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魔導書

マイ回です

前半は前々の回と被っています


PV50000いきました

ありがとうございます!

学校から帰って

そこまで大きくない家の、門を開き

ドアの二つある鍵を開けて靴がない玄関に自分の靴を適当に脱ぎリビングへ向かう


靴下を脱ぎ洗濯機に入れて冷蔵庫からお茶を出して飲む


「ぷっは〜生き返る〜」


おっさんみたいな行動だけど

この家には誰も人がいないから問題ない




私のスマートフォンの電源をつける。

なんでうちの学校は電源を切らなければいけないんだろう。いちいち面倒なのに…

スマートフォンを片手に机の上に鎮座しているパソコンの電源を入れて回転するイスに座る


このパソコンは最新版の一つ前の型だ


「早く立ち上がれよ〜」


語尾を伸ばす癖はなかなか治らない


「いつか治そうとは思ってるんだけどなぁ〜」


スマートフォンの方が速かった


「やっぱ新しいの欲しいなー。でも金がなー」


VRの機器を揃えるのに結構お金がかかったので今の私の懐に余裕はない

お高いお菓子10個分くらいしか残っていなかったはず


スマートフォンの通信アプリには着信が二件入っていた


ーー

リン:今日もインするよ!


リン:18:00集合ね!


了解した:マイ


ーー


とりあえず返信したので次はホームページと掲示板を見る



ホームページには特に新しい要素が追加されたとは書いてなかった


ただ


スキルの上限数を設定しました


と書いてあったので注意したいと思う


次は掲示板を見る


このパソコンは一年前まではネトゲ専用機だったのだが、そのネトゲはセカンドワールドオンラインのサービス開始と同時にサービス終了したので今ではほとんど使う機会がないと言っても過言ではない……のだが


「やっぱ新しいの欲しいなー。使わないけど」


掲示板が開いたのでさらさらっと読み流していく

掲示板のだいたいがしょうもない話なので必要な情報を見つけるのが大変だ。しかもニセの情報もあるし


テレビの横の時計を見る


針は午後5時ちょうどを指している


画面に目を戻す

ーー


王都で アーツ バックスタブ

のオーブ買ったぜ


まじでどこよ?


それ帝都にもあったぞ

まぁ俺は槍使いだから

アーツ二段突き を買ったけどな


ーー


最近知ったんだけど

私たちのパーティは最初の町から出てない


けど…


最前線はすでに二つか三つほど町から進んでいて

各種属の調査隊によってマップの全容も把握でき始めていた


運営はスキルの獲得条件には厳しいがそれ以外にはかなりルーズだとわかった


それからアーツは習うものでなく買うものだと掲示板で知る事が出来た


マップでは私たちのいる町は最東端で

エルフの里は最北端

ドワーフの里は最南端

獣人の里は最西端

で中央に巨大な山とダンジョン群があり

その周りを四つの大都市が囲んでいるという感じだ


これ見て思ったことがある


「まじで?」


今までまっすぐ東の森を突き進んでいたけど

ドラゴンとか色々強い敵がいたんだけど


そしてこんな記述も見つけた


ーー


魔術書がクソ高いんだけど(泣)


仕方ないだろ魔術は火力が遠距離攻撃で一番高いんだから


中級の 〜の矢 あたりの魔術からしか

攻撃力的に実用性がないという、魔術士の悲しみね


上級にも足止めにしか使えないようなのあるんだが?


だいたい広範囲だから問題ないし、そこからコンボでいけるでしょ?


だいたい20個程度しか覚えてないわw


最前線じゃ30はいるぞ?


まじか⁉︎

ーー



これを見て私は今、危機感を覚えた

なぜなら

今私の持っている魔術は


最下級はプロンドさんたちに習って

全部取った…けど

下級は ファイヤーボール のみ

中級は ウォーターアロー のみ

上級は アースジャベリン のみ

超級は ガストショット のみ

聖級は セイクリッドホーリーアロー のみ

王級は なし

帝級も なし

神級も なし


となっている

つまり最下級を含めて10

中級以上の実用性のある魔術はたったの4

しかも攻撃魔術オンリー

これで魔導師は名乗れない…


とりあえず軽く冷蔵庫から冷凍食品の

【極旨豚肉炒飯】をレンジの中に入れて暖める


この食品会社とカップ麺の会社には

いつもお世話になっております


レンジの軽快な音が鳴り

少し冷たい炒飯を机の上に置きそのままスプーンで食べる


ふとテレビの横にある時計を見る


時計の針は午後5時ちょうどを指している



ん?


スマートフォンを開く


表示された時間は午後5時50分


リビングの時計は止まっていた


「うわっやばー」


こんな時まで語尾が伸びるのは何故だろうか

慌てて炒飯を掻き込む


「ゴフッゴフッ」


MU☆SE☆TA


慌てて水を飲み炒飯を掻き込む


片付けは簡単だ袋を捨ててスプーンを食器洗濯機に入れるだけだし




間違えてスプーンを捨てた






急いで階段を上がり自室のベッドのヘッドギアを装着してダイブした




リン達の姿が見える

どうやらギリギリ間に合ったようだ



「というわけなんだ」

えっ?もう実は始まってた感じですか?

「ちゃんと話しなさいよ。いきなり『というわけなんだ』といわれてもわからないわ」

なんだ、始まってなかったのか…

安心したよ

「じゃあイベントに向けての会議を始めたいと思います。拍手〜」

リンが仕切りイベント対策会議なるものが始まった


…でも『拍手〜』は無いと思う


「まず早速なんだけど今の装備だと心もとないから新しい武器や防具を作りたいんだけど良さそうな素材ある?あと今のステータスはどんな感じ?」


素材はイベントのときの報酬以外ほとんどない


前のイベントのときユウが

[素材は基本売らないでね]って言ってたのは

このためだったんだなぁー


「素材?ないよ?レベルは50から上がらないんだよね」ハナがこう言った


その瞬間ユウの纏う雰囲気が変わった気がした

そして若干リンの顔が引きつっている気がする

それに加え私の生存本能がこのままではやばいと私に告げる。多分ユウが怒っているのは素材のことだろうならば…


「素材はねー。リンが全部売ってたよー。レベルは50からあがってないしー防御が1からあがってないよー」


私の防御がスペランカーさんなので

それを伝えると同時に



すまん、リン


君は必要な犠牲だったんだよ

コラテカルダメージだ


「リンさん?」

心のこもっていないユウの声が怖い


普段怒らない人が怒ると怖いよね(小並感)


「は、はい。なんでしょうか?」

「素材は残すって決めませんでした?」


そういえば全員一致で決めましたね


「イベントのは全部残ってるから。ね?ね?」


見苦しいですぞー


「因果応報拳!」

その言葉と同時にバッチーンという

ハリセンのような音がした


因果応報拳ってデコピンかよ!


「ドブゥアラッシャイ」


変な声をあげてリンが転がっていった

そして頭を打った


リンが復活し問題点をユウが言った


「問題点は装備と経験あと前衛と支援が足りないと思う。経験はどうしようもないけど、装備は俺が素材を持ってきてくれればどうにかするから。

で誰かに前衛をやってもらいたいんだけど」


ユウはすでに問題点を出して会議しようとしている。確かにチームワークは取れないよなぁって思う。まず集団戦闘しないし。そもそも前衛いるかな?


そんなことを思っていたらリンが発言した。


「シンとユウで前衛やってよ」

「いや俺ら生産職だし」

「鍛冶士は火力になれるの?支援もできないでしょ?」

「確かにそうだけどさ」

「それでいいでしょ。はい決まりね」


強引だっ!

これ絶対さっきの因果応報拳(デコピン)の逆恨みだよー

そしてさりげなくシンが巻き添えを食らっている


「んな無茶な!」

「無茶じゃない」

「嘘だろ」


ユウがそういうのもわかる


「でも戦う方法が「クワ持って戦えばいいわ」


シンのセリフに食い気味で言っていく

やっぱりシンって不憫な子…


「絶対勝つわよ!」


リンのその一言で会議は終了した



「リンちょっと出かけてくるね」


どうやらハナは狩りに行くらしい

でも私には各町の魔導書を買い集めるという重要な使命がある


どうする。考えろ。


リンにお金をもらう方法は必ずあるはずだ。

ざっと見積もって10冊買うのに50万

だいたいドラゴン四分の一で買える


自分で狩りに行くというのもありだけど

一人だとデスするかも…


そうだハナといけばいいじゃないか


「あれっ?ハナは?」

「一人で訓練してくるってさ」


ハナはもういなかった

もうここはおねだりするしかないのか


「リン〜お願いがあるんですが〜」

「ん何?」

考えろ。それらしい理由を考えろ。

新しい魔術をたくさん覚えたいからなんて理由ではダメだ。ダメなのか?いやダメだ

「早く言ってよーイベントの用意が

色々あるんだよ」

イベント?それだ!

「イベントの為に色々な魔術を覚えたいだ」

「でなに?」

「魔導書を買うために50万yen必要なんですがー」

「端金じゃん、はいどーぞ」

「え?」

リン錯乱しているのか?

「足りなかったの?じゃあこれが限界」

さらに30万yen渡してきた

「頭打った?」

「打って…いやさっき打ったけど。

頭おかしくなってないよ」

「頭のおかしい人はみんなそう言うんです」

「ただ預かってたお金を返しただけでしょ。

それのどこがおかしいの?」


「いや、リンだし」

ユウが口を挟んできた

「どう言う意味っ?!」

ここが潮時。いざ退散!


とりあえず魔術士ギルドで魔導書が買えるとあったので魔術士ギルドへ向かう

商店街でハナを見つけた


「うまそーに食べてるなー」


無駄金を使う余裕はリアルでもこちらでもないので屋台の串カツを3本買って魔術士ギルドへ向かう


食べ終わると串は消えるのかと思ったが


木の串 と言うアイテムに変わった


「これはロストしてもいいや」




魔術士ギルドについた


いつもはそのままカウンターの向こう側に行って魔術談義に花を咲かせているのだが今日は一人の客としてきているのでカウンター越しに話しかける


「すいませんー」

「マイちゃんや。今日はこっちにこんのかい?」

「相談があるんですけど魔導書って売ってますか?」

「売ってるんだが渡り人は読まずに使うじゃろ?その使い方だと貴重な魔導書が消えてしまうんじゃよ」


アイテムとして使うと消滅するからその話だな

アイテムとして使わずにどう使うのだろう?

「正しい使い方はどんな方法なんですか?」

「普通に読むだけじゃよ」

「え?」

「声に出して朗読すればいいんじゃよ、

その方法ならば貸し出してやっても良いぞ?」


そりゃ本だからね

あたりまえだね

朗読か黙読の二択だったね

いや食べるという選択肢も…ないか


ようやく始まりの街で魔導書が売られてない原因がわかった

ここはレンタルオンリーだったからなんだね



奥のさらに奥の部屋に入る


「おぉ〜」


埃っぽい感じの書斎がそこにはあった


魔法研究室ができたらこんな感じで魔導書を集めるのもいいかもしれない


「どうじゃ自慢のコレクションじゃ。

王都にも質じゃ負けてない自信があるぞ」


「手にとっていいですか?」


「どうぞご自由に」


本を手に取る

いい重みだ

古ぼけた感じもすごくいい

表紙には


上級魔術ファイヤージャベリンの発動への手引き解説と考察


となっていた




ページをめくり読み進めていく


「まずこの魔術は上級に値するものであり危険なものであると認識してもらいたい……


ーーー


よってこの魔術は火を集め形作る場面が重要であり……


ーー

詠唱は色々と試してみたところ前述したうちの四番目が一番効率が良く威力も一番あるがのだが六番目の方が詠唱がとても短くそれなりの威力と少ないMPで発動するため実践的であると言える


ーー


以上を持ってこの書を終わりとする

あなたの魔道に幸福があらんことを

イナンナ=マーリン」



※アーツ ファイヤージャベリン

を習得しました


「どうじゃった?」


「無事習得出来ました。ありがとうございますー、ところでこれ全部読んでもいいんですか?」


「好きなだけ読んでいくといい。でも大切に扱っておくれよ」

「あ、それと先に代金支払います」

「代金はいいんじゃよ。ただ新しい魔導書を見つけたら寄付してくれんかな?」

「写本でいいですか?」

「原本がいいが、まぁ家の中にあるのも大体が写本だからな。それでもいいかな」

「ありがとうございます」

「必要なのは知識だから問題ないぞ」



それから魔導書を読みまくった




………面白い




中には魔術系の初歩的なスキルの習得できる本なんかもあったけどどの本も面白かった



暗い部屋の中で古本のページをめくり文字を読む


なんか私の部屋を少し思い出す


本とベットしかなかった私の部屋


リアルを思い出したので時計をなんとなく見ると


もう日付が変わっていた


「まだ下級しか読み終わってないよー」


そうまだ下級しか読み終わっていない


「もう帰って寝ます、ありがとうございましたー」

「明後日も来るのかい?」

「はい、明後日また来ます」

手元には80万yenが残っている


「やっぱりどうぞ」

「こんなにいいのかい?」

「あれ全部買おうとしたらそれ以上かかりますから」


夜の街を歩き宿屋に帰る

もう屋台はやってないみたいだ

宿屋に戻りログアウトした







翌日もう一度魔術士ギルドの書斎にいくと

1冊しかなかった聖級の魔導書が2冊に

1冊もなかった王級の魔導書が1冊に

増えていた

もらったお金を速攻で使い果たした模様


補足説明

魔術士ギルドの書斎には50冊ほど魔導書があります

内訳

最下級5下級18中級12上級6超級4聖級2王級1(冊)

特殊2

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