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進展

リア充


それは我らボッチの敵である


それは事あるごとに記念日を作る

種族のことである


それは人目をはばかることなくイチャつく

不埒な輩の総称である



非リア


それは我らボッチのことである…

いや、リア充ではないものたちを指す


事あるごとにリア充から嫌味な目線を向けられる悲しい種族である。悲しい種族である。


特にクリスマスなどではそれが顕著であり街中でカップルに囲まれた非リアが早歩きで帰る姿を見ることができるだろう。

バレンタイン…ハロウィン…お正月…

自分にチョコをプレゼント

自室で仮装パーティー

自室で1人初日の出



…私『ハナ』こと藤堂麗華は非リアかつボッチであった。

だが高校に入り、凛や舞と出会ってボッチを脱出しなんだか非リア同盟のような感じで楽しかった


VRのおかげで一緒に冒険したり食べ歩きをして仲間だと思っていた



しかし事件は起きた



凛の非リア同盟脱退である


まぁそもそもそんな同盟は作ってないのだが


それに加えて、昨日の朝、車で学校に行く時、舞と太郎が笑顔で話し合っているところを目撃してしまった。



出来ているに違いない


そしてボッチは私だけになってしまったのか…

きっと私はこのまま誰とも付き合うことなく20歳を迎え三十路を迎え四十肩を患い腰痛に悩まされ還暦を迎え年金を受給し孫に喜んでいる周りの中一人でひっそりと息をひきとるのだろう…



そんなわけでストレス発散のため私は今森に来ている。

もちろんゲームの中だけど。


装備はガチ装備。巫女のコスプレともいうが…


ともかく虎やらドラゴンやらをバッサバッサと斬り伏せていけるところまで行くつもりだ。


「装備よし、忘れ物は…ないね。」


とりあえずドラゴンが出るところあたりまで全力で走る



体で風を切り木々が後ろに流れて行く

森の土独特の感触を足で感じながら駆ける


木の根を飛び越え

枝を掴み

幹を踏んで

前へ


「ふふふふふふははははははははは」

※ハナさんは少しテンションが上がっています



「ふふふふふふふふふふふ」


虎の前足を2回すばやく切り落としそのまま首に刃を突き立てる


「ははははははははははは」


オークの棍棒を紙一重で避け腕を切り落とし

足を切り落とし倒れて来たところで首を切り落とす


「はははははははははははははははははは」


サイクロプスの足を某巨人狩りの兵長の如く空中を移動しながら斬っていく

アキレス腱を両足とも斬る

そして片腕の筋肉の筋を斬り

その勢いのまま目玉を潰す


そして首を切る






ふふふふふふははははははははは

ふフハハハハふふふふふふははははははははは



ーーーーーーーーーーーー


「ふう、疲れた」


一体どれだけのモンスターを狩っただろうか

メニューで確認したところ…よくわからないがとりあえず6時間近くは暴れ続けていたらしい

…現実時間に直すと大体3時間か


そんなことはどうでもいいんだけど


「ここ…どこ?」


気づけば私はよくわからないところにいた


え?マップ機能?そんなのありませんよ?


というわけでゲームの世界で私は遭難した。


称号に迷子とかついたら泣くぞ?


まぁついたのは探検者と殺戮者の二つだったわけだが


効果は…まぁ察しろ



ここはどうやら森を抜けた場所で見渡す限りの雲海と一つの塔がそびえ立っておりますね…



「雲海ッ?!」



そこから先には大地はなくただ雲海が広がっていた


その景色は


「綺麗…」


その一言に尽きる。


ただ…ここに花畑があればきっと天国のような景色になるのだろうなぁ


「そしてリア充の溜まり場となりボッチで非リアな救いのない人の自殺名所になるのだった…と」



そんな妄想をしつつ

私は塔の近くまで来た


こんな妄想をしてしまうのは非リアだからなのだろうか…



…さて

この明らかに怪しいのが確定的である

塔の入り口には色々とレリーフが彫ってある

虎やら龍やら亀やら鳥やら猫やら犬など様々

猫がいるので干支ではないらしい

それに加えてよくわからない文字の羅列


ルーン文字か?

ロマンがあるじゃないか。


「ファイヤ!」(それっぽいポーズで)


……


わからない文字の羅列のその中に私は読める文字を見つけた


「青の試練の塔…」



それがこの塔…いやダンジョンの名前であり、

そしてここまでがこのゲームのチュートリアルであると私は理解した…



「燃える…」




そして先ほどのポーズは黒歴史として封印することに決めた


ーーーーーーーーーー



「チーフ、おいチーフ!」


「叫ばなくても聞こえてるよ!あと10分!」


「寝る気満々じゃないですか!」


「おい、ウルセェぞ!」


「はぁ?私の安眠妨げんな!」


「まぁまぁ落ち着いて。一回殴られたら落ち着くんじゃないですかねぇ?」


「ほら皆さん行きますよ」


「いやだ!行きたくない!やめろぉぉおお」


「いやだ、死にたくない!」


「いやそれくらいじゃ死なないでしょ」


「人間案外丈夫だから」


「そう言って酔った勢いでで人の頭にバール投げ飛ばして来たのは誰なんですかねぇ?」


「私だ」


「「「胸を張るな!」」」


「羨ましいんだろ?」

「くっ、ないものの報復を受けるぞ…」

「えぐれろ!」

「削れろ!」

「その駄肉私にも分けろ!」

「茶番はいいから早くいくぞ」


「いやだ、行きたくない」


「チーフ…時間押してるから」


「俺は動かんゾォ」


そういって彼は寝袋の中に引きこもった


「はぁ、仕方ないですね」


部下である彼はその寝袋を紐で手際よく縛っていく


「よっこいせと、さぁ行きますよ」


「やめろぉぉおお、俺は健康だから健康診断なんて必要ないんだ!今すぐ下ろせぇぇええ。

ああああああ『ゴンッ』……ガフッ」



今日は人間ドックの日である







「はーい少しチクっとしますよ」


「…」


「はい終わりました、お疲れ様でしたー」


「……」


「注射怖いとか子供ですか!」

「仕方ないだろぉ?」

「院内では静かにしてくださいね」


「あっはい。すいません。

以外気をつけさせていただきます。」


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