはシンとその仲間が悪い。
つまりシンが悪いのである。
まぁ、運もかなり絡んでいるのだが。
シンくんの今日のお相手
ブラックスパイダー
討伐推奨レベル10
備考:スパイダー系の中で最弱
ロストしたもの
ポーション×20
(50000相当)




