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イベント終了

日の出の少し前に俺は起きる。

まだ空気は冷えていて薄暗い朝。

そしてソファの上で寝ているシンと天井にハンモックをかけて寝ているタロー。2つあるベットはリンとハナが使っていて、2つのベットの隙間にマイが挟まっている。

見慣れた光景だ。

窓を開けて空気を吸い込む。

新鮮な空気が心地いい。

窓を閉めるとみんなの寝息が聞こえる。


「もう終わりなんだよな…」


ここはゲームの中なのだが、この暮らしに慣れてしまった。

イベントで時間が引き伸ばされているからみんなでお泊まりのようなこともできた。

イベントには終わりがくる。

そしてイベントが終わればまたリアルでの生活が始まる。


俺はそれでもいつものように朝食を作ることにした。

トーストを焼き。卵を焼きベーコンを焼く。

ゲームの中だというのに匂いまでするから、まるで現実で料理をしているように感じる。

あとは色々やればサンドウィッチの完成だ。

ついでに餅のリベンジとしておはぎを作った。


みんなはまだ起床しそうにない。

なぜなら昨日は賭け金を受け取ってみんなが興奮してどのような家にするかずっと話し合っていたからだ。

まぁ家を建てるのは俺になりそうなのだが。

俺は大工じゃないからそんなことは出来ない!

…と言い切りたいところなんだが、現実で少しかじってたのと建築関係のスキルをとったせいでできてしまうんだな、これが。

またシンに手伝ってもらうか。あいつは断ることを知らないYESマンだからな。


サンドウィッチが冷めてしまうのでストレージの中に収納する。

時間停止があるのは本当にありがたいです。


………暇だな


やることがないのでパン生地をこねる

かなりうるさくなってしまうが、まぁ起きないだろう。というか午後までには起きてもらわないと困る。受賞式があるからな。


パン生地をこねる。

パン生地を打ち付ける。

こねる、打ち付ける、こねる、打ち付ける。


単純作業は嫌なことを忘れることができていいな。


「ふぅわぁー」


マイが起きたようだ。ベットとベットの隙間から頭をのぞかせる。


「うぅー体がいたいー」


まぁ床で寝てればそうでしょうよ。

というかマイは昨日ハナと一緒のベットで寝たはず…

ベットの上ではハナが丸まってスヤスヤと寝息を立てていた。


それに対してリンは…堂々と仰向けで満面の笑みを浮かべながら寝ていた。

いびきをたてていないのでセーフだ。

ただ大の字で寝ているのはどうかと思う。


「喉乾いたー。ユウ、お茶。」

「人使いが荒いな…でお茶は紅茶?」

「コーヒー」

「お茶じゃないのかよ!」

思わず叫んでしまったがシンもハナもリンも起きていない。よかった。


ドサッ


「何?敵襲でござるか⁉︎」


ござるは起こしてしまったようだ…というか寝起きでもござる口調ってどんだけキャラ作ってるの?あと体大丈夫か?


「ござる。大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ないでござる。受け身をとった故。」

寝起きで受け身取るってのもすごいな。

「ござるは何飲む?」

「キンキンに冷えた水を」

「氷魔術、開発したらあるぞ。」

「それはマイ殿の担当でござる…忍術は火遁と水遁しかまだ取得できていないのでござる…」

「え?まじ?初耳なんだけど…」

ござるは忍者からニンジャにクラスチェンジしたようだ。

「雷遁は?土遁は?風遁は?」

「少し待つでござる。まだ経験値が足りないのでござる。」

マイが興奮しながらござるに質問をぶつけている。

「やっぱ影分身とか影縫いとかできるの?ねぇねぇ。やっぱ$€^*+*+€£#%#^*=•!?>$<£€€£$の?」


興奮すると語尾が治るけど早口になるのか…

途中全然聞き取れなかったぞ…


「影分身はできないでござる。」


冷静だ!ござるは狼狽えていない!

でも少し引いている!


俺は黙ってコーヒーのブラックをマイに出した。


「ありがとうー。苦ぁあー。すいませんー、ミルクと砂糖入れてくださいー。」


中二はブラックを無理して飲むと聞いたのだが…


水 (常温)をござるに渡す。


「やはりマイ殿最初に開発する魔術は雷系統ではなく氷系統にしてくださらんか?」

「そこはーゆずれないのですー。」

飲み終えたコーヒーのカップを持ったままポーズをバッとマイが決めようとした。

その時マイの手からマグカップが離れソファへ…


ゴンッ


「あぁ…いてぇ……親方!空からマグカップが!」

「うーん」

ハナが起きた。だがそれよりも顔面にマグカップがクリーンヒットしたシンが気になる。

「大丈夫かシン?」

「あぁ気にするな。それより飯だ。」

「じゃあテーブル用意しといてくれ。俺はリンを起こすよ。」

「お前……死ぬんじゃねえぞ」

「あぁわかってる」

リンは寝相はいいが寝起きが悪い。

寝起きでタックルをしてくるのだ。

その時何かを食べたあとだとリンの頭がちょうど鳩尾に当たるのでリバースの危険性が高まってしまう。

「おーい、リン起きろー、飯だぞー。」

「んん…」

しかし起きない

「おーきーろー。」

「んん…ユウ?」

ステンバーイ、ステンバーイ

「とう!」

来た!

が避けるわけにもいかない。

避けたならばリンが顔面から床に落ちてしまう。

「ゴォッフゥ」

「おはよう、ユウ」

そんな笑顔で挨拶されても…

「お、おはよう」

「おーいユウ。準備できたぞって…お取り込み中でしたかすいません。」

「いや、取り込んでないから!今行く!」

脱出成功。


ストレージからサンドウィッチを出しみんなに配る。

そして食べ終わったあとは各々自由に過ごす。

これが見慣れた風景。


「イベント終わりだねぇ」

「本当にな、短いようで長かった」

「いやーこんなに楽しんだのは久しぶりでござる。」

「楽しかった!」

「色々と発見もあったしよかったよ。」

「お金も稼げたしね!」


しみじみするな。


「さて集合!」

???

「今回のイベントで集めたお金で家を建てます!」

「決定事項かよ!」

「異議は認めませんし反論も認めません。家は結局買うことにしました!」


よかった…


「というわけでどの家にするか決めて!」


リンは候補を3つに絞って来たらしい


豪邸と普通の家と少し大きめの家


少し大きめの家がいいな。


「じゃコレに決定!」


なんでみんな豪邸を選んだの⁉︎


「見栄えがいいね!」

それだけ?

「ニンジャ屋敷に…ふふふ。」

「オプションたくさん付けれそう」

まぁそれはそうなんだが…



ということで俺たちの拠点は豪邸になる予定。


もう昼か…


「じゃそろそろ」

「「「行こっか」」」


部屋の中の荷物をまとめ…といってもストレージの中に入れるだけなのだが。

装備はイベントの時使ったコスプレのまま行くことになった。

もうどうにでもなれ。

リアルモジュールを使っている俺としてはあまり目立ちたくないのだが顔以外が目立つなら良しとすることにした。



コロシアムに入って少し経つと魔王の短い演説が始まり終わって受賞になった。


『個人の部一位…………



個人の部からの発表のようだ。

ん?あれは……ジィちゃんもやってたなそういえば。一位になったのかおめでとう。


『特典は[霊刀ツナ]!


そういって取り出されたのは何かのヒレを削って刀の形にしたものだった。


そして表彰は続き俺たちの番になった。


『パーティの部一位【虹の翼】!』


表彰台の上に上がる。


恥ずかしいな。


『特典は…全ステータスの上がる食材』


は?一時的なバフじゃなくて?


そういって俺たちに渡されたのは

ヒレのなくなったマグロだった。


この件で俺は魔王が景品の使い回しをしていると確信した。


そして海がこの世界にもあるということを。


そして表彰台から降りる前に魔王が叫んだ。


「ではこれでさらばだ!とても楽しませてもらった!」


そして周りの人がみんな光に包まれる。


そして魔王が小さな声で俺たちに言った。


「箱庭の者たちよ、いずれ試練を乗り越えここに来るのを、私はここで待っている。」と。


その言葉がどう言う意味なのか確認しようとした時には転移が終わっていた。


「じゃ解散しようか」

「「「そうだね」」」

他のメンバーには聞こえていなかったのか俺にはわからないが、俺には確かにそう聞こえた。

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